先日、筆者にとって五代目となるデジタル・カメラのPENTAX K-S1が黒死病に罹患したと書いた。
購入した当初は8年前発売の型落ちだったとはいえ、新品で買って僅か2年の命だったのである。
詳しくは上記の日記を読んでいただきたいが、カメラのキタムラに持って行くと、2014年という古い年式のため、メーカー(リコーイメージング)にも交換部品が無いので修理は不可能とのこと。
ちなみに、最初にカメラのキタムラに持ち込んだときには、店員は黒死病のことなど一言も言わなかったが、帰宅した後にインターネットで調べてみて黒死病のことを知り、翌日もキタムラに行って同じ店員にそのことを告げたら、やはりこの店員は黒死病のことを知っていた。
クソー、この店員、やはり黒死病のことなど知らないフリをしていたのか。
まあ、キタムラでもPENTAXのカメラを販売しているので、商品の不利になるようなことを言うはずはないか。
さらにネットで調べてみると、黒死病を修理する業者があった。
ここに修理を依頼しようかとも思ったが、ネットでの簡易見積もりによると2万円ぐらいかかりそうだし、修理に2万円もかけるのなら中古品を買う方がマシかも知れない。
それに、ネット情報だと、修理しても黒死病が再発する可能性は高いそうだ。
よって、修理は断念。
自分で修理する動画もあったが、素人かつ手先が不器用な筆者には、とてもできそうもない。
残る選択肢は六代目デジカメを買うことだが、中古品は前にPENTAX K-30をキタムラで買おうとして、今から思うと黒死病を患ったカメラだったため返品したので、もう懲りていた。
つまり、買うとすれば新品である。
前の日記にも書いたが、目星を付けたのはPENTAX KF。
発売されたのは2022年と比較的最近にもかかわらず、ネット販売の最安値ではボディーのみで8万円強とかなり安かった。
ちなみに、筆者がK-S1を買ったのは2022年9月で、KFが発売されたのは同年11月だから、筆者が初めて一眼レフを手に入れてから間もなくリリースされたことになる。
レンズは、K-S1のときに付いていたダブルズームキット(18-55㎜と55-300㎜)があるので必要ない。
スペックを調べたり、カメラ愛好家によるKFの紹介動画を見たりすると、エントリー・モデルとしてはKFはかなり優秀だと思われる。
というか、PENTAXの位置づけとしてはスタンダード・モデルらしいが、だとするとこの値段は相当に安い。
懸念は、同じPENTAXで、しかも黒死病の発症が多数報告されているK-70の後継機種のため、また黒死病にかかってしまうのでは?ということだ。
いっそのこと、K-S1は2本のレンズごと売ってしまい、黒死病の懸念があるPENTAXとはオサラバして、思い切ってキヤノンかNIKONあたりに乗り換えようか、とも思った。
キヤノンには、レンズキットで約7万5千円の一眼レフがあったので、それも候補に入れる。
しかし、その場合は18-55㎜のレンズ1本だけなので、もう1本300㎜のレンズは欲しい。
しかし、そうなるとかなり高くなるうえに、ボディーの年式が2018年とやや古いため、やはりそれも断念した。
せっかくPENTAXのレンズが2本もあるし、黒死病さえなければPENTAXの一眼レフはコスパ抜群なので、結局は初志貫徹でPENTAX KFの新品購入を決意。
黒死病に関しては、5年保証を付けることでカバーしようとしたのだ。
KFのボディーは最も安いネット販売で83,634円、5年保証だとそれに5,104円プラス。
しかし、どうせなら念のため物損も合わせて7,695円プラスの5年保証にした。
それらを合わせても、同じぐらいのスペックの他社の一眼レフよりはかなり安い。
ちなみに、クレジットカード払いだと3千円ぐらい高くなるので、代金引き換えにした。
代引き手数料は取られるが、それでもクレカ払いより2千円ぐらい安い。
そして9月11日の水曜日の夜、PENTAX KFをネット注文した。
翌木曜日に出荷となり、到着まで1~2日ぐらいはかかるそうだが、東京からの発送なので、昨今の働き方改革により到着は2日かかって土曜日(14日)と予想。
しかし、土曜日は母親に、中西ピーナッツに連れて行って欲しいと頼まれていたので、代引きなのに家に誰もいないのはマズい。
▼記事とは関係ないが、リクエストがあったのでおまけショット。中西ピーナッツのアイスクリーム(スマホ撮影)
そこで、着日指定を日曜日(15日)とした。
この日、筆者は出掛ける予定だが、母親は家にいるため、代引き料金を用意しておくように頼んでおく。
代引きなので、釣銭のないようにキッカリの金額を準備しておかなければならない。
しかし、これが後に大恥をかくことになる。
金曜日(13日)、帰宅してクロネコヤマトの発送状況を確認すると、なんと朝の段階で既に最寄りの営業所に着いていた!
つまり、着日指定していなければ、金曜日の午前中にカメラが到着していたのだ。
早速クロネコヤマトに電話すると、その日はもう営業終了だったが、翌土曜日(14日)に営業所まで取りに行っても構わないとのこと。
そして土曜日の朝、中西ピーナッツへ行く前にクロネコヤマトの営業所へ行った。
カメラが入った梱包箱を受け取り、母親から預かった封筒を手渡す。
ところが、クロネコヤマトのオジサンは、さも申し訳なさそうに、
「あのう、お金が足りないんですが」
と言った。
そんなはずはないと数えてみると、カメラ代+物損付5年保証+代引き手数料=92,209円が必要なのだが、47,209円しかない。
小銭を除くと、1万円札9枚が必要なのだが、封筒には1万円札4枚と5千円札1枚しかなかった。
幸い、5万円を持ち合わせていたのでカネを取りに帰る必要はなかったのだが、5万円を差し出すと、
「では、こちらをお返しします」
とオジサンが言って、封筒の中に入っていた5千円札を筆者に手渡す。
ここで筆者は全てを理解した。
つまり、母親は5千円札を5万円札と思っていたのだ。
今年の7月3日に新札が登場したが、5万円札まで発行されたなんてニュースは見たことがないぞ。
おそらく、オジサンもそのことに気付いたのだろう、笑いを必死に堪えているように見えた。
筆者は恥ずかしい思いをしながらカメラを受け取り、クロネコヤマトを後にする。
それはともかく、PENTAX KFが遂に手に入った。
ところが、実はこの時点でK-S1の黒死病が治っていたのだ。
ネット上では、カメラを分解しなくても黒死病を克服する方法が紹介されていた。
そのうちの一つが、黒死病の原因となっている絞り制御ブロックの磁気を失くすというもの。
百均で超強力マグネット(ミニ8ピース)を購入し、それを会社から借りてきた電動ドライバーの先に布テープで固定して、電ドラをカメラの前で回転させ、消磁する。
だが、筆者のK-S1には全く効果がなかった。
そこで、次の方法としてファインダーをライブビューにしたり、連写したりというのを試したが、これが効果テキメン。
黒死病が克服され、綺麗に写るようになったのだ。
だが、それも一時的なもので、特にオートでは数時間経つと元の木阿弥。
それでも、黒死病が治っている間にK-S1を買い取り業者に持って行けば、高く売れるのではないか。
まるで怪我を隠して日本の球団にポンコツ選手を売り込むメジャー・リーガーの代理人のようなものだが、この方法はカメラのキタムラには通用しない。
前述のキタムラ店員に聞いたのだが、黒死病の恐れがあるのでPENTAXのカメラは慎重に調べて厳しく査定するのだそうだ。
その割りには、キタムラは筆者に黒死病のK-30を売りつけたのだが。
そこで、査定の緩そうなB社に持って行くことを計画。
以前、週刊ファイトの編集長から、昔ながらの小さなコンパクトデジカメを5つも貰ったことがあり、キタムラに持って行くと査定に1日ぐらいかかるうえに百円にもならないでしょうと言われたので断念したことがあった。
ところが、B社だと30分ほどの査定で、なんと3千円もの値が付いたのだ。
あまりしっかりと査定しなかったのだろう。
そこで、B社に持って行こうと思ったのだが、相見積もりするために先にS社へ持って行くことにする。
S社でもやはり30分程度の査定時間だったが(つまり、黒死病はバレていないだろう)、それでも付いた値は3,600円。
しかも、これはサービス600円込みの値段で、実質は3千円しか値が付かなかったわけだ。
最低でも1万円は付けてもらいたかったので、S社は断念。
次に当初の予定通りB社に行ったが、やはり30分程度の査定時間で3千5百円とS社よりも安かった。
その理由は、ダブルズームキットなのにレンズが付いていないから、というものらしい。
結局、K-S1を売るのは諦めた。
どうせ売っても安いのなら、潰れるのを覚悟で自己修理し、ダメなら諦め、オペに成功すればサブ機としてK-S1を使える。
(※……翌日、B社の別の店舗で査定してもらったら、なんと倍の7千円の値がついた!同じ会社なのに、なぜこんなに査定が違う?それにしても、ビミョーな金額。迷いに迷ったが、目標の1万円に届かなかったので、今回も断念)
それでは、KFの機能を見てみよう。
まずK-S1との大きな違いは、画像モニターがバリアングルになっていることだ。
これにより、モニターを見ながらの自撮りなども可能で、低いアングルからも撮影しやすくなる。
▼KFのバリアングル画像モニター(スマホ撮影)
また、前電子ダイヤルと後電子ダイヤル、2つのダイヤルが付いているのは嬉しい。
たとえばK-S1ではシャッター速度と絞りを変更するには、ダイヤルが1つしかなかったのでボタンを押して切り替える必要があったが、KFではダイヤルが2つあるのでボタンを押す手間が省ける。
そして、KFにはWi-Fi機能も付いていた。
今のデジカメでは当たり前とも言える機能だが、これによりカメラで撮った写真をそのままSNSに公開することもできる。
ちょっと残念だったのは、機能とは関係ないが、KFが届いて箱を開けても、新品カメラ独特の匂いがほとんど無かったこと。
かなりクセの強い匂いだが、新車の匂いが好きな人が多いように、筆者はあの新品カメラの匂いが好きだった。
あの匂いを嗅ぐと、新品カメラを買ったぞ!という実感が湧いたものだ。
K-S1は匂いがかなり強く、購入してからはずっとドライボックスに入れていたため、今でもかすかに匂いが感じられるが、KFは新品にもかかわらず匂いがほとんどない。
あの匂いが嫌いという人が多くて、改善されたのかも(筆者にとっては改悪だが)。
それはともかく、早速ネタランでは毎度お馴染みの奈良県の馬見丘陵公園へ行って試し撮りをしてきたが、生憎の曇り空でピーカンにはならず残念。
まだまだK-S1にはなかった機能がありそうなので、何度も撮影してKFを存分に活かさねばなるまい。
▼まだグリーンのコキア。秋が深まると赤く染まるだろう
それではここで、歴代のデジカメを見てみよう。
◎初代:FUJIFILM FinePix A210
記念すべき初代デジカメを買ったのは2003年の暮れ。
それまでは、カメラなど持ったことがなく、興味もなかった。
つまり、フィルム・カメラを使ったことがなかったわけで、カメラと言えば「写ルンです」オンリーだったのである。
しかし、どういう動機でカメラを購入したのかは憶えていない。
スペックは、320万画素で光学3倍ズーム、連写機能などない。
今のスマホの方がよほど機能が充実していそうだ。
ただ、小型で軽くて持ちやすく、小さいながらも動画撮影もできた。
それに、機能が少ない分、操作を覚えるのも簡単だったのだ。
また、当時のFUJIFILMらしく、記録メディアはなんとxDピクチャーカード!
もはや絶滅したと思われるので、このカードに入っている写真を取り出すのは困難だろう。
▼2004年正月、六甲山上から六甲アイランドを撮影(兵庫県)
◎二代目:FUJIFILM FinePix E510
二代目デジカメをいつ買ったのか、なぜ買い替えたのか不明(初代のレンズが曇ってしまい、修理するのが高額になるから買い替えた記憶があるが、レンズが曇ったのはこの機種の可能性もある)。
初代と同じくFUJIFILMで、記録メディアはやはりxDピクチャーカードだった。
スペックは、520万画素で初代よりも良くなっているが、光学ズームは3.2倍でさほど変わらない。
連写ができないのも同じだが、初代よりもコンパクトで持ちやすくなった。
普段、レンズは閉じており、電源を入れるとレンズ部分が開くのが特徴。
初代に比べて進化したのは、モードダイヤルが付いたことだろう。
つまり、シーンに合わせての撮影が可能になった。
◎三代目:FUJIFILM FinePix S8100fd
光学3.2ズーム程度では飽き足らなくなり、2008年11月頃に買ったのがこの機種。
初めてのネオ一眼だ。
この機種は、xDピクチャーカードの他にSDカードおよびSDHCカードも使えるようになり、FUJIFILMもさすがに時代の波に逆らえなくなったか。
前二代と違い、カード挿入口と電池を入れる場所が分かれていて、いちいち電池のフタを開けなくて済むので重宝した。
また、カードを挿入しなくても数枚なら画像を本体に保存できたため、たとえばカードがいっぱいになった時でも、カードを入れ替えずにそのまま撮影できたので、この点でも優れていたのだ。
スペックは、1000万画素に光学18倍ズームと、二代目とは比較にならない。
1.1コマ/秒とはいえ、連写機能も付いている。
見た目も一眼レフと変わらないので、お気に入りの一品となった。
光学18倍ズームというのも、この重さを考えると現在からみれば物足りないが、当時としては充分だろう。
前の二代が5年間で2台使っていたことになるが、三代目は5年間も愛用していた。
▼2010年6月、間もなく撤去される余部鉄橋を撮影(兵庫県)
◎四代目:FUJIFILM FinePix S8200
現在でも使っているネオ一眼。
2013年10月に購入した。
光学40倍ズームで、三代目をさらに圧倒している。
他のスペックは、1620万画素で連写は120コマ/秒(!)と、そんじょそこらの一眼レフが裸足で逃げ出しそうだ。
しかも、家電量販店の店舗なら約3万5千円だったが、ネット販売(家電量販店のオンライン・ショップ)だと1万8千円ぐらいで、かなりのお得感があった。
記録メディアもとうとうxDピクチャーカードが使えなくなり、SDカード、SDHCカード、SDXCカードになっている。
比較:左が三代目、右が四代目
▼四代目を最大の光学40倍ズームにすると、レンズ部分がこんなにも伸びる
ただし、四代目にも不満がなかったわけではない。
まずは、夏の暑い日にはズームレンズが伸びなくなることがあった。
さらに、三代目と違って本体に画像を保存できなくなり、前述の通りカード挿入口も電池部分と一緒になるという、いわば退化している。
しかも、カード挿入口と電池部分が一緒になったため、カードを入れ替えるときにはいちいち電池カバーを開けなければならなくなった。
そして、毎回ではないが、これまた前述の通り電池カバーを開けるとなぜか日時が初期設定にリセットされることが多かったのである。
そういう設定というわけではなく、単なる誤動作だ。
そのため、電池カバーを開けるたびにいちいち日時設定をしなければならなかった。
また、120コマ/秒という圧倒的な連写速度も、実際にはほとんど使ったことがない。
なぜなら、そんな高速連写をすると保存にかなりの時間がかかり、その間は撮影ができなくなるから、結局のところはシャッターチャンスを逃す方が遥かに多くなったからだ。
そのため、連写は5コマ/秒を使っていたが、それでも保存には時間がかかった。
とはいえ、四代目はネオ一眼としては圧倒的な性能を誇っていたため、最も活躍したのは四代目である。
出番は激減したとはいえ現在でもまだ現役で、間もなく三代目を大きく超える11年目に突入。
▼2015年4月、高田川の千本桜(奈良県)
◎幻の五代目:PENTAX K-30 ダブルズームキット
中古で購入したが、不良品(おそらく黒死病)だったため返品。
◎五代目:PENTAX K-S1 300ダブルズームキット
幻の五代目を除き、初のFUJIFILM以外のデジカメは初の一眼レフ。
年式は2014年、18-55㎜と55-300㎜という2本のレンズ付き。
実はダブルズームキット、ネット上でも賛否両論で、初心者にはもってこいという意見もあれば、初心者にとっては着け外しが面倒だというレビューもあったが、やはり2本のズーム・レンズ(内1本は望遠タイプ)の魅力には勝てなかった。
スペックは、有効画素が2012万画素で、四代目を上回る。
連写速度は5.4コマ/秒で四代目より大きく劣るが、前述のとおり超高速連写は使わないので、これぐらいでも良かろう。
しかも、連写後の保存速度は四代目よりも圧倒的に速い。
これなら、連写後にシャッターチャンスを逃すこともないだろう。
初代一眼レフとして活躍が期待されたが、前述の通り黒死病のため僅か2年で引退。
ただ、ある程度は一眼レフに慣れることはできた。
▼最大ズームにした時の比較。上が五代目、下が四代目
▼2022年12月、富田林市・金剛団地のイルミネーション(大阪府)
◎六代目:PENTAX KF
詳しい機能は上記に譲るが、五代目のK-S1の年式が2014年に対し、六代目のKFは2022年と8年後に発売されたタイプ。
それだけに、機能はかなり強化されている。
たとえばK-S1が2012万画素なのに対し、KFは2424万画素。
また、ISO感度はオートと手動を選ぶことができるようになった。
他にも色々あるだろうが、それはおいおい判ってくるだろう。
あとは、黒死病を発症しないように祈るばかりである。
▼左が六代目(KF)、右が五代目(K-S1)
▼2024年9月、KFを購入直後に馬見丘陵公園にて撮影(奈良県)
▼左から初代~六代目