遂にデジカメ一眼レフを買った。
というのも、愛用していた光学40倍ズームのネオ一眼(分類上はコンデジ)が動かなくなってしまったからだ。
電源を切ると普段はレンズが引っ込むのだが、電源を切ってもレンズが引っ込まないままで、次に電源を入れるとエラーが出てしまう。
修理するとかなりの高額になるため、それなら買い替えた方がいいと思ったわけだ。
今回は、かねてから念願だった一眼レフかミラーレスを買おうと決めていた。
と言っても、いきなり新品を買うと高過ぎるし、ちゃんと操作できないと宝の持ち腐れになると思ったので、狙いは初心者用の安い中古の一眼レフかミラーレスである(初心者用でも新品だとネオ一眼よりも遥かに高い)。
中古で初心者用の一眼レフorミラーレスだったら、値段は同じぐらいでも新品のネオ一眼の方が使い勝手もいいし機能も充実しているだろう。
それでも一眼レフorミラーレスにしようと思った理由は、ネオ一眼に頼っているといつまで経っても撮影技術が上達しないと思ったからだ。
一眼レフとミラーレスの両方を持っている友人からアドバイスをもらい、ミラーレスをやめて一眼レフに絞ることに決めた(カメラだけにね)。
さらに、そのアドバイスを元に、ネットで評判などを調べて、以下のようなスペックを希望したのだ。
●300㎜以上のダブルズームキット付き
●1万6千画素以上
●連写速度は5コマ/秒以上
●値段は3万5千円以内
●色はできればブラック
●メルカリやネットオークションなどは利用しない
これらを踏まえて、ネットを検索し、さらに外へ出てブックオフやカメラのキタムラを周ったが、条件に適う機種がなかなかない。
やむなく、もう一度ネットで検索してみると、遂に見つかった!
しかも、カメラのキタムラからの出品で、大分の店舗に1台だけあったのだ。
もう一度、慎重にネット検索し、条件に合う機種はないかと確認したが、やはりこれしかなかった。
同じ機種で、メルカリではもっと安く売られていたが、やはりトラブルが不安だし、あくまで出品者の情報だけなので見た目以上に故障を抱えているかも知れないし、色もブラックではなかったので断念。
その点、カメラのキタムラだと間違いないだろうし、古い機種のため半年保証は付いてないが、初期不良に関しては対処してくれる。
それに、最寄りのキタムラ店舗まで取りに行くと送料はかからず、その場で現金払いなのでネット支払いよりも安心だ。
届けてもらう店は、奈良県上牧町のラスパという商業施設内にあるカメラのキタムラ。
到着しそうな日に、ちょうどこの周辺に行く予定があったからだ。
しかし、当日になっても、到着したというお知らせメールは来ない。
それでも、留守中にメールが来ている可能性もあると思い、午後2時頃にラスパのキタムラへ行ってみた。
だが、まだ到着していなくて、明日に来るだろうとのこと。
やむなく帰宅し、眠くなったので午後4時頃に昼寝、5時に目が覚めた。
すると、どこからかメールが入っている。
見てみたら、何とキタムラからの到着メールではないか!
しかも、着信時間を確かめると、午後4時頃。
昼寝をもう少し我慢していれば、その段階で取りに行くことができたのだ。
しかし、昼寝したおかげで時間も遅くなったし、日曜日まで取りに行くのは諦めようかと思ったが、すぐに欲しいという欲求には勝てなかった。
気付いたら運転席に飛び乗って車を飛ばし、県境をまたいで上牧町のラスパへ。
そして、ようやく念願の一眼レフを手に入れた。
それでは、どんな一眼レフだったのか?
それを紹介する前に、筆者が使ってきた歴代デジカメを見て行こう。
今回買ったのは五代目である。
そして、とんでもないオチが待ち受けていたが、それは最後に発表しよう。
◎初代:FUJIFILM FinePix A210
記念すべき初代デジカメを買ったのは2003年の暮れ。
それまでは、カメラなど持ったことがなく、興味もなかった。
つまり、フィルム・カメラを使ったことがなかったわけで、カメラと言えば「写ルンです」オンリーだったのである。
しかし、どういう動機でカメラを購入したのかは憶えていない。
スペックは、320万画素で光学3倍ズーム、連写機能などない。
今のスマホの方がよほど機能が充実していそうだ。
ただ、小型で軽くて持ちやすく、小さいながらも動画撮影もできた。
それに、機能が少ない分、操作を覚えるのも簡単だったのだ。
また、当時のFUJIFILMらしく、記録メディアはなんとxDピクチャーカード!
もはや絶滅したと思われるので、このカードに入っている写真を取り出すのは困難だろう。
▼2004年2月、大阪近鉄バファローズとして最後となった日向キャンプ(宮崎県)
◎二代目:FUJIFILM FinePix E510
二代目デジカメをいつ買ったのか、なぜ買い替えたのか不明(初代のレンズが曇ってしまい、修理するのが高額になるから買い替えた記憶があるが、レンズが曇ったのはこの機種の可能性もある)。
初代と同じくFUJIFILMで、記録メディアはやはりxDピクチャーカードだった。
スペックは、520万画素で初代よりも良くなっているが、光学ズームは3.2倍でさほど変わらない。
連写ができないのも同じだが、初代よりもコンパクトで持ちやすくなった。
普段、レンズは閉じており、電源を入れるとレンズ部分が開くのが特徴。
初代に比べて進化したのは、モードダイヤルが付いたことだろう。
つまり、シーンに合わせての撮影が可能になった。
◎三代目:FUJIFILM FinePix S8100fd
光学3.2ズーム程度では飽き足らなくなり、2008年11月頃に買ったのがこの機種。
初めてのネオ一眼だ。
この機種は、xDピクチャーカードの他にSDカードおよびSDHCカードも使えるようになり、FUJIFILMもさすがに時代の波に逆らえなくなったか。
前二代と違い、カード挿入口と電池を入れる場所が分かれていて、いちいち電池のフタを開けなくて済むので重宝した。
また、カードを挿入しなくても数枚なら画像を本体に保存できたため、たとえばカードがいっぱいになった時でも、カードを入れ替えずにそのまま撮影できたので、この点でも優れていたのだ。
スペックは、1000万画素に光学18倍ズームと、二代目とは比較にならない。
1.1コマ/秒とはいえ、連写機能も付いている。
見た目も一眼レフと変わらないので、お気に入りの一品となった。
光学18倍ズームというのも、この重さを考えると現在からみれば物足りないが、当時としては充分だろう。
前の二代が5年間で2台使っていたことになるが、三代目は5年間も愛用していた。
▼2010年6月、間もなく撤去される余部鉄橋(兵庫県)を撮影
◎四代目:FUJIFILM FinePix S8200
直近まで使っていたネオ一眼。
2013年10月に購入した。
前述のとおり光学40倍ズームで、三代目をさらに圧倒している。
他のスペックは、1620万画素で連写は120コマ/秒(!)と、そんじょそこらの一眼レフが裸足で逃げ出しそうだ。
しかも、家電量販店の店舗なら約3万5千円だったが、ネット販売(家電量販店のオンライン・ショップ)だと1万8千円ぐらいで、かなりのお得感があった。
記録メディアもとうとうxDピクチャーカードが使えなくなり、SDカード、SDHCカード、SDXCカードになっている。
▼大きさ比較:左が三代目、右が四代目
▼四代目を最大の光学40倍ズームにすると、レンズ部分がこんなにも伸びる
ただし、四代目にも不満がなかったわけではない。
まずは、夏の暑い日にはズームレンズが伸びなくなることがあった。
さらに、三代目と違って本体に画像を保存できなくなり、カード挿入口も電池部分と一緒になるという、いわば退化している。
しかも、カード挿入口と電池部分が一緒になったため、カードを入れ替えるときにはいちいち電池カバーを開けなければならなくなった。
そして、毎回ではないが、電池カバーを開けるとなぜか日時が初期設定にリセットされることが多かったのである。
そういう設定というわけではなく、単なる誤動作だ。
そのため、電池カバーを開けるたびにいちいち日時設定をしなければならなかった。
また、120コマ/秒という圧倒的な連写速度も、実際にはほとんど使ったことがない。
なぜなら、そんな高速連写をすると保存にかなりの時間がかかり、その間は撮影ができなくなるから、結局のところはシャッターチャンスを逃す方が遥かに多くなったからだ。
そのため、連写は5コマ/秒を使っていたが、それでも保存には時間がかかった。
とはいえ、四代目はネオ一眼としては圧倒的な性能を誇っていたため、最も活躍したのは四代目である。
そのため、四代目が動かなくなったときは諦めきれなかった。
もっとも、いずれは一眼レフに挑戦したいと思っていたので、四代目の故障はそのキッカケを作ってくれたとも言える。
結局、三代目を超える8年以上も使っていた……(後述)。
▼2015年4月、高田川(奈良県)の千本桜
◎五代目:PENTAX K-30 ダブルズームキット
これが今回買った、初めての一眼レフ。
四代目までは全てFUJIFILMのFinePixだったが、別に筆者がFUJIFILMユーザーというわけではない。
たまたまスペックと値段が一致したのがずっとFUJIFILMだっただけの話だが、今回の一眼レフ選定にFUJIFILMは全くヒットしなかった。
そして、初めてFUJIFILM以外、PENTAXのカメラを手にすることになる。
年式は2012年で、PENTAXがRICOHと合併して第1弾の一眼レフらしい。
スペックは、有効画素が1628万画素で、四代目とほぼ同じ。
連写速度は6コマ/秒で四代目より大きく劣るが、前述のとおり超高速連写は使わないので、これぐらいでも良かろう。
問題はダブルズームキットで、55-300㎜というのは、ネオ一眼の光学40倍ズームに比べてどうなのか、気になるところだ。
実はダブルズームキット、ネット上でも賛否両論で、初心者にはもってこいという意見もあれば、初心者にとっては着け外しが面倒だというレビューもあったが、前述の友人が推していたのでこのタイプにした。
そして、それ以上に問題なのは、筆者が一眼レフを使いこなせるかどうか、である。
▼大きさ比較:左が四代目、右が五代目(18-55mm)
▼大きさ比較:左が四代目(40倍ズーム時)、右が五代目(55-300mmズーム時)
さて、五代目を持ち帰り、家でレンズを取り付けてみた。
試しに撮ってみたが、ネオ一眼とは比較にならないぐらい難しい。
室内でAUTOモードにして撮影しても、画像が真っ暗なのである。
フラッシュを焚いてもダメ。
ネットで調べてみると、絞り優先モード(Av)にして露出補正をプラスにすると明るくなる、と書いてあったので、その通りにするとようやく撮影できた。
どうやら、一眼レフではAUTOモードはあまり役に立たないようだ。
もっとも、AUTOモードばかり使っていたら、一眼レフにした意味がないのだが。
▼五代目で四代目を撮影。絞り優先モードで露出補正をプラスにした
そして、四代目のSDカードはもう外しておいて良かろうと、四代目の本体からカードを抜く。
カードを抜いた状態で電源を入れるとエラーが出るのだが、ふと電源を入れてみた。
当然、エラーが出るのだが、そのエラーに四代目のレンズが反応したのだ。
そして、電源を切ってみると、正常通りレンズが引っ込む。
もしかすると……、と思い、四代目にカードを再び入れて、電源をオンにした。
すると、エラーが出ることもなく、正常に立ち上がったのだ!
シャッターを切ると、ちゃんと写真も撮れる!!
五代目を買った途端に、四代目が奇跡の復活を遂げるとは……。
これなら、慌てて一眼レフを買う必要もなかったのだ。
まったく、いかにも筆者らしいツキの無さである。
とはいえ、四代目が動く間に一眼レフを買おうと思っていたのも事実。
結果的に、四代目のなんちゃって故障が、一眼レフ購入の背中をダチョウ俱楽部のように押してくれたのだ。
これからは、一眼レフの五代目をメインに、四代目はサブ機として使うとしよう。
ただ、どうしても慣れた四代目ばかり使ってしまいそうだが、それだといつまで経っても一眼レフを操作できないので、なるべく五代目で撮影すべきだろう。
いずれにしても、五代目をネオ一眼にしなくてよかった。
▼歴代デジカメ:左から初代・二代目・三代目・四代目・五代目
【追記】2022年2月27日
またもや、とんでもないオチが待っていた……。↓