花園に来たのは2019年のワールドカップ(フィジー×ジョージア)以来である。
そもそも、コロナ以降はテストマッチ以外には行っておらず、リーグワンそのものが初観戦だ。
ホストはコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)で、ビジターが横浜キヤノン イーグルス(横浜E)という港町ダービー。
横浜Eの方は企業名を省いて横浜イーグルスと表記されるが、筆者などは千葉パイレーツのライバル金持ち球団を連想してしまう(後に親会社が東海電鉄に代わって東海イーグルスと改称)。
トップリーグ発足前の神戸製鋼時代は日本選手権7連覇を達成した神戸Sも今季は絶不調で9位と低迷、一方の横浜Eはトップリーグ時代を含めて初のプレーオフ準決勝進出を決めていた。
神戸Sは入れ替え戦を回避しており、いわば消化試合である。
とはいえ久しぶりの国内試合、前日にりんくうアウトレットのカンタベリー・ショップで購入した帽子を被っていざ花園へ。
去年の東京・国立競技場で行われた日本代表×ニュージーランド代表のテストマッチでは、ラグビーの試合で初めて一眼レフを携行したが、この時は失敗を恐れて全てオート・モードで撮影した。
しかし今回は、シャッター優先モードなどを駆使しての撮影に挑戦。
試合開始1時間ほど前に花園に到着、バック自由席のチケットを購入して、エントランスに入る。
スタンドはバックだが、まずはメイン側を視察。
すると、ワールドカップ開催のため改修した時にはなくなっていた食堂が復活していた!
以前はここでラーメンやカレー、定食などを食べていたものだ。
改修の際に食堂がなくなったと知った時には、これでは改悪ではないかと憤ったが、やっぱり復活してくれたか。
……と思ったら、なんと営業していない!
本来のホスト・チームである花園近鉄ライナーズ(花園L)の試合ではなかったからだろうか。
▼この日は営業していなかった花園食堂
また、以前は北側のゴール裏スタンドを通ってバック・スタンドへ行けたが、この日は行き止まりになっていた。
もっとも、この試合では北ゴール裏スタンドが閉鎖されていたからかも知れないが。
やむを得ず、再び入口方向へ戻って半周、バック・スタンドへ。
そして、かつては麺類を立ち食いできる簡易食堂がバック・スタンド裏にあったが、それもなくなっていた。
あるいは、この日は営業していなかっただけかも知れない。
スタンド裏にあった移動販売車で缶ビールを購入して、バック・スタンドの南側エリア(スコアボードと反対側)へ。
トップリーグ時代は、バック・スタンドは全て自由席だったが、リーグワンになってから中央エリアは指定席になっている。
ちなみに、トップリーグ時代の花園では見られなかったビールの売り子が歩いていた。
バック・スタンドに入ると、目の前では横浜Eの選手たちがウォーミングアップしている。
今日の主役は何と言っても、ご存知ファフ・デクラーク!
2019年のW杯では、南アフリカ代表(スプリングボクス)のスクラムハーフ(SH)として、優勝に大きく貢献した。
そして、この日も先発出場する。
▼世界的SHのファフ・デクラーク
▼カズレーザーではありません
そして、いよいよキックオフ。
試合開始早々3分、横浜Eはいきなりデクラークからウィング(WTB)の松井千士に繋いで先制トライ。
松井も15人制ジャパンに選ばれて欲しい人材だが、同志社大出身の選手が活躍するのは嬉しい。
この日、デクラークは徹底してボックス・キックでプレッシャーをかけていた。
それにしても、神戸Sはディフェンスの弱さを突かれる、今季を象徴するようなトライ。
その後も横浜Eが順調にトライを重ねる。
なす術がない神戸Sだったが、34分にようやく敵陣ゴール前マイボール・ラインアウトからモールでトライを返す。
▼神戸Sが敵陣ゴール前からラインアウト・モールを押し込んでようやくトライ
後半に入り、神戸Sは一時7点差まで詰め寄ったが、後半16分に松井がこの日2本目のトライを奪うと、あとは横浜Eの一方的なペース。
終わってみれば52-26と、横浜Eがダブルスコアで神戸Sに完勝した。
それにしても、神戸Sは怪我人が多かったとはいえ、これだけのメンバーを揃えていながら今季は下位に低迷、不甲斐ないと言わざるを得ない。
▼神戸S&日本代表のスタンドオフ(SO)、李承信のコンバージョン・ゴール
この試合で、神戸Sのプロップ(PR)の山下裕史が公式戦200試合を達成したということでインタビューを受けたが、嬉しさよりも負けた悔しさを口にしていた。
これでリーグワンはレギュラー・シーズンを終え、残すはプレーオフと入れ替え戦。
そして、9月にはフランスで行われるワールドカップが待っている。
▼初めて買った、花園ラグビー場近くにある菓心庵絹屋の花ラグ饅頭