ルービック・キューブが日本で発売されたのは、今から40年前の1980年のこと。
当時は大ブームを巻き起こし、慢性的な品薄状態となりました。
何しろ輸入が追い付かず、発売するのは日曜日の有名デパートのみ、という制限があったのです。
それでも、毎週日曜日には客がデパートに殺到し、あっという間に売り切れていました。
父親がルービック・キューブを買いましたが、この頃は偽物が出回っており、当然のことながらこのルービック・キューブも偽物でした。
偽物は固くて回しにくく、無理して回すとバラバラに壊れたり、壊れなくても色のシールが剥がれやすかったりしました。
それで、ブームが落ち着いた頃に本物を買うことにしたのです。
当時のルービック・キューブ(もちろん本物)は、日本で販売権があったのはツクダオリジナルのみ。
本物の白い面の真ん中には「Rubik's CUBE」と書かれていました。
当時は1,980円だったのを憶えています。
▼1980年に日本で発売された、ツクダオリジナルのルービック・キューブ
本物と言えども、さすがに何十年も経つと色のシールが剥がれてしまい(上の写真は、シールが剥がれた面は隠れています)、使い物にならなくなったので、数年前に百均でルービック・キューブを買いました。
もちろん偽物ですが、100円でルービック・キューブを買える時代なんですね。
最初に買った偽物のルービック・キューブは1,200円ぐらいだったと思います。
とはいえ、やはり100円では粗悪品で、昔の1,200円よりも固くて回しにくい。
操作しようとしても、なかなか回らないのでイライラします。
回す手順は手が憶えているため、上手く回らないとどこまで操作したのか忘れてしまい、結局は色がバラバラになって本当に腹を立てていました。
父親も、回しやすい本物が欲しいと言っていたので、新しい本物を買うことにしました。
大型スーパーの玩具屋に売っていたので、さっそく購入。
値段は40年前と同じ1,980円でした。
ただし、現在では消費税が付くので税込2,178円です。
と言っても、今では希望小売価格になっているそうなので、店によって値段は違うかも知れません。
買ってみると、40年前とは少し仕様が変わっていました。
まず、販売元だったツクダオリジナルは倒産したので、現在はメガハウスが販売しています。
ちなみに、メガハウスのお客様センターは「おもちゃのまち」にあります(住所は栃木県下都賀郡壬生町おもちゃのまち4-2-20)。
そして、40年前は透明アクリルの円筒型だったパッケージが、現在では紙の箱になっていました。
また、当時はなかった専用スタンドも付いています(トップ画像参照)。
▼現在のルービック・キューブのパッケージ
白い面の中央に書いてある「Rubik's CUBE」のロゴも変わっています。
色の配置も、40年前は白い面の反対側は青い面でしたが、現在では黄色い面となっており、これは世界基準配色だそうです。
さっそく回してみると、軽い軽い。
40年前と同じ感覚でした。
全くストレスなく操作できます。
さすがに本物は全然違いますね。
そして、6面完成攻略書まで付いていました。
40年前は、1面完成方法の説明書しか付いていなかったのです。
現在では、6面完成方法は「LBL法」というのが一般的だそうで、その方法が説明されています。
ちなみに、LBLとは Layer By Layerの略です。
それでは、LBL法の基本的な完成手順を見てみましょう。
★LBL法
まず、LBL法を説明する前に、ルービック・キューブの基本的な知識を説明します。
ルービック・キューブは3×3タイプの場合、1つの面に9個の小キューブがあります。
そのうち、真ん中の小キューブ(白い面で言えば「Rubik's CUBE」と書かれた小キューブ)をセンター・キューブと呼びます。
センター・キューブは6個あって、1個につき1つの面を晒しており、他の色との位置関係はどう動かそうとも絶対に変わりません。
センター・キューブから縦と横に並んでいる小キューブをミドルエッジ・キューブと呼びます(エッジ・キューブとかサブ・キューブなどと呼ぶ説明書もあります)。
ミドルエッジ・キューブは12個あって、1個につき2つの面を晒しています。
そして、センター・キューブから斜め方向に配置されているのがコーナー・キューブです。
コーナー・キューブは8個あって、1個につき3つの面を晒しています。
●ステップ1(1つの面のミドルエッジ・キューブのクロスを作る)
上記写真のように、完全にバラバラの状態から、1つの面のミドルエッジ・キューブのクロスを作ります。
この際、単純にクロスを作るのではなく、側面も合わせなければなりません。
センター・キューブの位置関係は変わらないと前述しましたが、上面のクロスを作る際に、側面をセンター・キューブの色に合わせます。
▼上面の白のクロスだけではなく、右側面の緑と左側面のオレンジもセンター・キューブのと合っている
●ステップ2(コーナー・キューブも合わせ、完全な1面を作る)
上面のクロスを作れば、次は上面のコーナー・キューブも合わせて、1面を完成させます。
この際、側面の色もセンター・キューブとミドルエッジ・キューブに合わせなければいけません。
▼完全な1面完成。上面だけではなく、側面の1段目も色が揃っている
●ステップ3(中段の色合わせ)
次に、中段の色合わせをします。
完成した1面を底面にすると作りやすくなります。
センター・キューブの位置関係は変わらないので、ミドルエッジ・キューブの色を合わせるだけでOKです。
▼完成した中段の色合わせ
▼完成した1面を底面にした状態
●ステップ4(上面のクロスを作る)
完成した1面を底面にしたままで、上面のクロスを作ります。
この際、側面のミドルエッジ・キューブの色は気にする必要はありません。
▼上面のクロス完成(コーナー・キューブや側面の色は合っていない)
●ステップ5(上面を揃える)
上面のコーナー・キューブの色を揃えます。
これで上面の完成です。
この際、側面の色は気にする必要はありません。
▼上面の完成(側面の色は合っていない)
●ステップ6(上面コーナー・キューブの位置を合わせる)
まずは、上面のコーナー・キューブの位置を合わせます。
そうすれば、側面のコーナー・キューブの色も揃います。
▼上面コーナー・キューブの位置を合わせると、側面コーナー・キューブの色も合う
●ステップ7(上面ミドルエッジ・キューブの位置を合わせて6面完成)
最後に、上面のミドルエッジ・キューブの位置を合わせます。
これで6面完成です。
▼6面完成
以上がLBL法による6面完成手順です。
ところが、僕の6面完成方法は少々違います。
40年前、父親がルービック・キューブの攻略本を買ってきました。
それが「タッタ!2分でできる!謎の六面体組立法」(フォックスブック、著:小倉清治、中村彰彦 )という本でした。
この本が他の攻略本と違うのは、図で回転方向を説明するのではなく、数式で操作方法を示す点です。
普通の本なら、一手一手を図に現し、回転させる面と方向をいちいち矢印で示しています。
そのため、非常に判りやすいと言えるでしょう。
▼ルービック・キューブに付いている、LBL法の6面完成法
しかし、この本では基本的な図は載せているものの、回転させる面と方向を数式で示すのです。
たとえば、このような感じです↓
M⇒E、E⇒J、D⇒G 4- 1- 4 5 3 2 1 2- 3- 5-
そのため、とっつきにくい印象があり、挫折した人も多いようです。
その反面、操作方法さえ理解できれば、暗記するのには非常に便利です。
基本的な完成手順も、LBL法とは違っています。
それでは、この本での完成手順を見ていきましょう。
★タッタ!2分でできる!謎の六面体組立法
●ステップ1(1つの面のコーナー・キューブを合わせる)
LBL法と違うのは、まず最初に1つの面のコーナー・キューブを合わせる点です。
もちろん、その際に側面をセンター・キューブの色と合わせるのは言うまでもありません。
▼コーナー・キューブを合わせ、側面の色もセンター・キューブに合わせる
●ステップ2(上段4隅の位置合わせ)
LBL法と最も違うのは、1面を揃える前に、8個のコーナー・キューブを全て揃えてしまう点です。
ステップ1で4個のコーナー・キューブは合っているので、その面を底面にします。
そのうえで、上段4隅の位置合わせをするわけですが、気を付けて欲しい点はあくまでコーナー・キューブの位置合わせであり、色合わせではないということです。
この本で、最も理解しにくいのがステップ2で、位置合わせの意味が判らず、指令どおりに操作したのに色が合っていない、と思って操作を間違えたと勘違いした人が多かったようです。
ここでは、あくまでも位置合わせなので、色は気にしないでください。
▼上段4隅の位置が合っている状態(色は合っていない)
●ステップ3(上段4隅の色合わせ)
ステップ2で上段4隅の位置を合わせたので、今度は色(コーナー・キューブの向き)を合わせます。
これで、8個のコーナー・キューブ全ての色が合った状態になります。
▼全てのコーナー・キューブ(8隅)が合った状態
●ステップ4(完全な1面を作る)
任意の面の1面を揃えます。
コーナー・キューブは既に合っているので、揃えるのはミドルエッジ・キューブのみです。
もちろん、側面もセンター・キューブの色に合わせます。
▼完全な1面の完成。上面だけではなく、側面の1段目も色が揃っている
●ステップ5(中段の色合わせ)
完成した1面を底面にし、中段の色を合わせます。
ここはLBL法と変わりありません。
▼完成した中段の色合わせ
▼完成した1面を底面にした状態
●ステップ6(上段ミドルエッジ・キューブの位置合わせ)
上段は、コーナー・キューブは既に合っているので、ミドルエッジ・キューブの位置を合わせます。
この際、色は気にしなくても結構です。
LBL法では色を合わせてから位置を合わせていましたが、それと逆ですね。
もっとも、上級者用になると位置と色を1回で合わせる方法もあります。
下の写真はステップ5の「完成した1面を底面にした状態」の写真と似ていますが、ミドルエッジ・キューブの黄色と緑、黄色とオレンジの位置が合っているのが判りますか?
▼上段ミドルエッジ・キューブの位置が合っている状態(色は合っていない)
●ステップ7(上面ミドルエッジ・キューブの色を合わせて6面完成)
最後に、上面のミドルエッジ・キューブの色(向き)を合わせます。
これで6面完成です。
▼6面完成
以上がルービック・キューブ完成法ですが、完成スピードの世界記録はなんと4.59秒だそうです。
世界記録を狙うような人は、上記のようなステップはいちいち踏まずに、全てのパターンを覚えて一気に6面を完成させます。
ちなみに僕は、ステップを踏みながら完成させるので、6面完成に最速でも1分40秒ぐらいかかります。