ちょっと古い話だが、先日ある人から野球のルールについて質問を受けた。
7月16日、横浜スタジアムでの横浜×巨人戦での出来事。
7回裏の横浜の攻撃、一死一、三塁で打者は内川。
内川はライトフライを打ち上げ、三塁走者はタッグアップの構えを見せた。
ところが巨人のライト・長野がフライを落球、三塁走者はゆうゆうホームイン。
しかし、一塁走者はフライアウトを予想したためスタートを切っておらず、ライトから二塁に送球され二塁封殺となった。
このケースでは、記録はどうなるのか?という質問だった。
普通に考えれば、長野が落球したのだから長野のエラー。
エラーによる生還なのだから内川に打点は付かず、投手にも自責点は付かない。
結論から言えば、この解釈は大間違いだ。
まず、内川には打点が付くし、それどころか犠飛(犠牲フライ)が付く。
犠飛が付くということは、打数が付かないということで、当然のことながら打率は下がらない。
なぜ犠飛が付くのか?
三塁走者はタッグアップの態勢に入っており、またライトフライの距離を考えて落球しなくても犠飛には充分、と公式記録員が判断したからだ。
もし公式記録員が、落球がなければ本塁生還は無理、と判断すれば、犠飛は付かない。
さらに、ライトの長野にはエラーすら記録されない。
なぜなら、落球したとはいえ、二塁で封殺しているからだ。
つまり、記録上はライトゴロということになる。
ちなみに、長野の落球によってオールセーフになれば当然エラーは記録されるが、三塁走者の生還は犠飛によるものと判断され、いわば犠飛エラーとなるわけである。
つまり、このケースでは二塁封殺となったためライトゴロが記録され、長野の落球がなくても犠飛は成立したと公式記録員が判断したため、犠牲フライも記録されたわけである。
(ライト)ゴロなのに(犠牲)フライが同時に記録される、何とも奇妙なケースとなったわけだ。