今日、阪神鳴尾浜球場で阪神二軍×関西独立リーグ選抜の練習試合が行われた。
阪神一軍は現在長期ロード中で、二軍は今日、あじさいスタジアム北神戸でナイトゲームの二軍公式戦・対オリックス戦が行われる。
したがって一軍半の選手はおろか、二軍本体の選手もあまりいなくて、育成枠選手が中心でベンチ入り人数はやたら少ない。
一方の関西独立リーグは選抜チームだけあって、かなりの大所帯だ。
ただ、試合内容は守りのミスが多くて、あまり見所がないゲームだった。
阪神の甲斐がホームランを打ったそうだが、残念ながら見ることはできなかった。
あと、育成枠から支配下登録選手に返り咲いた森田が左中間へタイムリーツーベースを打ったのが収穫か。
試合は阪神二軍が6対4で勝利。
関西独立リーグは選抜チームでも、育成枠中心のチームに勝てないとは、やはりNPBの底辺の広さの現れか。
試合はDH(指名打者)制で行われた。
阪神は五番・DHで小宮山が起用された。
阪神の先発投手は吉岡(育成枠)。
ところが、一番・ライトの高橋(育成枠)の代走で水田が出た後、次の回から小宮山がライトに入り、水田がDHとなった。
だが、ちょっと待て。
これはルール上、おかしいのである。
公認野球規則6・10(b)にはこう書かれている。
(前略)指名打者が守備位置についた場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。(後略)
つまりこのケースでは、小宮山がDHからライトに入った時点でDH(指名打者)は消滅し、ライトに入るべき一番の水田が退いて、投手の吉岡が一番に入らなければならない。
正しい打順は、一番・ピッチャー・吉岡、五番・ライト・小宮山となる。
指名打者とは普通の守備位置とは解釈が違う。
指名打者が守備に入ることは許されるが、守備に就いている者が指名打者になることはできない。
ただし例外があって、投手が指名打者の打順に入って打つことはできる。
指名打者とは、投手の代わりに打つ打者のことだからだ。
もちろん、その際には指名打者が消滅するのは言うまでもない。
かなりの野球通でもこの大原則を知らない人は意外に多い。
朝日新聞夕刊の水曜日に「大リーグが大好き!」というコラムを連載している向井万起男氏が、以前このコラムの中で、
「指名打者は普通、最も打力の乏しい投手の代わりに打席に入る」
と書いていたが、普通もヘッタクレもない。
指名打者とは、投手の代わりにしか打席に入ることができないのである。
「A投手は『子供の頃からエースで四番』で、プロに入っても打力はトップクラス。一方のB右翼手は典型的な『ライパチ君』で、A投手の方が遥かによく打つ。だったらA投手を打順に組み込んで、B右翼手の代わりに指名打者を起用するか」
なんてことをするとルール違反になる。
ところで、今日の試合でなぜこんなルール無視が行われていたかといえば、特別ルールが採用されていたからと思われる。
試合開始前、場内アナウンスで「この試合は特別ルールで行われます」と言っていたが、多分このDH制のことだったのだろう。
公式戦ではなく練習試合なのだから、双方のチームの申し合わせがあれば別に問題はないのである。
このDH制について、去年の関西独立リーグではビックリ仰天するような出来事があったので、こちらを参照されたい↓