今年(2019年)の4月26日、大阪府八尾市の国道170号線(大阪外環状線)沿いに「アクロスプラザ八尾」という大型商業施設がグランド・オープンした。
大型商業施設と言っても、ショッピングモールのように大きな建物の中に色々な店舗が入っているわけではなく、広大な敷地に様々な独立した店舗が並んでいるという形態だ。
主な商業施設を列挙してみると、「万代(食品スーパー)」「セリア(百円ショップ)」「ユニクロ(衣料品)店」「ケーズデンキ(家電量販店)」「つるや(ゴルフ店)」「シグマ(ドラッグストア)」など実に多士済々。
店ではないがテニス・スクールまである。
広大な敷地にあるアクロスプラザ八尾。無料駐車場も広大
中でも飲食店が充実しており、「くら寿司」「きんのぶた」「星乃珈琲店」「ケンタッキーフライドチキン」と実に豊富だ。
飲食店でも今回は「焼肉特急」を紹介しよう。
おそらく、こんな焼肉レストランを知っている人は少ないのではないか。
焼肉レストランの「焼肉特急」
「焼肉特急」は「松屋グループ」という、関西で展開している肉チェーンの店舗で、他を含めて現在のところ関西に少なくとも6店あるらしい。
「松屋グループ」は他にも「カルビの王様」という焼肉レストランも経営しているが、それらのみならず本格的な肉料理屋や、肉そのものを販売している店もある。
なお、牛丼でお馴染みの「松屋」とは何の関係もない。
「焼肉特急」の特徴は、店に入るとすぐわかる。
店員が客を席へ案内するときに叫ぶのが「お客様がご乗車です!」の掛け声。
もはや店員ではなく駅員だ。
要するに、店名で判るように電車がコンセプトになっている。
席の脇にズラリとブラ下がっているのは、なんと吊り革!
もちろん、立って焼肉を食う人は一人もいないので、ハッキリ言ってこの吊り革は邪魔なだけで何の意味もない(実際には邪魔にならない高さに吊られている)。
しかも、吊り革の奥を見ると、電車内の広告のようにメニューがブラ下がっているのだ(実際には壁に貼られているだけ)。
その広告も「CanCam」ならぬ「CanCanCan」とか紛らわしい物ばかりで、出版社の許可を取っているのか心配になるぐらいである。
吊り革の奥には「Number」ならぬ「Number1」の広告。ラガーマンのモデルは誰?
席の番号も「○号車の××番」と列車のようになっている。
さらに会計札は切符のようになっているのだ(実際の切符よりも遥かに大きいが)。
もちろん、伝票など付いておらず、バーコードで会計するだけ。
八尾電鉄の乗車券?ではなくて会計札
注文は店員(車掌?)に言うのではなく、タッチパネルで行う。
つまり、わざわざ店員を呼ばずに済むわけだが、どうせなら車内販売のようにワゴンで料理を運んで欲しかった。
さすがに焼肉で車内販売は無理か。
ところが「焼肉特急」では、それ以上のことをやっているのである。
タッチパネルで注文して、しばらくすると場内アナウンス(注文した席にしか聞こえない)が流れてくる。
「まもなく、茶色のホーム(上記の乗車券参照)に特急が参ります」
すると、席の横にあるレーンに、料理を乗せた電車がやって来るのだ!
料理を運ぶ特急
料理をお盆ごと取った後は、ボタンを押して残った電車には帰ってもらう。
言ってみれば「くら寿司」で、注文した皿を取って、ボタンを押して返す(「くら寿司」では寿司の皿を新幹線に乗せてくる)のと同じシステムである。
なお「漢(おとこ)のランチ」はカルビ200gとライスとスープで税別1,050円也。
ライスは大・中・小を選べて、値段はどれでも同じだ。
漢のランチ(ライス中)
もちろんセット・メニューだけではなく一品メニューも豊富にあり、ボリューム満点ながらリーズナブル。
何よりも子供には大喜びのコンセプトで、家族連れには持って来いだ。
いやいや、大人でも鉄ちゃんなら充分に楽しめる?
おまけショット。外から写したのでガラスが反射して見にくいが、待合所にある駅標