市立吹田サッカースタジアム(行った回数:1回)
Jリーグのガンバ大阪の本拠地として2016年、大阪府北部の吹田市に誕生した市立吹田サッカースタジアム(以下、吹田スタジアム)。
それまでの本拠地だった万博記念競技場は、Jリーグの本拠地としてはあまりにお粗末すぎた。
そこで、同じ万博公園内に新スタジアムの建設が計画されたのである。
資金は民間からの寄付金で賄われた。
結果、収容人員約4万人、スタンドの四方を屋根で覆うという立派なスタジアムながら、建設費は約140億円で済んだという。
ちょうど同時期、新国立競技場の建設費試算が約3000億円(後に約1500億円と修正)と発表されたから、吹田スタジアムのコスト・パフォーマンスが絶賛された。
なお、近くには大型複合施設のEXPOCITYがある。
筆者も2016年7月3日、クソ暑い時期に吹田スタジアムへ行ってみた。
……が、これがとてつもなく遠い!
あまりにも長い階段をえっちらおっちら登り、そこからまた長い階段を下らなければならない。
どうせ降りるのなら、長い階段を登らせるなよ!
万博記念公園駅から吹田スタジアムへ行くには、長い階段を登らなければならない。後ろに見えるのは太陽の塔
そして長い階段を降り、ようやく吹田スタジアムが見えてきた!
階段上から見た吹田スタジアム
駅から徒歩約15分、いや長い階段を考慮に入れるなら、実感としては徒歩約20分と言ってもいいかも知れない。
長い道のりを歩いて、ようやく吹田スタジアムに辿り着いた。
……が、そこで待っていたのはまたしても長い階段!
この長い階段を登らなければ、吹田スタジアムに入れないのだ。
またしても、えっちらおっちら長い階段を登った。
最新鋭のスタジアムなのに、バリアフリーって概念はないのだろうか?
エントランスに入るには、またしても長い階段
ところが、長い階段を登ってみると、チケットの窓口がない!
無駄だと思いつつ、恐る恐るチケット係の女の子に訊いてみると、
「チケット発売所は階段の下にあります!」
やっぱり……。
やむなく、また下に降りていって、チケットを購入した。
がしかし、この日はJ3の試合。
せいぜい高くても1500円ぐらいだと思っていたら、メイン自由席がなんと2500円!
さらに、一番高いメイン指定席が3000円!
……てか、J3の試合に、指定席の必要があるのかよ。
J3の試合でも指定席がある
今さら文句を言っても仕方ないと思い、メイン自由席のチケットを購入した。
ちなみに、メイン指定席は中央最前列に限られていたが、グラウンド全体を見渡すのにはメイン自由席の方が絶対に見やすいと思うぞ。
なお、この日はJ3の試合のため、バックスタンドは封鎖されていた。
チケットを買った後、近くに売店があったのでビールを購入。
J3の試合なので、場内の売店が閉まっているかも知れないと思ったからだ。
生ビールが500mlで500円だったので、まずは妥当な値段。
チケットとビールを持って、またしてもえっちらおっちら長い階段を登り、いざ吹田スタジアムへ!
場内に入ると、想像以上の快適空間。
7月の暑い季節だけど、スタンドの四方は屋根で囲まれているので、全然暑くない。
ただ、バックスタンドはモロに西日を浴びるので、J1の試合だと暑いかも知れない。
夕方には西日を浴びるバックスタンド(写真に写っているのはメインスタンド)
17時に試合が始まった。
まあガンバはU23と言いながら、アラサーのベテランも何人か出場していたのだが(五輪代表の19歳・井手口は出場していない)。
さすがにサッカー専用スタジアムだけあって、陸上用トラックのある万博競技場と違い、ピッチが近くて見やすい。
もちろん、迫力あるプレーも堪能できる。
ここはガンバのホームでもあるし、当然のことながらガンバに対する声援が圧倒的だったが、ゴール裏に陣取るサポーターでいえば長野の方が上だった。
なにしろ、鳴り物なんてあまりないサッカーの応援で、トランペットを使っているんだから。
J3のチームなのに、長野からはるばる大阪まで来る情熱は、どこにあるのだろう。
もちろん彼らが、河内長野市民というわけではありません(多分)。
AC長野パルセイロのサポーター
長野が直接フリー・キックの大チャンス!
試合開始早々に、ガンバが先制ゴールを奪い、有利に試合を進める。
1-0のままハーフタイムを迎え、筆者のビールも無くなったので売店へ足を運ぶ。
J3の試合なのに、開いている売店が多くて安心した(閉まっている店もあったが)。
なにしろ、プロ野球常打ち球場以外のスタジアムには、ロクな売店が無いのである。
前ガンバ本拠地の万博競技場なんて酷いものだったし、セレッソ大阪の本拠地であるヤンマースタジアム長居なんて4万8千人収容にもかかわらす、売店なんてほんの申し訳程度。
これは旧・国立競技場も変わらなかった。
野球場以外で「まあ満足できる」と言えるのは、筆者が行った中では東大阪市花園ラグビー場と、ノエビアスタジアム神戸ぐらい。
このあたり、野球以外のスポーツ関係者は、集客のために真剣に考えてもらいたい。
吹田スタジアムも「まあ満足できる」レベルだが、野球場はもっと充実しているのだ。
吹田スタジアムには、あの商魂溢れるたむけんも出店している「炭火焼肉たむら」
そして、モノ申したいのは、場内で販売しているビール。
スタジアムの外で売っていたのは生ビール500mlで500円だったのに、場内では缶ビール350mlで500円。
こんなの、ボッタクリではないか!
試合の方は、1-0でずっとガンバがリードしていたものの、後半のアディショナル・タイムで長野が同点のゴール!
……と思いきや、オフサイドの判定。
ホッとしたのも束の間、その直後に本物の同点ゴール!
ゴールを決めた後に試合終了のホイッスルが鳴り、結局1―1の引き分けだった。
後ろに座っていた女性は「有り得なーい」と叫んでいた。
まあ、長野のサポーターにとっては、はるばる長野から来た甲斐があっただろう。
試合終了は19時頃、照明が点灯していた
試合が終わり、吹田スタジアムを後にした。
また、えっちらおっちら長い階段をアップダウンしなければならない。
大阪市内ではないのに、駅から遠すぎる。
この点では、まだ万博記念競技場の方がマシだった。
他に鉄道の公共交通機関はない。
今回はJ3の試合だから良かったものの、J1や国際Aマッチだったらどうなるのか。
おそらく、モノレールごときでは人でいっぱいになって、満員地獄になるだろう。
駐車場は備えてあるが、J3の試合以外では事前に駐車券を購入しなければならないそうだ。
これもかなり、面倒な話である。
近くにあるEXPOCITYには広大な駐車場があるが、当然のことながらサッカー開催日には膨大な駐車料金を取られるのだ。
都心でもないのに、駅からは遠く、駐車場も制限がありまくりでは、サッカー好き以外はあまり来ようとは思わないだろう。
評価とすれば、見やすさ・快適さではAクラス、売店等の付帯設備ではBクラス(野球場以外ならAクラス)、アクセスはCクラスと言ったところか。
ゴール裏席から見た吹田スタジアム