●第65回日本選手権シリーズ第2戦 10月26日(日)阪神甲子園球場
H 100 100 000=2
T 000 001 000=6
(1勝1敗)
勝=武田1勝
負=能見1敗
S=サファテ1S
本=H:李大浩1号(能見)
セントラル・リーグ代表(2位)の阪神タイガースと、パシフィック・リーグ代表(優勝)の福岡ソフトバンク・ホークスとの第65回日本選手権シリーズ第2戦は、ソフトバンクが2-1で競り勝ち、1勝1敗のタイとした。
★分水嶺
【武田の投球が全て】
今日の試合に限ってはターニングポイント云々ではなく、ソフトバンクの先発だった武田翔太の投球が全てだったと言ってよい。
武田は7回を投げて被安打3、失点1、5奪三振と、ほぼ完璧な内容。
6回二死までは好調な阪神打線をパーフェクトに抑えていた。
特に阪神打線を悩ませたのが、大きく縦に割れるカーブ(武田本人はスライダーと言っているようだが、敢えてカーブとして扱う)。
昔で言う「ドロップ」だろうか、セ・リーグにこんな球を投げる投手はなく、阪神打線は手こずっていた。
タイミングが全く合わず、21個のアウトのうち、内野ゴロは実に12個。
ボテボテのピッチャーゴロが3つもあった。
しかも、時折投げるストレートが150km/h近くあり、120km/h台のカーブに混ぜられると、完全に振り遅れてしまう。
このストレートも、軽く投げているような感じなので、打者から見れば手元で伸びてくる感覚だっただろう。
そして、5回からはスライダー(武田に言わせると小さなスライダー、もしくはカットボールか)やチェンジアップを織り混ぜ、阪神打線を翻弄した。
課題だった制球力も、四球が僅かに1つと成長の跡を見せた。
ソフトバンクにとって、敵地でイーブンに持ち込んだのも大きいが、それ以上に阪神打線の調子を狂わせた事の方がもっと大きいだろう。
初戦を落としたとはいえ、申し分ない形で福岡に帰れるのではないか。
武田はローテーションで行くと、次は中6日で第7戦での先発となる。
言うまでもなく、間に引き分けさえなければ3勝3敗で日本一を決める試合となるわけだ。
もしその場面が来たとき、弱冠21歳の若鷹は今日のようなピッチングを見せることができるだろうか。