●第65回日本選手権シリーズ第3戦 10月28日(火)福岡ヤフオク!ドーム
T 000 000 001=1
H 100 103 00X=5
(ソフトバンク2勝1敗)
勝=大隣1勝
負=藤浪1敗
パシフィック・リーグ代表(優勝)の福岡ソフトバンク・ホークスと、セントラル・リーグ代表(2位)の阪神タイガースとの第65回日本選手権シリーズ第3戦は、ソフトバンクが先発・大隣憲司の好投により5-1で快勝、2勝1敗とした。
★分水嶺
【記録に残らないエラーが勝敗を分けた】
今日の阪神はエラーを含み守備面でのミスはなく、従って投手陣の自責点は失点と同じ5だった。
しかし、阪神の敗因は間違いなく、2つの「記録に残らないエラー」によるものである。
ソフトバンクが1点リードの4回裏、ソフトバンクの攻撃は一死二塁で打者は九番の細川亨。
阪神の先発・藤浪晋太郎は2-2と追い込み、外角低めのスライダーで空振りの三振に斬ってとった。
しかし、ワンバウンドした投球を捕手の鶴岡一成が後逸、振り逃げとなっただけでなく、二塁走者の吉村裕基が一気に生還、貴重な2点目となった。
投球がワンバウンドだったため、記録は藤浪のワイルドピッチとなったが、鶴岡はやはり体で止めるべきだっただろう。
二死二塁(あるいは三塁)となるべきところを、1点やってしまったのだ。
たとえ振り逃げを許してしまっても、二塁走者の生還を許したのはいただけない。
動きが緩慢だったと言われても仕方がないだろう。
もちろん、隙を突いて二塁から一気に生還した吉村の好走塁も見逃せないが。
それ以上に痛かったのが、阪神が2点ビハインドで迎えた6回裏の守備。
二死満塁という絶体絶命のピンチで、打者は安打製造機の三番・内川聖一。
この場面でリリーフに立った安藤優也は、フォークボールを上手く打たせてサードゴロに打ち取った。
と思ったら、サードの西岡剛はセカンドに送球、一塁走者・明石健志の足が一瞬早くセーフ。
記録はフィルダース・チョイスとなって、もちろん三塁走者の吉村が生還、阪神にとってあまりにも痛い3点目となった。
西岡は右肘を痛めていたので、距離の短いセカンドに送球したのだろうが、それならもっと素早く送球しなければならない。
あるいは、二塁走者が俊足の明石だったので、一塁に送球すべきだっただろう。
一塁でもゆっくりアウトにできたはずだ。
一瞬の油断、あるいは判断ミスが命取りになったと言えよう。
このあと、四番の李大浩がポテンヒットながら2点中前タイムリーを放ち、試合は決まった。
これでソフトバンクは2勝1敗とリードする展開となったが、今日の1勝はとてつもなく大きいだろう。
クライマックス・シリーズ(CS)以来、絶好調の大隣に阪神打線は完全に沈黙したが、やはり第2戦の武田翔太に打撃を完全に狂わされてしまったようだ。
ただ、ソフトバンクが気掛かりなのは、クローザーのデニス・サファテだろう。
今日は5点リードという楽な場面での登板ながら、長打を含む連打を浴びて1点を失った。
サファテはCS以来、疲労からか打たれるケースが多く、決して万全ではない。
今後、阪神が付け入る隙があるとすればそこだろう。
なお、第4戦の先発は、ソフトバンクが中田賢一(11勝7敗、防御率4.34)、阪神は左腕の岩田稔(9勝8敗、防御率2.54)と発表されている。
阪神打線は中日時代の゛暴れ馬゛中田を苦手にしていただけに、岩田は先取点を奪われないようにしたい。