先日、日本プロ野球(NPB)の球団拡張(エクスパンション)について、こちらとこちらで書いた。
NPBは企業が球団を所有しているケースがほとんどなので、経営不振になると親会社が代わって、そのたびにチーム名や本拠地まで変わることが多い。
だが、都市名(あるいは州名や地域名)をチーム名に冠しているメジャー・リーグ(MLB)の球団でも、本拠地を移転することは結構多く、あるいはチーム名は同じでも全く別の球団になっている場合すらある。
そんなMLBとNPBの球団変遷についてまとめてみた。
ただし、MLBに関しては2大リーグ制以降について書いている。
以前に書いた野球史年表も一緒に参照していただきたい。
1876年(明治9年)
MLB
ナショナル・リーグ設立。8球団によるペナントレース開始。現在まで続くメジャー・リーグ(MLB)の幕開け。この頃はまだアメリカ東部中心で、セントルイスが最西端。取り残された球団は各地域でリーグを創設、マイナー・リーグの元祖となる。この後、ナ・リーグは球団の加盟と除名を繰り返し、19世紀末には12球団制となった。
1900年(明治33年)
MLB
マイナー・リーグでしかなかったウエスタン・リーグがアメリカン・リーグと改称し、翌年メジャー・リーグ宣言。ナ・リーグは12球団から8球団に減り、二大リーグ時代が始まる。ただし、この頃のメジャー・リーグは依然としてアメリカ東部中心。
1901年(明治34年)
MLB
ア・リーグが8球団で第1回ペナントレースを開始(両リーグ計16球団)。当時のMLB加盟球団は以下の通り。
ボストン・ビーンイーターズ(現:アトランタ・ブレーブス)
ブルックリン・スーパーバス(現:ロサンゼルス・ドジャース)
シカゴ・オーファンズ(現:シカゴ・カブス)
ニューヨーク・ジャイアンツ(現:サンフランシスコ・ジャイアンツ)
ボストン・アメリカンズ(現:ボストン・レッドソックス)
シカゴ・ホワイトストッキングス(現:シカゴ・ホワイトソックス)
クリーブランド・ブルーバーズ(現:クリーブランド・インディアンス)
フィラデルフィア・アスレチックス(現:オークランド・アスレチックス)
1902年(明治35年)
MLB
ナ:シカゴ・オーファンズ→シカゴ・カブス(改称)
ア:ミルウォーキー・ブルワーズ→セントルイス・ブラウンズ(移転)
ア:クリーブランド・ブルーバーズ→クリーブランド・ブロンコス(改称)
1903年(明治36年)
MLB
ナ・リーグとア・リーグの協定を結ぶナショナル・コミッションを設置、第1回ワールド・シリーズ開催。
ア:ボルチモア・オリオールズ→ニューヨーク・ハイランダーズ(移転)
ア:シカゴ・ホワイトストッキングス→シカゴ・ホワイトソックス(改称)
ア:クリーブランド・ブロンコス→クリーブランド・ナップス(改称)
(日本)
第1回早慶戦を開催。
1905年(明治38年)
MLB
ア:ワシントン・セネタース→ワシントン・ナショナルズ(改称。ただし、メディアは「セネタース」の名称を使い続ける)
1907年(明治40年)
MLB
ナ:ボストン・ビーンイーターズ→ボストン・ドゥーブス(改称)
1908年(明治41年)
MLB
ア:ボストン・アメリカンズ→ボストン・レッドソックス(改称)
1911年(明治44年)
MLB
ナ:ボストン・ドゥーブス→ボストン・ラスラーズ(改称)
ナ:ブルックリン・スーパーバス→ブルックリン・トロリードジャース(改称)
1912年(明治45年)
MLB
ナ:ボストン・ラスラーズ→ボストン・ブレーブス(改称)
1913年(大正2年)
MLB
ア:ニューヨーク・ハイランダーズ→ニューヨーク・ヤンキース(改称)
1914年(大正3年)
MLB
ナ:ブルックリン・トロリードジャース→ブルックリン・ロビンス(改称)
1915年(大正4年)
MLB
ア:クリーブランド・ナップス→クリーブランド・インディアンス(改称)
(日本)
中等野球(現在の高校野球)の全国大会が始まる。
1920年(大正9年)
(日本)
東京・芝浦に日本初のプロ球団「日本運動協会(通称:芝浦協会)」発足。
1921年(大正10年)
(日本)
日本で2番目のプロ球団「天勝野球団」発足。ただし、プロ宣言するのは2年後の1923年。
1923年(大正12年)
(日本)
日本運動協会と天勝野球団が日本初となるプロ球団同士で対戦するも、関東大震災のため、天勝野球団が自然消滅。
1924年(大正13年)
(日本)
関東大震災の影響で日本運動協会が関西へ移転、「宝塚運動協会」として再結成。
1927年(昭和2年)
(日本)
第1回都市対抗野球大会開催。
1929年(昭和4年)
(日本)
宝塚運動協会が解散。
1932年(昭和7年)
MLB
ナ:ブルックリン・ロビンス→ブルックリン・ドジャース(改称)
1933年(昭和8年)
MLB
第1回オールスター・ゲーム開催。
1936年(昭和11年)
MLB
ナ:ボストン・ブレーブス→ボストン・ビーズ(改称)
NPB
日本職業野球連盟(現在の日本野球機構=NPB)が発足。7球団により日本初のプロ野球リーグ開始(秋季のみ)。加盟球団は以下の通り。
大阪タイガース(現:阪神タイガース)
名古屋金鯱軍(現在は消滅)
東京セネタース(現在は消滅)
阪急軍(現:オリックス・バファローズ)
1937年(昭和12年)
NPB
春秋の2シーズン制。1球団増えて8球団に。
後楽園イーグルス(新加盟)
大東京軍→ライオン軍(改称)
1938年(昭和13年)
NPB
1球団増えて9球団に。
南海軍(新加盟)
1939年(昭和14年)
NPB
1シーズン制に移行。
1940年(昭和15年)
NPB
大阪タイガース→阪神軍(改称)
東京セネタース→翼軍(改称)
1941年(昭和16年)
太平洋戦争勃発。
MLB
ナ:ボストン・ビーズ→ボストン・ブレーブス(改称)
NPB
1球団減って8球団に。
ライオン軍→朝日軍(改称)
1942年(昭和17年)
NPB
1943年(昭和18年)
NPB
1944年(昭和19年)
NPB
2球団減って6球団に。
西鉄軍(消滅)
大和軍(消滅)
名古屋軍→産業軍(改称)
南海軍→近畿日本軍(改称)
1945年(昭和20年)
太平洋戦争終結。
NPB
戦争激化により公式戦中止。
1946年(昭和21年)
NPB
2球団増えて8球団に。
セネタース(新加盟)
ゴールドスター(新加盟)
産業軍→中部日本(改称)
朝日軍→パシフィック(改称)
近畿日本→近畿グレートリング(改称)
1947年(昭和22年)
NPB
阪神軍→大阪タイガース(改称)
中部日本→中日ドラゴンズ(改称)
パシフィック→太陽ロビンス(改称)
ゴールドスター→金星スターズ(改称)
1948年(昭和23年)
NPB
1949年(昭和24年)
NPB
1950年(昭和25年)
NPB
セントラル・リーグとパシフィック・リーグに分裂、2リーグ時代が始まる。7球団増えて15球団に。セ・リーグが8球団、パ・リーグが7球団。第1回日本シリーズ開催(1953年までの呼称は日本ワールド・シリーズ)。当時の加盟球団は以下の通り(※印は新球団)。
大阪タイガース(現:阪神タイガース)
阪急ブレーブス(現:オリックス・バファローズ)
※近鉄パールス(現:オリックス・バファローズと合併)
1951年(昭和26年)
NPB
セ・リーグが1球団減って7球団に(両リーグ計14球団)。第1回オールスター・ゲーム開催。
西鉄クリッパース<パ>+西日本パイレーツ<セ>→西鉄ライオンズ<パ>(合併)
1952年(昭和27年)
NPB
フランチャイズ制を導入。しかし、東京にある貸球場の後楽園球場は本拠地球場とする球団が5球団(巨人、国鉄、東急、大映、毎日)もあったため、本当の意味でフランチャイズ制が整ったとはとても言えなかった。各球団のフランチャイズは以下の通り。
読売ジャイアンツ(東京都)
大阪タイガース(兵庫県西宮市)
国鉄スワローズ(東京都)
東急フライヤーズ(東京都)
大映スターズ(東京都)
西鉄ライオンズ(福岡市)
毎日オリオンズ(東京都)
1953年(昭和28年)
MLB
二大リーグ制になって以来、ナ・リーグで初めて球団移転。
ナ:ボストン・ブレーブス→ミルウォーキー・ブレーブス(移転)
NPB
セ・リーグが1球団減って6球団に(両リーグ計13球団)。
セ:大洋ホエールズ+松竹ロビンス→大洋松竹ロビンス(合併。大阪市)
1954年(昭和29年)
MLB
ナショナル・コミッション設置以来、ア・リーグで初めて球団移転。
ア:セントルイス・ブラウンズ→ボルチモア・オリオールズ(移転。以前の同名球団とは別組織)
NPB
パ・リーグが1球団増えて8球団に(両リーグ計14球団)
1955年(昭和30年)
MLB
ア:フィラデルフィア・アスレチックス→カンザスシティ・アスレチックス(移転)
NPB
パ:高橋ユニオンズ→トンボ・ユニオンズ(改称)
1956年(昭和31年)
NPB
パ:トンボ・ユニオンズ→高橋ユニオンズ(改称)
1957年(昭和32年)
MLB
ア:ワシントン・ナショナルズ→ワシントン・セネタース(改称)
NPB
パ・リーグが1球団減って7球団に(両リーグ計13球団)
パ:大映スターズ+高橋ユニオンズ→大映ユニオンズ(合併。東京都)
1958年(昭和33年)
MLB
ナ・リーグで2球団が西海岸に移転。アメリカ東部中心だったMLBがアメリカ全土に広がるきっかけとなる。
ナ:ブルックリン・ドジャース→ロサンゼルス・ドジャース(移転)
ナ:ニューヨーク・ジャイアンツ→サンフランシスコ・ジャイアンツ(移転)
NPB
パ・リーグが1球団減って6球団に(両リーグ計12球団。以降、現在まで球団数は変わらず)。
パ:毎日オリオンズ+大映ユニオンズ→毎日大映オリオンズ(改称)
1959年(昭和34年)
NPB
1961年(昭和36年)
MLB
二大リーグ制になって以来、MLBとして初めてア・リーグでエクスパンションを行い、2球団増えて10球団に(両リーグ計18球団)。
ア:ワシントン・セネタース(新加盟。上記の同名球団とは別組織)
ア:ロサンゼルス・エンジェルス(新加盟)
NPB
セ:大阪タイガース→阪神タイガース(改称)
1962年(昭和37年)
MLB
二大リーグ制になって以来、ナ・リーグで初めてエクスパンションを行い、2球団増えて10球団に(両リーグ計20球団)。
ナ:ニューヨーク・メッツ(新加盟)
ナ:ヒューストン・コルト45's(新加盟)
NPB
1963年(昭和38年)
MLB
ナ:ミルウォーキー・ブレーブス→アトランタ・ブレーブス(移転)
1964年(昭和39年)
NPB
1965年(昭和40年)
MLB
ナ:ヒューストン・コルト45's→ヒューストン・アストロズ(改称)
ア:ロサンゼルス・エンジェルス→カリフォルニア・エンジェルス(改称)
NPB
セ:国鉄スワローズ→サンケイ・スワローズ(改称)
1966年(昭和41年)
NPB
セ:サンケイ・スワローズ→サンケイ・アトムズ(改称)
1968年(昭和43年)
MLB
ア:カンザスシティ・アスレチックス→オークランド・アスレチックス(移転)
NPB
1969年(昭和44年)
MLB
大幅なエクスパンションを行い、ナ・ア両リーグともに2球団ずつ増えて12球団に(両リーグ計24球団)。両リーグともに東西2地区制となり、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ(プレーオフ)が始まる。アメリカ国外初のMLB球団がカナダのモントリオールに誕生。
ア:カンザスシティ・ロイヤルズ(新加盟)
ア:シアトル:パイロッツ(新加盟)
NPB
パ:東京オリオンズ→ロッテ・オリオンズ(改称)
1970年(昭和45年)
MLB
ア:シアトル・パイロッツ→ミルウォーキー・ブルワーズ(移転。以前の同名球団とは別組織)
NPB
1972年(昭和47年)
MLB
ア:ワシントン・セネタース→テキサス・レンジャース(移転)
1973年(昭和48年)
NPB
パ・リーグが前後期の2シーズン制になり、プレーオフが始まる。
1974年(昭和49年)
NPB
セ:ヤクルト・アトムズ→ヤクルト・スワローズ(改称)
パ・日拓ホーム・フライヤーズ→日本ハム・ファイターズ(改称)
1977年(昭和52年)
MLB
ア・リーグが2球団増えて14球団に(両リーグ計26球団)。カナダ2番目のMLB球団がトロントに誕生。
ア:シアトル・マリナーズ(新加盟)
ア:トロント・ブルージェイズ(新加盟)
NPB
パ:太平洋クラブ・ライオンズ→クラウンライター・ライオンズ(改称)
1978年(昭和53年)
NPB
セ:大洋ホエールズ→横浜大洋ホエールズ(神奈川県川崎市→神奈川県横浜市)
1979年(昭和54年)
NPB
パ:クラウンライター・ライオンズ→西武ライオンズ(福岡市→埼玉県所沢市)
1983年(昭和58年)
NPB
パ・リーグは1シーズン制に戻るも、新プレーオフを制定(実際には一度も行われず)。
1986年(昭和61年)
NPB
1989年(平成元年)
NPB
パ:阪急ブレーブス→オリックス・ブレーブス(改称)
1991年(平成3年)
NPB
パ:オリックス・ブレーブス→オリックス・ブルーウェーブ(兵庫県西宮市→兵庫県神戸市)
1992年(平成4年)
NPB
パ:ロッテ・オリオンズ→千葉ロッテ・マリーンズ(神奈川県川崎市→千葉市)
1993年(平成5年)
MLB
ナ・リーグが2球団増え、14球団に(両リーグ計28球団)
ナ:フロリダ・マーリンズ(新加盟)
ナ:コロラド・ロッキーズ(新加盟)
NPB
1994年(平成6年)
MLB
ナ・ア両リーグが東・中・西の3地区制に。それに伴い、各地区優勝チームおよび2位チームの中の最高勝率チームが、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの前に行われるディビジョン・シリーズに進出する新制度を導入。しかし、この年はストライキのためにポストシーズンが行われず、実施されるのは翌年から。
1997年(平成9年)
MLB
ナ・ア両リーグによる交流戦(インター・リーグ)が始まる。
ア:カリフォルニア・エンジェルス→アナハイム・エンジェルス(改称)
NPB
1998年(平成10年)
MLB
両リーグで1球団ずつ増えて、両リーグ計30球団になる。史上初めて両リーグ間での球団移動が行われ、ナ・リーグ16球団、ア・リーグ14球団に。
ナ:アリゾナ:ダイヤモンドバックス(新加盟)
ア:タンパベイ・デビルレイズ(新加盟)
移管:ミルウォーキー・ブルワーズ(ア・リーグ→ナ・リーグ)
1999年(平成11年)
NPB
パ:近鉄バファローズ→大阪近鉄バファローズ(改称)
2004年(平成16年)
NPB
パ:日本ハム・ファイターズ→北海道日本ハム・ファイターズ(東京都→北海道札幌市)
2005年(平成17年)
MLB
ナ:モントリオール・エクスポズ→ワシントン・ナショナルズ(移転。以前の同名球団とは別組織)
ア:アナハイム・エンジェルス→ロサンゼルス・エンジェルス・オブ・アナハイム(改称)
NPB
51年ぶりでパ・リーグに新球団が誕生するも、球団合併も行われたので球団数は変わらず。セ・パ両リーグによる交流戦を導入。
パ:東北楽天ゴールデンイーグルス(新加盟)
パ:福岡ダイエー・ホークス→福岡ソフトバンク・ホークス(改称)
パ:オリックス・ブルーウェーブ+大阪近鉄バファローズ→オリックス・バファローズ(合併。兵庫県神戸市+大阪市)
2006年(平成18年)
NPB
セ:ヤクルト・スワローズ→東京ヤクルト・スワローズ(改称)
2007年(平成19年)
NPB
セ・リーグがプレーオフ制度を実施。ただし、レギュラー・シーズンの勝率1位をリーグ優勝チームと認定。プレーオフはクライマックス・シリーズ(CS)と改称。リーグ優勝と日本シリーズ進出チームは別物となる。パ・リーグもこの制度に同調。
2008年(平成20年)
MLB
ア:タンパベイ・デビルレイズ→タンパベイ・レイズ(改称)
NPB
パ:オリックス・バファローズ(兵庫県神戸市+大阪市→大阪市)
2012年(平成24年)
MLB
ナ・ア両リーグの各地区2位のうち、上位勝利数2チームによるワイルド・カード・ゲーム(1回戦制)が行われ、勝利したチームがディビジョン・シリーズに進出する。
ナ:フロリダ・マーリンズ→マイアミ・マーリンズ(改称)
NPB
2013年(平成25年)
MLB
1998年に次いで2度目のリーグ間による球団移動。これにより、ナ・ア両リーグは15球団ずつになる。
移管:ヒューストン・アストロズ(ナ・リーグ→ア・リーグ)
改めて見てみると、MLBは二大リーグ制になってから113年間、一度たりとも球団が消滅したり合併したりしていないことに驚かされる。
最初の60年間は両リーグ8球団ずつ、ほとんど移転することなく計16球団制を維持しながら、戦後になり旅客機時代が訪れて長距離の移動が可能になると、大胆とも言える球団移転を行い、社会が成熟してくるとエクスパンションを積極的に行って、創成期の倍近い30球団制までに成長した。
基本的には都市名がチーム名になっているので、球団が他都市に移転しても、また球団招致をして、かつて逃げられた球団名をもう一度付けるなんてことも行われている。
現在のボルチモア・オリオールズが創成期にはミルウォーキー・ブルワーズだったり、創成期のボルチモア・オリオールズが後にはボルチモア市民にとって憎っくきニューヨーク・ヤンキースになったりと、いろんな発見があった。
ワシントン・セネタースが他都市に移転した年に、ワシントンD.C.には同名ながら全く別球団のワシントン・セネタースが誕生したのはご愛嬌。
翻って我がNPBはどうか。
創成期が間もなく戦争に突入する時代だったという不運もあるが、発足時から球団合併と消滅を繰り返しているのがわかる。
戦後、2リーグ制に移行した途端に、一気に7球団も増えるという無秩序状態となり、その後もやはり球団合併を繰り返していた。
1953年に12球団制となってからの61年間、日本は高度成長期を迎えようが世界に冠たる経済大国にのし上がろうが、NPBは全く進歩しなかったのである。
だが、球団数が変わらない割りには、チーム名はしょっちゅう変わっている。
NPBは企業名が球団名になっていることがほとんどなので、経営不振で親会社が代わるたびにチーム名まで変わってしまうのである。
コミッショナーは各球団のオーナーたちの傀儡なので何もできず、親会社のエゴがぶつかり合ってNPBの将来を考えることもなく、MLBのような計画性を持ったエクスパンションがなど出来ないのが実情だ。
奇しくも、MLBもNPBも約60年間は全く球団数が変わらなかった。
12球団制になってから61年目の今年、NPBに16球団制移行の機運が出てきたのは、何かの因縁だろうか。