といえば、誰が何と言おうとヴァルナ星である。
ヴァルナ星のウルフアタッカーにかかれば、白色彗星もゴルバも目じゃない。
う〜ん、カッコいいオープニング。
ヒデ夕樹さんの渋い歌声が聴かせる。
宍戸錠さんも若いねえ。
……つか、今とあんまし変わらん気もするけど。
次回予告での「スリルと緊張に満ちた場面の連続!」という、納谷悟郎さん@沖田十三の自分で言うなよ的なナレーションがいい。
ウルフアタッカーとは、ウルフクローと呼ばれる小型戦闘機による大編隊で、巨大戦艦をも蜂のように群がり、倒してしまう。
地球の傭兵部隊・スペースコマンドの一員である巨大戦艦(か、どうかは知らない。なにしろ乗組員はたったの6名である)のバッカス三世号は、ウルフアタッカーの執拗な攻撃をかわし続け、激闘を繰り広げる。
宇宙戦艦ヤマトなんて、所詮は大鑑巨砲主義ではないか。
そんなものは前世紀の遺物で、太平洋戦争でとっくに破綻しているぞ。
白色彗星を破った(テレサの助けを借りて)ヤマトも、ウルフアタッカーの前にはひとたまりもないだろう。
ヤマトにはコスモタイガーがある?
ま、そりゃそうだが、空母ではないので数ではウルフアタッカーの方が断然上だろう。
どうでもいいことだが、PL学園の応援ではなぜかコスモタイガーのテーマが使われている。
それはともかく、ウルフアタッカーを倒したバッカス三世号は、ヤマトをも上回る地球最強の宇宙戦艦と言っても良かろう。
ちなみに、バッカス三世号も一機だけステリューラーという艦載機を搭載していた。
「スターウルフ(途中から「宇宙の勇者スターウルフ」に改題)」は1978年、日曜夜7時から日本テレビ系列で放送されていた。
当時は映画「スターウォーズ」の大ヒットもあって、日テレ(制作はよみうりテレビ)にとって乾坤一擲、自信を持って送り出した切り札だったらしい。
スポンサーも三洋電機が単独で請け負うという力の入れようだ。
もちろん、当時は松下電器(パナソニック)の子会社になろうとは夢にも思われなかった時代である。
特撮技術も当時としては最新で、単なるテレビシリーズを超えていた。
ストーリーも、エドモント・ハミルトン作のSF小説が原作だったとあって、特撮物としてはかなり高度な設定がなされていた。
地球の傭兵部隊・スペースコマンドというのも、地球防衛軍というものではなく、宇宙のあらゆる依頼主から高額の報酬を得て、宇宙を舞台にビジネスをするというプロフェッショナル集団だった。
勧善懲悪が常識だった当時の特撮ヒーロー物からすれば、かなり斬新なドラマだったと言える。
とはいえ、いささか斬新すぎた。
勧善懲悪から離れた作品として翌年に「機動戦士ガンダム」が放映されるが、それとてヒットしたのは再放送を重ねてからだった。
折しも当時はアニメ全盛時代。
裏番組ではフジテレビ系列でアニメ「SF西遊記スタージンガー」が放映されており、視聴率で惨敗していた。
僕の姉貴は「スタージンガー」派で、いつもチャンネル争いをしていたのを思い出す。
1クールが終わった時点で早くも見切りをつけたのか、大スポンサーの三洋電機が早くも降りてしまう。
あとはお決まりのコース、スポンサーがなかなかつかずに結局はヤマトやガンダムと同様、途中で打ち切りになってしまった。
日テレの切り札が僅か2クール、24話の命だった。
アニメならヤマトやガンダムのように何度かの再放送の末、人気に火が点くこともあるが、実写だと視聴率が獲れない限りは難しい。
一回ぐらいは再放送で見た記憶があるが、その後は闇へ消えていった……。
しかし、今でも「スターウルフ」ファンは結構いるらしく、mixiのコミュで100人ものメンバーがいるのにはいささか驚いた。
30年も経った今でもこれだけのファンがいるのなら、打ち切りの憂き目に遭ったのが不思議でもある。
ちなみに「スタージンガー」コミュは二つあって、二つ合わせても僅かに60人程度。
ますます当時の視聴率が理不尽なものに思えてしまう。
最後に、当時は「スターウルフのアイスキャンデー」なるものが売られていたことを特に付け加えておく。