今日、京都市の西京極球場で高校野球近畿大会が行われた。
国王は例によって我が国きっての敏腕記者であるえむすぽ記者と観戦した。
お目当ては第三試合の準々決勝、報徳学園×ＰＬ学園である。
報徳は兵庫１位、ＰＬは大阪１位で、この試合に勝ってベスト４に進出すれば、翌春のセンバツは当確である。
それだけに見逃せないカードだが、それ以上に注目したのはＰＬの四番、清原二世こと勧野甲輝だ。
今夏の大阪大会ではＰＬにとって清原以来の一年生四番として注目を集めたその人である。
勧野の夏の陣に関してはこちらに書いている↓
http://d.hatena.ne.jp/aigawa2007/20080724
夏はホームランは打つは、先発投手は務めるは二刀流の大活躍だったが、秋の新チームになってからは打者に専念しているようだ。
今日は四番、右翼手で先発出場。
勧野が出場するせいか、西京極球場は満員の盛況。
今日は隣りの西京極陸上競技場では京都パープルサンガの試合が同時に行われたが、Ｊリーグの客を高校野球が食ってしまう勢い。
その勧野に早くも見せ場が来た。
と言っても豪快な打撃ではなく、外野守備である。
初回、二死二塁のピンチに報徳の四番・武井の放った打球は詰まりながらライト前へ。
必死で前進してきた勧野はダイビングキャッチ！
見事に好捕してＰＬはピンチを逃れ、０点でしのいだ。
もし抜けていれば１点はおろか、勧野は倒れていただけに打者走者は三塁まで行ってさらに大ピンチを迎えていたところだ。
この試合のターニングポイントが早くも一回表に訪れたが、試合の流れを勧野が決めた。
一回裏、二死一塁で勧野を迎えたが、警戒しすぎた報徳バッテリーが四球を与え、これがＰＬの先制点につながった。
一気にＰＬペースとなり、この後はＰＬが毎回のように点を重ねる。
六回裏のＰＬの攻撃、打順は四番の勧野から。
ここで勧野は目の覚めるような打球をレフト線へ。
打球の速さは凄まじく、あっという間の二塁打コース。
ところが、二塁寸前でタッチアウト。
うーん、どう考えても普通の選手なら楽々二塁打なのだが、勧野は足は遅いようだ。
天は二物を与えずというか、このあたりも清原二世と言えるかも知れない。
７−０とＰＬの一方的なリードで迎えた七回表の報徳の攻撃。
この回無得点なら、ＰＬのコールド勝ちとなる。
しかし報徳の先頭打者が意地を見せ、右中間へ長打コース。
ここでも勧野が打球に追いすがり、ダイビングキャッチ。
二塁塁審の手が大きく上がり、アウトを宣告した。
勧野、初回に続き超ファインプレー！
さすが勧野、打つだけじゃない。
打ってよし、投げてよし、守ってよし。
足が遅いのが唯一の欠点か。
ん？
足が遅い？
そういえば初回のファインプレー、打った瞬間は平凡なライトフライかと思っていたのに勧野はダイビングキャッチしていたぞ。
この回の打球だって、いい当たりに思えたが、打球は失速して普通のフライになっていた。
ひょっとして、二つとも普通の外野手なら凡フライだったのではあるまいな？
そうだとすれば、平凡なフライがファインプレーに見える、実に得な選手なのかも知れない。
なに、ある意味では球際に強いとも言える。
それに長嶋さんだって、平凡なゴロをまるでファインプレーのようにさばいていたではないか。
つまり、勧野にはスター性も備わっていると言える。
結局、ＰＬが７−０とコールドで報徳を下して、センバツ切符を確実にした。
今夏はあと一歩で甲子園を逃した勧野にとって、初めての大舞台となる。
来春、陽光眩しい甲子園で清原二世はどんなプレーを魅せてくれるのか―。
