
ゴールデン・ウィーク最終日となった5月6日(火・祝)、日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎へ出掛けようとしていた。
今年から阪神タイガース二軍の本拠地となった球場である。
この日はウエスタン・リーグのくふうハヤテ ベンチャーズ静岡との公式戦が行われる予定だった。
ところが、最寄りの停留所からバスに乗り込もうとする直前、スマホでチェックすると雨天中止の報。
このままバスには乗らずに帰宅しようかとも思ったが、せっかく出てきたので乗り鉄でも楽しもうかと思った。
河内長野駅で昼食のとろろそばを食した後、南海高野線に乗り換え、橋本駅へ行くことにした。
そこでJRの和歌山線に乗り換えようと思ったのである。
橋本駅に着き、JR和歌山線のホームへ行こうとしたとき、そこに停まっている電車が目に飛び込んできた。
南海高野線の観光列車「天空」である。
「天空」は橋本~極楽橋を結ぶ、観光を目的とした列車だ。
ちなみに、南海高野線の特急には、難波~橋本を走る「りんかん」と、難波~極楽橋の全線を結ぶ「こうや」がある。
「天空」は、無料の自由席も連結しているとはいえ、せっかくなので指定席に座りたいと思ったが、駅構内にある指定券引換所はシャッターが閉まっていた。
もう指定券は買えないのかと思ったが、近くに女性のアテンダントがいたので、今からでも指定席が買えるのか聞いたところ、お好きな席に座ってください、すぐに伺いますので、という返事が返って来る。
テーブル付きの椅子に座り、女性アテンダントに指定料金520円を支払って、いざ出発。
一度は「天空」に乗ってみたいと思っていたが、野球が雨天中止で思わぬチャンスが巡ってきたわけだ。
何しろ「天空」は、休日ダイヤで往復3本ずつしか走っていないのである。
ちなみに、雨天中止が決まった後に空は晴れ上がり、この天気なら阪神園芸の力をもってすれば試合は開催できたのではないか、と思ったものだ。
この「天空」は、元の車両が「角ズーム」と呼ばれていた22000系。
国王は小学二年生まで南海高野線沿線に住んでいたが、当時の「角ズーム」及び「丸ズーム(21000系)」が急行列車として運用され、薄緑の車体に濃い緑の細いラインが中央に走っているのが特徴だった(「丸ズーム」は特急の臨時「こうや」としても運用)。
その後、両方とも引退していたが「角ズーム」の方は車内を改装し、濃い緑を基調とした塗装に塗り替えて「天空」として生まれ変わったのだ。
▼「天空」の車内



なお、「こうや」は橋本~極楽橋までノンストップだが(ただし、この間は全線単線なので、行違えのためにドアを開けずに停車する駅もある)、「天空」は学文路駅と九度山駅に停車する。
急行および快速急行は、この間は各駅停車だ。
通過する駅は多いのだが、山岳地帯のため勾配が激しく、またカーブだらけなのでスピードは遅い。
橋本を出発してから38分、ようやく終点の極楽橋に着いた。
しかし、終点と言っても、この駅で改札口を出る人はほとんどいない。
多くの人は、そのまま高野山方面へ行くケーブルカー乗り場に向かう。
だが、国王は以前にケーブルカーは乗ったことがあるし、高野山へ行く気もないので、改札口を出ることにした。
駅員は不思議そうな顔をして「(ICOCA)をタッチしなくてもいいですよ」と言ったが、構わずに改札を出る。
▼ケーブルカー乗り場へ向かう廊下

▼高野山へ向かうケーブルカー

なぜ極楽橋駅から改札の外へ出る人がほとんどいないのかと言えば、ハッキリ言って周りには何もないからだ。
まさしくケーブルカーへの乗り換えだけのための駅で、辺りには民家も何もないので、利用する人がいないのである。
大手私鉄としては珍しい終着駅だ。
▼極楽橋駅の構内から外を見る。遠くの赤い橋が駅名の由来となった極楽橋

▼車窓から見た極楽橋

▼極楽橋駅の外に出るとこんな感じ

極楽橋駅に戻り、橋本行きの各駅停車でトンボ返り。
阪神二軍戦が雨天中止になったおかげで、念願だった「天空」に乗れるという、思わぬ体験をした。
しかし、今度こそ日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎へ行ってみたいものだ。
▼極楽橋駅に停車中の「天空」

