今年(2018年)の7月31日、15年ぶりに火星が地球に大接近した。
地球から見れば、ちょうど太陽の反対側に火星がある。
今の時期は20時頃から空を見ると、西に木星、南に土星、そして東の方に赤く輝く火星が見えるはずだ。
惑星が一度に3つも見えるのも珍しいが、普段はこの中で最も明るいのは木星。
しかし、今回の大接近により火星はマイナス2.8等級となり、木星よりも明るく見える。
夏と言えば代表的な星座はさそり座。
さそり座の中心に、光輝く1等星のアンタレスがある。
アンタレスとは、火星のように赤い星なので「火星の敵」という意味だ。
今夏はアンタレスと火星が同時に見ることができるが、今回は火星の方が遥かに明るいので、アンタレスはとても「火星の敵」ではない。
ちなみにアンタレスは光度を変える脈動変光星、赤色巨星で、最高光度は0.9等級だ。
7月31日、南東の方に赤く輝く星があった。
紛れもなくアンタレスではない、火星である。
なお、今回の大接近の後は、地球の公転が火星を追い越すため、夜空で火星が逆行するのだ。
もちろん、一晩で逆行するわけではなく、日を追って観測すると逆行するわけである。
星の撮影は、望遠にするとすぐブレるので難しい。
上の写真が最も綺麗に撮れた火星だ。
この写真が、中心からズレているが最も大きく撮れた写真。
やっぱりブレているのが残念。
さて今回、再接近した火星と地球の距離は約5,760万km。
光だと3分ちょっとかかる距離だ。
ちなみに、宇宙戦艦ヤマトが初めてワープを行ったのが月から火星の間。
距離的には地球から火星とほぼ同じと言っていい。
ヤマトは月から火星へ、ワープでは1分ちょっとで行くことができた。
さすがヤマト、ワープの速度は光速の約3倍である。
……って、たったの3倍!?
地球から大マゼラン星雲のイスカンダルまでは、片道14万8千光年。
これを往復で1年以内に還って来なければならないのだから、距離としては29万6千光年で、要するに光速の29万6千倍のスピードが必要である。
ワープの速度が光速の3倍しかなかったら、イスカンダルとの往復には9万8千666年もかかってしまう。
いやいや、よく考えてみると火星まで5,760万kmというのは今回の、極めて近い距離となった場合だ。
では、火星が地球から最も遠くなった場合はどうなるだろう。
このケースでは、地球から見て火星は太陽の向こう側にあるわけで、わざわざ重力の影響を大きく受ける太陽を飛び越えてワープするとは思えないのだが、そこは目を瞑ることにしよう。
きっとヤマトは、火星が最も遠い位置にあったときに、ワープを行ったに違いない。
そこで、火星が最も遠くにあったときに、地球から火星まで光速でどれぐらいかかるか計算してみたら、約21分だった。
つまり、地球から最も遠いときの火星にワープで行くと1分かかったとしたら、ワープの速度は光速の21倍ということだ。
おお、さっきの7倍もの速度になったぞ!
……って、それでもたったの21倍かよ。
つまり、イスカンダルまでの往復には1万4千95年もかかってしまう。
結局、ヤマトが地球に帰還する1万4千94年前に、放射能によって地球人は住めなくなり、ガミラス星人の住み家となっているだろう。