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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

太陽と月が起こす奇跡

今朝の午前7時半頃、日本の太平洋岸を中心とした地域で金環日食が観測された。
日本の広範囲で金環日食が観測されるのは滅多にないので、今日は日本中が日食フィーバーとなった。


昨夜、激しい雨が降ってきたので、日食が見れないのではないかと心配した。
いっそのこと、雨を降り尽くして雲がなくなればいい、とも思った。


今朝、目を覚まして雨戸を開けると、日光が燦々と降り注いでいる。
しめた!と思い、数ヶ月前から用意していた遮光板(日食メガネ)を持ち出してベランダに出た。
遮光板を太陽方向に向けると、太陽は既に欠け始めていた。
よし、大丈夫だと思い、部屋に戻った。


ところが、それから金環日食の時間が近付くにつれ、文字通り雲行きが怪しくなってきた。
日光が射さなくなってきたのである。
もう一度ベランダに出たものの、太陽は厚い雲に覆われてどこにあるかわからない。
太陽は大部分が欠けているのか、辺りは薄暗くなってきた。


もう時間がない、そう思った時だった。
雲の切れ間から、金環食になる寸前の太陽が顔を出した。
雲のフィルターで覆われているので、肉眼で見ることができた(というより、遮光板では見えなかった)。


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金環食に近付くにつれて、太陽の周りからは雲がどんどん去っていき、もはや遮光板なしでは見ることができなくなっていた。
普段の行いがいいと、こういう幸運に恵まれる。
そして遂に、生まれて初めて金環日食を見ることが出来たのである。


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いい写真が撮れなかったのは残念だが、その分遮光板でしっかり金環日食を見ることができた。
おそらく金環日食を見るのは、今日が最初で最後だろう。
金環日食を経験してわかったのは、皆既日食と違って暗くなったり星が見えたりはしないが、多少は薄暗くなる、ということだ。
と言っても、皆既日食はまだ見たことがないのだが。


ところで金環日食というのは、太陽がすっぽり覆われる皆既日食と違って、太陽の研究にはあまり役立たない。
皆既日食の時には未だに正体がよくわかっていない太陽のコロナが見えるので、太陽の謎の究明には格好の現象となるが、金環日食ではコロナは見られない。
ただ、太陽の大きさを測る材料にはなるようだ。
地球と違ってガス体の太陽の正確な大きさはわからず、皆既日食や金環日食のときに、月との比較で太陽の大きさに関するデータを集めるわけである。


人類における日食の記録はかなり古い。
今からなんと4000年以上も前、紀元前2128年(日本ではまだ縄文時代である)に中国の「書経」の中に書かれている。
日本での記録はグッと新しくなるが、日本書紀では628年(聖徳太子の死後6年)に日食があったと記されている。
単純な疑問で、遮光板のない時代に古代人は日食をどうやって見たのだろう?
「遮光板で日食を見ないと目に悪影響を及ぼす」と言われる昨今では考えられないが、失明覚悟で日食を見たのだろうか。
皆既日食なら周りが暗くなるので、悪魔の仕業かと思っただろうが。
中国では、天狗が太陽を食べると考えられたので「日食」と名付けられた。


今日のニュースは金環日食の一色だったが、金環日食や皆既日食は決して珍しい現象ではない。
ほぼ毎年、金環日食や皆既日食は起きているし、1年に2度以上も金環日食あるいは皆既日食が起きる時もある。
月食に比べると、日食が起きる確率の方が高いのだ(と言っても、月食だってほぼ毎年起きているが)。


これは意外に思われるかも知れない。
日食に比べて月食の方が見たことがある人は多いだろうし、皆既月食が起きたからと言って、今回のようなフィーバーにはならない(ちなみに「金環月食」などという現象はない)。
皆既月食が起きる日は、ちょいと夜更かしすれば(悪天候でない限り)見ることはできるからだ。
金環日食や皆既日食が見られるのは、天文マニアでもない限り一生に一度きりという人が多いだろう。
月食は月が出ている地域なら地球のどこでも観測できるが、日食を見ることが出来るのは地球上でも限られた地域、さらに金環日食や皆既日食が観測できるのは極めて狭い範囲だからである。
しかも金環日食や皆既日食は、皆既月食に比べて観測時間が極端に短い。
そのため、日食よりも月食の方を多く見る人が多いのである。


ところで、なぜ日食や月食といった現象が起こるのか。
というより、なぜ日食や月食といった現象がたまにしか起こらないのか、と言った方が適切かも知れない。


地球―月―太陽という順に並んだ時に日食が起こる。
月齢で言えば新月、つまり月が見えない時だ。
地球から見て月と太陽が一緒の方向にあるのだから、新月の時には常に日食になっても不思議ではない。
でも日食にならないのは、太陽の軌道面(黄道)に対して、月の軌道面(白道)が約5度傾いているからだ。
このため、黄道と白道がピタリと一致しない限り太陽の光が月に遮られることなく、何事もないように陽光は地球に降り注ぐ。
しかし、たまに黄道と白道が一致する時があるので、その時は地球の一部地域に日食をもたらすわけだ。


逆に月食は、月―地球―太陽の順に並んだ時に起こる。
月齢で言えば満月の時だ。
この順で並べば、月は地球の影に隠れて日光を反射できなくなるが、やはり黄道と白道がずれているので、満月と言えどもたまにしか月食は起こらない。
しかも地球の地軸は公転面に対して23.4度も傾いているため、黄道と白道が交わりにくいのだ。
もし地球の地軸が公転面に対して垂直で、太陽に対する公転面と月の公転面が水平ならば、新月のたびに日食が、満月のたびに月食が起こるであろう。


金環日食と皆既日食という現象がなぜ起こるのか。
その答えは、地球と月との距離にある。
月は地球の周りを回っているが、その距離は一定ではなく、楕円軌道を描いている。
要するに、皆既日食のときは月が地球に近い、即ち地球から見て月が大きく見えるために太陽を覆い隠すが、金環日食の時は月が遠いので地球から見て小さくなるため、太陽を完全に覆い隠すことができずに、周りに太陽の光の環が出来るわけだ。


つまり金環日食皆既月食が現れる原因は、地球は太陽の光を遮る天体(要するに月のこと)を従えている、ということである。
こんな惑星は、太陽系の中で地球以外にはない。
太陽系の惑星でも、地球ほど衛星(月)の影響を受けている惑星はないのだ。


月は太陽系の衛星の中で、最大級の存在である。
もちろん、木星や土星の惑星には、月よりも大きな衛星はいくつも存在する。
でも、いずれも主星たる惑星(木星や土星)の直径よりも、100分の1以下だ。
ところが月は、主星である地球と比較して、直径は4分の1もあるのだ。
これはもう、地球と月との関係は、惑星と衛星というよりも、宇宙規模で考えれば二連星と言ってもいいだろう。


そもそも、皆既日食や金環日食などという、月が太陽を隠してしまう現象が起こるのはなぜなのか。
これはもう、地球から見た見掛けの大きさが太陽と月がほぼ同じだからに他ならない。
太陽の直径は月よりも約400倍もあるが、距離は月に比べて約400倍も遠いため、地球からの見掛けの大きさは太陽と月はほぼ同じになってしまうのだ。
この奇跡の位置関係が、地球に生命をもたらしたとも言える。


地球に生命が宿ったのは、太陽の温度と距離とのバランスが奇跡的に良かったからだと言われる。
もちろん、それが一番大きな要素であるが、月の存在も忘れてはならない。


月が地球に与える影響として最も知られているのが潮汐力、即ち潮の満ち引きだろう。
海が満潮になったり干潮になったりするのは、太陽よりも月の引力の影響力が2倍も強いからである。
その月の引力が、地球の生命線だというのだ。


自転には「歳差運動」というのがある。
地軸は常に一定ではなく、長い年月を経て大きくにずれるということだ。
例えば火星では、ここ100万年間で地軸は20度も傾いているという。
ところが地球では、ここ1800万年の間に2.6度程度しか地軸は傾いていないというのだ。
これは、月の引力が地球の潮汐力に力を与えて、地軸を安定させているのが原因だと言われている。
もし月が存在しなければ、地球の地軸は糸が切れた凧のように自由気ままに軸を彷徨っていたかも知れない。
そうなると、気候が大荒れに荒れて、地球上の生物が絶滅していた可能性だってあるのだ。


「奇跡の星」とも呼ばれる地球。
そこには地球と太陽との関係のみならず、月の影響も大きかったのだ。


今回の金環日食で、宇宙について興味を持った人も多いだろう。
これをきっかけにして、宇宙とは何か?その中の地球の存在とは?
と考える人が多数出てくることを望む。