橿原球場(行った回数:2回)
橿原球場は正式名称を「奈良県立橿原公苑野球場」と言い、現在ではネーミングライツにより「佐藤薬品スタジアム」と称している。
奈良県の高校野球のメイン球場であり、2007年までは夏の奈良大会は奈良市鴻ノ池球場や大和郡山市営球場などと併用されていたが、出場校数が減少した現在では、橿原球場のみで行われている。
県のメイン球場は県庁所在地にある球場の場合が多いが、奈良市は奈良県の最北端にあり南部の高校にとってかなり遠く、橿原市は奈良市よりもかなり南にあるので、バランスの取れた場所にあると言っていいだろう。
橿原球場の最寄り駅は、奈良県内を網羅する近畿日本鉄道(近鉄)の橿原線、南大阪線、吉野線が交わる橿原神宮前駅であり、奈良県内におけるキーステーションと言ってもいい。
橿原神宮前駅からは徒歩5分と非常に近く、交通の便は申し分ない。
車の場合は、北の奈良市から国道24号線、南部からは国道169号線が走り、東側から国道165号線、西側からは無料の自動車専用道路である大和高田バイパスが通じており、駐車場もあるのでこの点でも便利だ。
奈良県のメイン球場としてはうってつけと言える。
橿原球場はその名の通り橿原神宮内にある。
橿原神宮内は美しい森で覆われ、近くには畝傍山や、初代天皇とされる神武天皇陵があり、正月になると多くの参拝客で賑わう。
この界隈は野球以外でも歴史に興味がある人なら、散策する価値は充分にある場所だ。
橿原球場に話を戻すと、両翼93m、両翼120mと狭く、ナイター設備はあるものの照度が低いので、プロ野球(NPB)の一軍公式戦には適さない。
1950年代には一軍公式戦が行われたが、現在では全く行われておらず、その予定もない。
収容人員は10,000人と高校野球のメイン会場としてはまずまずで、内野スタンドは屋根で覆われており、外野は芝生席だ。
フィールドは内野が土、外野は天然芝だったが、2010年に佐藤薬品スタジアムと改称すると同時に外野のみ人工芝となり、かつての阪急西宮球場や藤井寺球場のような形になった。
これは2009年7月に外野席から撮影した、天然芝時代の橿原球場である。
こちらは内野は土、外野のみ人工芝に張り替えられた、2010年8月の姿だ。
外野の緑が不自然に濃いのがわかる。
スコアボードは長らく手書き式だったが、現在では磁気反転式になっている。
これが2009年7月のスコアボードだ。
現在ではスコアボードの両端に「佐藤薬品スタジアム」の名称が入っている。
橿原球場は社会人野球にも使用されているが、残念ながら奈良のレベルはあまり高くなく、都市対抗には過去3チームしか出場していない。
それが昨年(2010年)の都市対抗に、大和高田市の大和高田クラブが初出場した。
同クラブは日本選手権にも2度出場しており、クラブチームとして今後の活躍が期待される。
私事で恐縮だが、知人に奈良県内のクラブチームでプレーしている選手がおり、大和高田クラブと好勝負を演じているので、お互いに切磋琢磨して奈良県の社会人野球を大いに盛り上げてもらいたいところだ。
これからの橿原球場は、奈良県の高校野球のみならず社会人野球でも熱戦が繰り広げられるだろう。
奈良テレビで放送されている、夏の高校野球奈良大会のダイジェスト番組「ドラマティックナイン(2010年)」