四月三日に開幕したプロ野球は各球団とも既に3カードを消化した。
僕の担当は阪神のホームゲームのみなのだが、今回の東京ドームでの巨人×阪神戦も書いてくれと急に言われ、9戦連続で記事を書くことになった。
いや、火曜日からの阪神×中日戦も甲子園なので、12戦連続で書くことになる。
それにしても、戦評を書くのは難しい。
特に阪神の試合はもつれることが多いので、いかに要点を踏まえて短い文章にまとめるかがポイントになる。
試合終了後にすぐ戦評を書くのだが、スコアブックとにらめっこしながら書くと、どこに重点を置くか迷ってしまう。
殊に延長12回引き分けになった巨人×阪神戦など、勝負のポイントだらけで戦評をまとめようがない。
また、試合前の見どころを書くのにも一苦労だ。
試合を左右するのは当然のことながら先発投手だが、セ・リーグの場合は予告先発ではないので、予想を外すと「見どころ」は意味のないものになってしまう。
実際、9戦のうち二人の先発予想を外してしまった。
特に巨人×阪神三回戦での巨人の先発予想は難しく、既に二回予想を外したために自信がなかったので、
「中四日で高橋尚か、リリーフの栂野か、あるいは木佐貫か野間口を二軍から引き上げるか」
と、まるで丁半両方に張るような、絶対に外れない書き方をしてしまった。
ローテーションが一回りしたので六人回しの阪神は今後予想を立てやすい、と思っていたら安藤が足を痛めて次の登板は微妙とも伝えられている。
また、岩田が戻って来るとローテの再編も考えられ、油断はできない。
久保田がいつ戻ってくるかも気になる。
「女心と阪神ローテ」というぐらい、移ろいやすいのだろうか。
そして、ゴールデン・ウィークや交流戦になると月曜日でも試合があるため、ローテの谷間が生じる。
当然、甲子園はドームではないので、雨天中止も考えられる。
そうなるとスライドか一日飛ばしか一回飛ばしか、また悩むことになる。
ああ、予告先発があるパ・リーグ担当の人が心底うらやましい。
野手陣では、「(広島の)石井琢朗には要注意」なんて書くと左投手対策で欠場したり、「赤星の盗塁がポイント」と書いたら腰痛でスタメンを外れて、まさしく踏んだり蹴ったり。
「メンチの一発に期待」なんて書いても、それこそホンマのバクチもん。
予想を外したというのとは違うが、巨人×阪神戦では巨人のホームゲームなので巨人目線で書くことが要求され、
「クルーンの復活に期待!」
などと心にも無いことを書いてしまった。
誰がそんなもんに期待するかっての。
クルーンに期待するのはただひとつ、四球連発の暴れ球だ。
そのクルーンは阪神戦の一、二戦を無安打で連続セーブと、タテマエの方の僕の期待に応えてくれた。
それが第三戦では、期待すらしてなかった坂本のエラーにより、クルーンはリードを守り切れず。
野球はまさしく筋書きのないドラマ。
予想を当てるという行為など、野球に対する冒涜なのかも知れません。