新型コロナウイルスの影響により、県境の封鎖が話題になっている。
感染拡大を防ぐために、不要不急の県境跨ぎは控えて欲しい、という要請だ。
特に、大阪府と兵庫県の往来を制限すると発表され、物議を醸した。
しかし、(府)県境を封鎖すれば、もっと困る地域もある。
ここは日本で唯一と言われる、店内に府県境があるという大型商業施設だ。
店内の北側が京都府木津川市、南側が奈良県奈良市となっている。
この店舗は、イオンモールだけあって非常に大きい。
1階は駐車場になっており、2階に正面玄関があって事実上の1階、店舗は2~4階までで5階と屋上は駐車場だ。
1階は地下みたいなものだが、高の原駅の改札口と同じ高さを1階としている。
▼駅の反対側(西側)にある平面駐車場。1階に見えるが実は2階
店内には、実質1階である2階に京都府と奈良県の府県境が示されている。
しかし、気にせずに2階を歩いていると、府県境に意外と気付きにくい。
むしろ、中央が吹き抜けとなっているので上の階から見た方が判りやすいだろう。
▼4階(実質3階)から見た、2階の府県境
▼2階フロアから見た府県境
▼京都府側から見た府県境
▼奈良側から見た府県境
なお、イオンモール全体としては京都府が6割、奈良県が4割で、事務所も木津川市にあるため、所在地としては京都府木津川市となる。
各テナントは、その店がどこにあるのかで決められ、税金もそれによって支払われるわけだ。
落とし物を拾った場合、拾った場所が京都府側なら京都府警、奈良県側なら奈良県警に通報するという、実にややこしいことになる。
と言っても、場所については拾った人の自己申告になるが。
奈良市は県庁所在地にもかかわらず、市内には映画館がないが、ここの4階にはイオンシネマ高の原という映画館がある。
しかし、このイオンシネマ高の原の所在地は京都府木津川市となっており、やはり奈良市内には映画館はないということだ。
もし、京都府と奈良県の間に封鎖令が出たら、イオンモール高の原の客は大変な思いをするのではないか。
府県境には税関が設置され、府県を跨ぐためにはパスポートとビザ、そして越境申請書を提示しなければならない。
上記写真の場所には、銃を持った兵隊が立ち、目を光らせるにことになるだろう。