3月31日、プロ野球が開幕した。
日本列島は華やかなムードに包まれたが、全国すべてがそうだったわけではない。
阪神タイガースは開幕投手にランディ・メッセンジャーを立て、マツダスタジアム広島で広島東洋カープとの開幕戦に勝ったが、これが大波乱の序章となった。
試合後の監督室で大事件が起こったのである。
事の発端は、藤浪晋太郎が開幕投手を任されなかったことに納得せず、金本知憲監督に対して不満をぶちまけたのだった。
「開幕シリーズ、オレに投げさせてください!」
「え?」
金本監督が思わず聞き返したほど、普段はおとなしい藤浪の激しい口調だった。
「僕、WBCでも何もやってないです!もう、いいかげん許してください!もう一回オレ、繰り返しますよ!自分の思うことをやります!お願いします!ハッキリしてください、監督!」
金本監督は藤浪の主張を黙って聞き入っていた。
「去年、二桁勝てなかったオレが言える立場じゃないけど、オレは一体何なんですか、オレは!?」
「本気かい?ええ!?」
金本監督が藤浪を睨む。
藤浪も、一歩も引かない。
「本気のつもりです!」
「命をかけたのか?命を!勝負だぜお前、この場は!」
「もう何年続いてるんですか!何年これが!?」
「だったらブチ破れよ!オレは前から言ってる!遠慮なんかするこたぁねぇって!グラウンドは闘いなんだから、外人も先輩も後輩もない!遠慮されても困るよ、お前!」
「遠慮してんじゃないです!これが流れじゃないですか、これが阪神タイガースの!ねえ、そうじゃないですか!?」
「じゃあ、力でやれよ、力で!」
「やります!」
「ああ?やれるのか、本当にお前!」
「やりますよ!」
ここで金本監督が藤浪にビンタを放った。
しかし、藤浪もすかさず金本監督の頬を張り返した。
「モイスチャーミルク配合!」
1973年、阪神では鈴木皖武と権藤正利が金田正泰監督を殴ったことがあったが、それ以来の造反劇である。
阪神はまた、お家騒動の歴史を繰り返すのだろうか。
ここで藤浪が箱からハサミを取り出し、自分の髪を切り始めた。
「やりますよ!やりますよ!」
「待て待て、待て!」
「いらないですよ、こんなもの!」
しかし、金本監督は何とか髪を切ることをやめさせた。
だが、藤浪の興奮は止まらない。
「こんななってもお客さん呼びますからね!もう監督、クソもミソもないですよ、これ!オレ負けても平気ですよ!負けても本望ですよ!これでやるんだったら!」
「やれ!やるんなら!!」
「やります!手、出さないでくださいよ!」
「オーケー!オレは何も言わんぞ、もう!やれよ、そのかわり!」
「やります!広島でオレの進退を賭けます!だったらいいですか!?」
「何だっていいや!何だって言ってこいや!遠慮するこたぁねぇよ!」
「もういいっす……」
そう言い残して、藤浪は監督室から立ち去った。
阪神に激震が走った藤浪の造反劇、開幕ローテの順番が変わってきそうだ。
これが「藤浪革命」の序章になるのだろうか。
しかし、なぜ藤浪が髪を切ろうとしたのか未だに謎であり、会話が噛み合っていないので何を揉めているのか不明である。
【4月1日=USO通信】
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