Q.下記の明治時代に日本で使われていた野球用語を現代語に訳せ。
①中野
A.中堅手(センター・フィールダー)
②番人
A.内野手(インフィールダー)
審判とか捕手だと思った人が多かったようです。
③廻了
A.ホーム・イン
ダイヤモンドを一周してくる、という意味ですが、「ホーム・イン」というのも和製英語です。
④小勝負
A.回(イニング)
ちなみに「全勝負」とは試合終了(ゲーム・セット)のことです。
⑤本基
A.本塁(ホーム・プレート)
これはほとんどの人が正解でした。
⑥保健場
A.野球場
1878年(明治11年)に日本初の野球チーム「新橋アスレチック倶楽部」が結成されましたが、このチームが造ったグラウンドが「保健場」と呼ばれました。随分堅苦しい言葉ですが、この頃はまだ「野球」という訳語すらなかったのです。鹿鳴館が完成する5年も前のことですから、随分古い話ですね。
⑦第一関門
A.一塁(ファースト・ベース)
これはよく感じの出る言葉ですね。
⑧除外
A.アウト
これはファウルのことだと思った人が多かったですね。
⑨短遮
A.遊撃手(ショートストップ)
元々の遊撃手とは、投手と二塁の間を守っていました。当時の二塁手はその名の通り二塁ベース上で守っていたので、それより短い打球を止める、という意味でショートストップと呼ばれるようになりました。
⑩文太球
A.本塁打(ホームラン)
明治17、8年頃、山田文太郎という選手が2打席連続で場外大飛球を打ちました。もちろん、山田文太郎選手は悠々ホームイン。以来、ホームランのことを文太球と呼ぶようになったのです。今でもこの言葉が残っていて、「バレンティン、打ったー!見事な文太球です!!」なんて実況をしていたら、バレンティンが文太郎さんに見えたことでしょう。
さて、何問わかったでしょうか。明治時代の人達も、色々な訳語を考えたものですね。
ちなみにストライクのことを「よし一本!」などと言っていたのはずっと後のことで、昭和時代の太平洋戦争中に、敵国(つまりアメリカ)生まれの競技である野球が中止させられないように、やむなく英語を日本語にしたものであり、明治時代の訳語とは随分意味合いが違います。