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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

JFBL開幕

4月3日、JFBL(ジャパン・フューチャー・ベースボール・リーグ)の開幕戦が三重県の津球場公園内野球場で開幕した。
今年誕生した新球団・三重スリーアローズと、去年まで関西独立リーグに所属していた大阪ゴールドビリケーンズとの対戦である。
この日、僕は三重球団の公式記録員との打ち合わせも兼ねて、大阪球団に帯同することになっていた。


朝6時45分頃、身支度を整えているとテレビ画面では、ABC「おはよう朝日です」に生出演している我らが大阪球団の村上隆行監督の姿が映し出されていた。
別にこの日が開幕戦だから特別に出演しているわけではなく、スポーツコーナーを担当しているからである。
数時間後にこの人と三重で会うという実感がどうしても持てなかった。
あとで聞いた話によると、村上監督は番組出演後、自分で車を運転して三重県入りしたという。
当然選手たちは、バスで先に移動している。


僕は天王寺から、大阪球団がファンのために用意したマイクロバスに乗せてもらうことになっていた。
幸い天気も良く、天王寺から三重県津市に向けていざ出発!
津市に行くには、阪神高速〜西名阪道〜名阪国道〜伊勢自動車道という、高速道路を含む四本の自動車専用道路を通らなければならない。
去年は淡路島のような遠い場所への移動も経験したが、それでも近畿圏内でことが足りた。
今年は一番近い遠征場所が津市である。
もちろん、僕は大阪球団のホームゲームのみ担当なので遠征する必要はないが、選手たちはそうはいかない。


JFBLは大阪球団と三重球団の2球団のみだが、今年は四国・九州アイランドリーグとも提携して公式戦を行う。
ちなみに、四国・九州アイランドリーグは、徳島インディゴソックス香川オリーブガイナーズ愛媛マンダリンパイレーツ高知ファイティングドッグス長崎セインツの5球団。
つまり、去年の関西独立リーグは近畿圏内の移動だけでよかったのが、今年は一番遠くて三重〜長崎となるのだ。
距離的にはNPB二軍のウエスタン・リーグの名古屋〜福岡とほとんど同じだ。


だが、移動の大変さはウエスタン・リーグの比ではないだろう。
ウエスタン・リーグは、名古屋〜大阪〜神戸〜広島〜福岡と、新幹線一本で繋がれている。
しかしJFBLの場合は三重、大阪、徳島、香川、愛媛、高知、長崎と全くバラバラだ。
繋がれた鉄道網などなく、バス移動に頼らざるを得ない。


「大阪〜長崎間なら飛行機でひとっ飛びだろう」
と思われるかも知れないが、独立リーグ球団にそんな金があるわけがない。
聞くと大阪球団の場合は、長崎に遠征する時、大阪南港から門司港行きのフェリーに乗り、福岡県北九州市の門司から長崎までバス移動なのだという。
一晩かけてフェリーでザコ寝して、早朝からバスで長距離移動して午後からデーゲーム、というのもかなりタイトなスケジュールだ。
それでも大阪球団はすぐ近くに南港があるのでまだいいが、三重球団はどうするのだろう。


それに、関西独立リーグでは日帰りで対応できた遠征も、今年は四国や九州への遠征では宿泊しなければならない。
宿泊費用を抑えることもさることながら、四国や長崎では宿泊施設を確保することも大変だ。
何しろ選手、首脳陣、チームスタッフを加えて30名を越える大所帯である。
これはさすがにカプセルホテルやサウナで一泊、というわけにはいかない。


今年のゴールデン・ウィークでは、大阪球団が長崎(佐世保)に遠征して三連戦を行う。
大阪球団はファンのために遠征ツアーを組んだ。
費用は数万円必要だが、この日一緒に津市まで行ったファンの多くは、このツアーに参加するという。
マイクロバスの中でファンの人たちと初めて話をしたが、彼らの情熱は凄かった。


ある若いサラリーマンは去年のシーズン、大阪で6時に仕事を終えた後、ICOCAを使って阪和線に飛び乗って和歌山の紀三井寺球場に行こうとしたが、最寄駅が無人駅でICOCAが使えなかったために、やむなくICOCAを切符箱に捨てたという。
その損失額は三千円以上。
無人駅なのだから、その気になれば不正乗車もできたのに、という問いに対しては、そんなことをしたらビリケーンズが負けるような気がして、という答えが返ってきた。
この情熱は一体何なのだろう。
ちなみに、大阪から和歌山までは快速電車が運行しているが、そこから先はローカル線となる。
しかも、最寄駅から紀三井寺球場まではタクシーを飛ばさなければならない。
6時に会社を出ても、紀三井寺球場に着くのは8時半ぐらい。
試合を見れるのは僅か30分ぐらい。
それでも彼は、ビリケーンズを応援する。
若い社員なので、有給休暇もロクに取れず、そうそう早退も出来ないのに。
この情熱は、ちょっと僕には真似できない。


そんな話をしている間に、津市に着いてしまった。
土曜日だったのだが、意外にも道路は空いていた。
この季節は遠出するよりも、近場で花見でもしようとする人が多いのかも知れない。
試合開始は13時なのに、10時半に津球場に到着した。
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この日は開幕戦ということで、様々なセレモニーが企画されていた。
僕も許可をもらい、球場内で写真撮影することができた。
が、しかし、突然カメラが作動しなくなってしまった。


なんでこんな大事な時に!?
電源オンにしても、愛用のデジカメは動こうとしない。
数日前にカメラを落としてしまった影響か?
だが、さっき球場の外を撮影した時は、問題なく作動していた。
僕は元々運がない人間で、肝心な時にはいつもツキから見放されていた。
無神論者の僕は、よほど神様から嫌われているのだろう。


今日もそうなのか、仕方ないから携帯カメラで撮影しようかと諦めていたところ、突然デジカメの電源が入った!
神様のイタズラかどうかは知らないが、グラウンドレベルでのセレモニーの撮影に成功した。
この日は開幕戦ということで、かなりの報道陣が詰めかけていた。


セレモニーでは、開幕戦に関わった関係者が集っていた。
一番左端が、我らが大阪球団の宮本高明代表である。
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マイクロバスの中ではバカ話をしてくれていた宮本代表も、セレモニーではさすがに神妙な面持ち。


そして、地元三重出身のオペラ歌手・岡田ゆきさんによる国歌斉唱。
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国歌斉唱が三重県出身磯野貴理ではなかったことに安堵感を憶える。


そして、来賓の挨拶では、三重球団社長の壁矢慶一郎氏が、
「スリーアローズを日本一の球団とし、三重県を全国にアピールしたいと思います!」
と抱負を語った。
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壁矢社長とこのセレモニーの前に放送記録員室で挨拶を交わしたが、僕の処遇について三重球団のスタッフに対し
「わざわざ大阪から来てくれたのだから、席を用意してやれよ」
と言って下さった。


まだまだセレモニーは続く。
三重スリーアローズの監督は、ヤクルト・スワローズのエースとして活躍した松岡弘氏である。
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松岡監督は、2004年に初めて宮崎キャンプ巡りをした時に、生で見たことがある。
当時の松岡さんはヤクルトの二軍コーチを務めていた。
僕がヤクルト二軍キャンプの西都に行った時、顔を合わせて最も興奮したのは選手たちではなく、松岡さんである。


セレモニーでは津市のキャラクター・シロモチくんと戦隊物が登場した。
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ちなみに戦隊物の右端のタコのような赤いキャラクター、よく見れば顔はシャア専用ザクである。
この後は、三重球団の応援歌「jump!!」をayaさんが熱唱した。
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一通りのセレモニーが終わって、再び放送・記録員室へ。
今年は昨年までの関西独立リーグと違い、イニングごとに配信しなければならないらしい。
かなり忙しくなりそうだ。
そのノウハウなどを教わり、僕も一緒にスコアを付けてみた。


ところが初回の先頭打者で、いきなり混乱した。
僕のスコアブックでは2−1なのに、スコアボードを見れば1−2なのである。
「どうなってるんですか?」
と、三重球団の公式記録員に聞こうとしたが、聞く前にその謎が解けた。
要するに、津球場のスコアボードはこうなっていたのである。
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今季からNPBでも、ボールカウントは日本式のSBOではなく、国際式のBSOに改められたが、球場がそう簡単にSBO方式からBSO方式に変えられるわけではない。
新設する球場ならBSO方式に対応できるだろうが、既存の球場なら費用が掛かる。
津球場は古い球場なので対応が難しいと思ったが、三重スリーアローズの発足と共に球場を改修したため、従来のSBO方式からBSO方式に切り替えたのだそうだ。


僕も最初はBSO方式に戸惑ったが、慣れてしまえばどうということはない。
ちなみに、僕が知る限りでは、テレビ中継はJ-SPORTS以外、未だにSBO方式だが、NPBがBSO方式に変えたのだから、今の内にBSOで表示するべきではないだろうか。
最初は戸惑うだろうが、慣れてしまえばどうということはない。


ただ、メジャーの球場の多くは、ボールカウントは日本のような信号式ではなく、数字式なのでまだわかりやすい。
しかし、日本の球場に多く見られる信号式では、やはり奇異に感じるかも知れない。


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この並びは、たしかにちょっと気持ち悪い。
だが、それも慣れの問題。
僕は最初の数イニングで慣れてしまった。
野球国際化のためにも、早急にテレビ中継でもBSO方式を取り入れるべきではないだろうか。
もちろん、球場も同様である。


この日の試合は、守備妨害があった他はややこしいプレーもなく、淡々と試合が進んだ。
願わくば、僕が担当する試合ではこんな試合が続くことを願うのみである。


試合は、三重が7対4で開幕戦を飾った。
試合後のインタビューで三重の松岡監督が、
「こんな素晴らしい選手に囲まれて、僕は幸せ者です」
と涙ながらに語ったのが印象的だった。