昨日、日本国では政権与党である自民党と最大野党の民主党との間で党首会談が行われた。
福田首相が民主党の小沢代表に連立を申し入れるも小沢代表がこれを拒否、というニュースが流れて、この唐突な行動に日本のメディアから驚きの声が上がった。
国王としても福田首相の動きには驚き、今後の外交のために日本の各新聞の社説を読んでみた。
まずは朝日新聞。
自民党としては大連立というのは政策としてはありえるのだろうが、今このタイミングでの大連立は唐突だ、という論評を展開。
民主党が参院選に大勝したあと、自民党と一度も戦わずに連立を組むのは有権者に対する背信行為であると主張している。
解散・総選挙を先にやるのが本筋だと言い、今の段階での大連立は談合であり筋違いだ、というわけだ。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1
次に毎日新聞。
こちらは朝日よりも大連立に対してかなり手厳しい。
福田首相の連立提案は新・テロ特措法案を通すための措置と切り捨て、国民世論を無視していると批判。
この批判は、拒否したとはいえ、大連立に向けて前向きとも思える行動をした小沢代表にも及んだ。
何よりも大連立が実現されると国会はオール与党体制になり、政府のチェック機能が無くなってしまうことを危惧する。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071103k0000m070149000c.html
そして読売新聞は、この二紙に対して真っ向から反論する。
タイトルでは「大連立に踏み出せ」と、大々的に大連立を絶賛している。
理由は、ねじれ国会のために重要法案が全く成立していないことを危惧しているのだ。
ねじれ国会のために政策が進まず、国益に影響するから大連立を組んでしまえ、というわけだ。
本音としては、自衛隊によるインド洋での給油活動を続けさせる法案を早急に通せ、ということだろう。
ただ、報道機関がここまで政権与党に肩入れするのはいささか違和感を覚えるが、このことは後に触れよう。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071102ig90.htm
最後は産経新聞の「主張」。
産経は意外にも、福田首相によるこの大連立要請を冷静に見ている。
テロ特措法成立のための大連立よりも、野党第一党である民主党との政策協調が第一だということだ。
ただ、自衛隊によるインド洋での給油活動を停止してはならないという点では、読売と一致している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071103/stt0711030333000-n1.htm
さらにこの産経でこんな記事が出ていた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071103/stt0711030938001-n1.htm
読売グループの渡邉恒雄会長が大連立を後押ししているのだから、読売の大連立賛美社説も頷ける。
ナベツネさんは、巨人がクライマックス・シリーズで負けたら「あんな制度はくだらん!」などと子供のような発言をしながら、一方で国の運命を動かす力があるのだから、日本国というのはいろんな意味で恐ろしい。
しかし、今の世の中ではネットでいろんな新聞の社説を読めるのが面白い。
記者クラブ制度で縛られている日本の新聞でも、各社の思想が見えてくる。
各新聞の社説やコラムを読み比べてみるなんて楽しみ方もいかが?