ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

振り逃げ

週刊ベースボールの今週号(8月20日号)に、読者からの振り逃げに関する質問に、プロ野球アナリストの千葉功さんが答えていた。
公認野球規則6・05(c)「無死または一死で一塁に走者があるとき、第三ストライクが宣告された場合」以外の三振に振り逃げが発生する可能性がある、と説明している。
こういうルール説明や実例(山内和弘さんのケースが必ず紹介される)はよく示されるが、「振り逃げ」という摩訶不思議かつややこしいルールがなぜあるのか、それを記した書物を見たことがない。
そこで、なぜ「振り逃げ」なるものが存在するのか、僕なりに考察してみる。


1800年代、アメリカで近代スポーツになる以前のベースボールは、フライを直接捕らなくても1バウンドで捕ればアウトだった。
それが度重なるルール改正で、ダイレクトキャッチでないとアウトにならなくなったのである。
そこで、三振だってアウトのひとつなのだから、直接捕球をしなければならないだろう、となったわけだ。
またこの頃、ベースボールを数値化し、記録方法を確立しようとする動きがあった。
現在、ベースボールほど一つ一つのプレーに対して完璧に記録できるスポーツは他にはない。


では、三振における守備記録はどうなっているか。
守備記録とは、熱心な野球ファンでも意外に知られていないことが多い。
あるスポーツライターが「殺とはフライなどを捕ってアウトにすること。刺殺とは送球して走者を刺すこと」と、とんでもない説明を某有名週刊誌(野球関係ではない)で堂々と書いていた。
しかもこの御仁、野球データに関する本を何冊も出版しているのだから恐ろしい。
もちろん、野球用語に「殺」なんて言葉は存在しない。


守備記録では、アウトには刺殺(プットアウト)と殺(アシスト)の二種類がある。
刺殺は直接アウトのことで、殺は補ってアウトにすることである。
例えば、ショートゴロでファーストに送球してアウトにしたときは、ショートに補殺が、ファーストに刺殺が付く。
一塁を踏んだファーストが直接アウトにし、それを補ったのがショートというわけだ。
スコアブックでは6−3と表記し、6−は補殺を、−3は刺殺を意味する。
では、レフトフライの場合はどうか?
この場合はレフトに刺殺が付き、補殺は誰にも付かない。
直接アウトにしたのはレフトだからだ。
この場合のスコアブックはF−7と表記する。
「F」はフライの意味だ。


では、話は元に戻って、三振の場合の守備記録はどうなるのか。
以下のケースが考えられる。
皆さんも考えて欲しい。


①投手に補殺が付き、捕手に刺殺が付く(投手が投げて、捕手が捕ってるんだもんねえ。ショートゴロと同じだよ)
②投手に刺殺が付き、捕手に補殺が付く(三振を取ったのは投手の力だから刺殺。捕手はそのアシストをしたのだから補殺)
③投手に補殺が付き、刺殺はなし(投手が投げてアウトにしたのだから補殺。捕手は関係ないよ)
④投手に刺殺が付き、補殺はなし(三振は投手の力だから刺殺。捕手は関係ないよ)
⑤捕手に捕殺が付き、刺殺はなし(投球は守備ではないからねえ。捕手はボールを捕ってアシストしたから補殺が付く)
⑥捕手に刺殺が付き、補殺はなし(投球は守備ではないからねえ。捕手がボールを捕ったのだから刺殺が付く)
⑦補殺も刺殺も付かない(そもそも、投球内容に守備記録を持ち込むのが間違い)


さて、おわかりいただけただろうか。
まず守備記録の大原則に、「全てのアウトには刺殺がある」というのがある。
補殺がないアウトはあっても、刺殺がないアウトは存在しないのだ。
従って、刺殺のない③⑤⑦は消える。
次に、三振という行為に関しては、守備記録には反映されず、投手記録になるので、投手が絡んだ①②③④はありえない。


つまり、正解は⑥捕手に刺殺が付き、補殺はなし(投球は守備ではないからねえ。捕手がボールを捕ったのだから刺殺が付く)ということになる。
三振には守備記録が反映されない、ということは、要するに振り逃げでアウトにならなくても、三振は記録されるということである。
三振のときのスコアブックにはK−2と表記される。
「K」は三振の記号である(「SO=ストライクアウトの意味」と記入する人もいる)。
ちなみに、三振のときに捕手が正規捕球できず、捕手が一塁手に送球してアウトになった場合は、捕手に補殺が、一塁手に刺殺が付く。
スコアブックでの記号はK2−3だ。
三振の際、捕手がバウンド捕球して打者にタッチするシーンがあるが、この場合の守備記録は当然、普通の三振と同じく「捕手に刺殺、補殺はなし」となる。


では、最初に言った、公認野球規則6・05(c)「無死または一死で一塁に走者があるとき、第三ストライクが宣告された場合」では、なぜ振り逃げが適用されないのか。
これは、野球ファンならもうおわかりだろう。
このケースで振り逃げを適用したら、捕手は故意落球して併殺を狙うに決まっているからだ。
このときの一塁ランナーはフォースプレーになるから、併殺にするのは簡単だ。
もっと言えば、無死満塁ではトリプルプレーだって容易である。


だからこのケースでは、振り逃げは採用されないのだ。
いわば、インフィールド・フライと同じ扱いである。
ちなみに、捕手が正規捕球できなくても、このケースでは捕手に刺殺が付く。


こうして記録方法を探ってみると、ベースボールの歴史と奥深さを実感できるのが面白い。
ただ、「振り逃げ」という言葉を生み出した日本人の言語感覚に感心するやら、もっとええ言葉がなかったんかいと幻滅するやら……。