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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

ライスボウル不要論

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2013年度の甲子園ボウル日本大学×関西学院大学

 

正月スポーツもたけなわである。

箱根駅伝では5連覇を狙った青山学院大学が2位に終わり、大学ラグビーでは帝京大学天理大学に準決勝で敗れて10連覇の大偉業は叶わなかった。

高校ラグビーでは決勝が大阪桐蔭×桐蔭学園という「桐蔭対決」となったのだ(両校に姉妹校などの関係は全くない)。

 

そんな中で、アメリカン・フットボールの日本選手権であるライスボウルが1月3日に東京ドームで行われ、社会人王者の富士通が大学王者の関西学院大学を52-17の大差で破り、ライスボウル3連覇を果たした。

これで、ライスボウルでは社会人王者の10連覇となったのである。

 

そして、「出るぞ、出るぞ」と思われていた議論が、やはり出てきた。

それが「ライスボウル不要論」である。

しかも今回は、アメフト・ライターが提言したのではなく、当事者である関学大の鳥内秀晃監督から、ライスボウルをやる意義に対する疑問が呈されたのだ。

 

今年のライスボウルでの関学大では、6人もの負傷者が出た。

社会人チームは熟練された選手が揃っているうえ、外国人選手もいる。

一方の大学チームは、1年生など去年まで高校生だった選手も含まれているのだ。

弱冠19歳の将来ある選手が、体の大きい外国人選手に潰されるのは見るに忍びない、というわけである。

 

たしかに、大学王者が社会人(あるいはプロなどシニア・チーム)王者との一騎打ちで日本一を決める競技は少なくなった。

プロ野球日本一のチームと、大学選手権優勝チームを闘わせて真の日本一を決めろ、なんて意見は皆無だろう。

サッカーでは天皇杯でJリーグのチームと大学チームが闘うこともあるが、上位進出は大抵J1のチームだ(それでも、2003年度の天皇杯では、J1王者の横浜F・マリノス市立船橋高校にPK戦まで追い込まれた、なんてこともあったが)。

社会人王者と大学王者の一騎打ちと言えばラグビーが有名だったが、両者の差が大きくなり過ぎてしまい一騎打ち方式をやめたものの、大学では無敵だった連覇中の帝京大ですらトップリーグ上位チームには歯が立たず、現在ではトップリーグのチームと大学チームの試合は行われていない。

 

ただ、アメフトの場合は今年こそ大差がついたとはいえ、大学王者が全く歯が立たない、というわけではなかった。

たとえば3年前のライスボウルパナソニック×立命館大学では、22-19という接戦だった。

しかも、この試合ではパナソニックの反則が見逃されたのだが、この反則見逃しがなければ立命大が勝っていたかも知れない、と言われている。

 

そもそも、ライスボウルが始まったのは1984年と、意外にも歴史は浅い。

正確に言えば、ライスボウル自体はもっと前からあったのだが、そのときは東西学生オールスター戦だった。

つまり、日本のアメフトは大学が中心で、社会人のアメフトは盛んではなかったのである。

しかし、社会人チームも力を付けてきたので、1984年からライスボウルは日本選手権となって、社会人王者×大学王者の一騎打ちで日本一強いチームを決めよう、ということになった。

だが、当初は大学王者の方が圧倒的に強く、最初の8年間は大学王者の7勝1敗。

大学チームは毎日のように練習するが、社会人チームは仕事との兼ね合いで週3回ぐらいしか練習ができず、練習量が全く違っていたのである。

しかも、その頃は大学を卒業するとアメフトからも足を洗う選手が多く、社会人チームも思うように強化できなかった。

 

しかし、企業もアメフトに力を入れるようになり、有望選手をスカウトして、さらに大学を卒業してもアメフトを続ける選手が増えたため、社会人のレベルが上昇した。

そして、社会人と大学の力関係が逆転し、現在のライスボウルでは社会人が10連覇するようになったのである。

 

さらに、社会人チームは外国人選手を積極的に採用するようになった。

外国人選手、と言っても主にアメリカ人選手だが、その存在が社会人と大学との実力差に拍車をかけたのである。

ちなみにXリーグ(アメフトの社会人リーグ)の規定では、外国人選手の扱いは以下のようになっている。

 

NFLを含むプロ経験のある外国人選手は採用してはならない

②登録できる外国人選手は4名まで、同時に出場できる外国人選手は2名まで

 

つまり、Xリーグにいる外国人選手は、NFLでプレーしたことのない選手ばかりということだ。

さらに、同時に出場できる外国人選手が2名までということは、オフェンスの11人の中で外国人選手は2名、ディフェンスの11人の中で外国人選手は2名のみということである。

要するに、フィールドに立っている外国人選手は2/11で、約18%しか外国人選手はいないというわけだ。

 

たとえば、プロ野球(NPB)における外国人選手の扱いは、支配下登録選手に関しては制限がなく、出場選手登録(一軍枠)の外国人は29名中(ベンチ入りは25名)4名までとなっている。

ただし、4名全員が投手とか、あるいは4名全員が野手という登録はできない。

仮に、1名の外国人選手が先発投手で、3名が野手だとしたら、ラインアップに3名の外国人選手という強力打線が組めるうえ、先発投手は外国人なのだから、DH制のないセントラル・リーグだったらスターティング・メンバーの9名中4名が外国人選手となる。

パーセンテージで言えば4/9、約44%が外国人選手というわけだ。

 

それに比べると、Xリーグの外国人枠は大したことはないと思える。

しかも、Xリーグでプレーする外国人選手は、NFLの経験がないのだ。

メジャー・リーガーの外国人選手の登録が可能なプロ野球よりも、Xリーグにおける外国人選手の影響は少ないように見えるかも知れない。

 

しかし、現実にはXリーグの外国人選手の存在感は、年々増しているのだ。

オフェンスで言えば、チーム力のほとんどが決まると言われる司令塔のクォーターバック(QB)と、ポイント・ゲッターのランニングバック(RB)に外国人選手を配置しておけば、まず間違いなく好成績を残せるというわけである。

ディフェンスでも、体の大きい外国人選手が相手QBをタックルで潰すと、試合を有利に運ぶことができる。

 

ただ、外国人選手に頼る安易なチーム編成が、悪影響を及ぼしていることも見逃せない。

QBは手っ取り早く外国人選手を起用するため、日本人QBが育たないという弊害である。

パスやラン、司令塔としての状況判断などは日本人QBも決してXリーグの外国人選手には劣っていないものの、日本人QBは体が小さいため、どうしても体の強さを含めた総合力で外国人QBを起用してしまうのだ。

そのため、大学時代は名QBだった選手も、社会人では外国人選手にポジションを奪われてしまう。

日本アメフトのレベルアップに貢献している外国人選手も、そのために日本人選手が育たなければ本末転倒だ。

日本のチームの中に、外国人選手がいるということは、普段からレベルの高い相手との闘いを経験できるので、非常に有意義なことであろう。

しかし、これは両刃の剣になりかねないので、悩ましい課題でもある。

個人的には、外国人選手が日本でプレーするのは大いに結構なことだと思っているし、問題はどうやってそれを活かすかだ。 

 

取り合えず、契約の問題で今後2年間は大学王者×社会人王者という形のライスボウルになるという。

そこで、検討されているのは、外国人選手の出場を制限する案だ。

だが、これはやるべきではない、と思う。

外国人選手も、チームのために1年間プレーしてきたのだし、学生が相手だからと言って外国人という理由だけで出場を制限されるのはスポーツを冒涜する行為だ。

オジサンのゴルフじゃあるまいし、そんなハンディを付けて学生が日本一となっても誇れるものではないし、何よりも外国人差別にもなる。

それこそ「ライスボウル不要」だ。

したがって、契約がある以上は、現行のルールでライスボウルを行うしかない。

 

そこで、今後2年間は仕方がないとしても、それ以降のライスボウルについて考えてみた。

前述したように、元々のライスボウルは日本選手権ではなかったのだし、大学王者×社会人王者という形式に拘る必要はない。

以下が、そのいくつかのライスボウル改革案である。

 

①Xリーグの3カンファレンス1位チームと、甲子園ボウル優勝チーム(大学王者)の計4チームが日本選手権としてトーナメントを行い、決勝戦ライスボウルとする。

メリット……試合数を増やすことができるのでレベルアップが図れ、大学王者にも日本一のチャンスが残されている。

デメリット……結局、大学チームが社会人チームと闘うという危険な面が残る。さらに、ジャパンXボウルが消滅する。

 

②ジャパンXボウルの優勝チームと、学生オールスター・チームライスボウルで対戦する。

メリット……学生のオールスターチームなら、単独チームに比べて体格差のハンディもさほど気にならず、また大学生選手がレベルの高い社会人チームと試合する経験ができる。

デメリット……大学チームが日本一になるチャンスが失われてしまう。また、このライスボウルが注目される試合になるのかどうかわからない。

 

Xリーグと大学生による全日本チームを結成し、アメリカから実力に見合う大学チームを招いて、ライスボウルで闘う。

メリット……世界選手権で結成される日本代表チームでもいいが、あえて日本でプレーする外国人選手も混ぜた全日本チームを結成して本場のアメフトとの対戦を経験することによって、拮抗したゲームでのレベルアップにも期待できる。

デメリット……②と同じく、大学チームが日本一になるチャンスが失われてしまう。

 

個人的にやって欲しいのが、③の全日本×アメリカ大学という対戦だ。

メリットの項でも書いたように、日本代表でもいいのだが、あえて外国人選手も含めた全日本チームで本場のアメリカの大学チームに挑むということである。

ラグビーで言えば、南半球のスーパーラグビーに参加するサンウルブズ(日本でプレーする外国人選手を含めた、日本のチーム)のようなイメージだ。

もちろん、外国人選手の出場制限はなし。

日本まで来てXリーグでプレーする外国人選手は、思わぬ意地を見せて凄いプレーを見せるかも知れない。

また、アメフトは選手交代が自由なので、外国人選手に代わって有望な日本人QBやRBなどの選手を投入して、本場のアメフトを体験させることも可能なのだ。

ワンサイド・ゲームになると、あまり試合をやる意味はないが、外国人選手の力を借りて接戦になれば、試合経験が大いに活きる。

 

アメフトにも4年に1度、世界選手権があり(以前はワールドカップという名称だった)、日本代表は第1回大会および第2回大会で優勝、2連覇を果たした。

しかし、この第1回大会と第2回大会には、本場のアメリカ代表が出場していなかったのである。

ところが、第3回大会からはアメリカ代表チームが参加し、たちまち第5回大会まで3連覇を果たしてしまった。

しかも、このアメリカ代表チームとは、アメリカ最強のチームではない。

ローズボウルシュガーボウルなど、アメリカの大学の主要なボウル・ゲームに出場するような大学チームではなく、中堅どころの大学生によって結成されたチームだったのである。

それこそ、NFLのドラフトには指名されないような選手ばかりだ。

それでも、日本代表はアメリカ代表に全く歯が立たなかった。

Xリーグでプレーするアメリカ人選手は、NFLには入れなかったものの、それに迫る実力を持った選手たちである。

そんな外国人選手含めた全日本チームが、アメリカの大学チームと対戦すると、かなりの好ゲームが期待できると思うのだ。

しかも、現在の日本人はナショナリズムを強く求めるため、日本チームと外国チームとの対戦を欲している。

そこで、ライスボウルが注目されるかも知れない。

 

ローズボウルシュガーボウル、あるいはオレンジボウルおよびコットンボウルのように、アメリカの大学でのボウル・ゲームは地元の特産品によって名付けられている。

「ボウル」とは競技場のことで、スタジアムをお椀に見立てているわけだ。

ライスボウルは言うまでもなく、日本の特産品である米に因んだ名称で、行われていたスタジアムもお椀のような国立競技場。

ライスボウルが始まったのは戦後間もない1948年のことで、そのときは前述した通り学生オールスター戦だった。

時代は下り、1984年から日本選手権として大学王者×社会人王者となってからも、ライスボウルは国立競技場で行われていたが、1992年から天候に左右されない東京ドームで開催されている。

 

大学王者×社会人王者という形式は変えても、ライスボウルという名称は残すべきだし、日本アメフト界にとって象徴的なボウル・ゲームであり続けるべきだろう。

 

1993年に行われたアイビーボウルでのオール日本大学×ウィリアム&メアリー大学。最近、こういう形での日米対抗のアメフト試合はなくなった

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1985年、関西学院大学×南オレゴン州立大学

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