先月、「近畿6府県120円の旅」を行い、ここでもその行程を発表した。
http://d.hatena.ne.jp/aigawa2007/20110214/1297705415
JRを利用する時、ルールさえ守れば初乗り運賃で大回りの旅ができる、というものである。
わかりやすく言えば、東京駅でJR東日本初乗り運賃130円の切符を買い、神田駅へ行くのに1駅で済むところを、わざわざ品川〜新宿〜上野を経て、山手線一周して神田駅で降りる、というもの。
これはキセルでもなんでもなく、合法的な旅である。
山手線や大阪環状線の場合は単純だが、実際にはJRの路線は複雑に入り組んで繋がっているので、もっとスケールの大きい旅が可能なのである。
そのルールはこちら。
○大都市近郊区間であること(東京、大阪、福岡、新潟の4都市のみにあり、なぜか名古屋には存在しない)。
○「一筆書き」の路線を通らねばならず、路線や駅が重複してはならない。
○途中下車は無効で、当日中に全行程を終えなければならない。
○定期券を使用してはならない。
前回の日記を読んだ人が、
「あれって、桜井線や琵琶湖一周を加えることはでけへんの?」
と言ってきた。
家に帰ってさっそく調べてみると、両線とも大阪近郊区間に入っていることがわかり、この両線を加えた旅は可能だと、その人も入っているSNSに書き込んだ。
すると、その人以外からも思わぬ反響があり、ぜひその旅を行ってみたい、という人が続出した。
そして急遽、「近畿6府県120円の旅・最長編」ツアーが企画された(注:後にわかったことだが、兵庫県も通る最長ルートが見つかった)。
僕がそのツアーコンダクターである。
集まったのは総勢6名だが、参加したくても日程が合わなかったり、今回の大震災で断念せざるを得ない人もいた。
それでも、参加した6名の中には、なんと福岡県から来た人もいるのである。
120円の旅のために、前日から新幹線で大阪入りし、一泊するというのである。
これを四文字熟語では本末転倒というのであろう。
一人気儘の旅だった前回と違い、今回はしっかりと行程を組む必要があった。
前回より大回りになるため、朝早く出発する必要があるが、それでも様々な場所から集うため、あまり朝早くは設定できない。
そこでダイヤを調べようとしたが、これまた一筋縄では行かなかった。
3月12日の九州新幹線全通に伴い、が新大阪〜鹿児島中央間の直通運転を開始する関係で、ダイヤ改正となったのである。
ところがネット上で新ダイヤが発表されず、イライラする日々を送った。
結局、新ダイヤがネット上で発表されたのは、新ダイヤ開始の僅か5日前である。
その行程は以下の通り。
天王寺(大阪府・7:49発、阪和線)→和歌山(和歌山県・8:57着、9:04発、和歌山線)→五条(奈良県・10:22着、10:30発、和歌山線)→高田(奈良県・スイッチバックにより桜井線に入線)→奈良(奈良県・12:00着、12:20発、関西本線)、加茂(京都府・12:34着、13:11発、関西本線)→柘植(三重県・14:06着、14:31発、草津線)→草津(滋賀県・15:15着、15:20発、東海道本線)→米原(滋賀県・北陸本線に入線)→近江塩津(滋賀県・16:35着、16:40発、湖西線)→山科(京都府・東海道本線に入線)→大阪(大阪府・18:28着、18:33発、大阪環状線)→新今宮(大阪府・18:45着)
この路線図はこちら。
今回は、前回の北回りルートと逆の、南回りルートを選択した。
つまり、出発点が天王寺駅、終着点が新今宮駅である。
大阪環状線の外回り電車に乗れば1駅、僅かに1km、2分で終わる行程を、大阪府、和歌山県、奈良県、三重県、滋賀県、京都府を通り、約11時間かけて制覇するのだ。
2011年3月20日、120円近畿一周の旅は実行された。