二日続けて似たようなタイトル。
これはハッキリ言って「あしたのジョー」というよりも、宮崎哲弥のコラムのパクリである。
今春、大いに盛り上がった東京都知事選に比べ、来年一月に行われる大阪府知事選のほうはあと一ヶ月ちょっとなのにシラケムード。
東京都知事選は良くも悪くも目立つ石原慎太郎の対抗馬として、元宮城県知事の浅野史朗や、石原の盟友である故・黒川紀章らが出馬し、役者が揃っていた。
それに引き換え、大阪府知事選の役者は悪い、というより役者がいない。
なにしろ、この期に及んで共産党以外、候補者を立てられないのだから、役者がいないのは当然だ。
そんな中で唯一目立っているのが最悪の大根役者、現職の太田房江である。
次々とカネにまつわる疑惑が噴出し、さらに先の大阪市長選で勝った平松邦夫の後ろに、背後霊のようにちゃっかり映ってのバンザイ三唱で自民、公明両党の怒りを買った。
これにより自公の推薦がほぼ受けられなくなり、肝心の民主党からもせっかく平松の後ろにいたにもかかわらず、かえって「イメージが悪い」と、太田を推薦せずに独自の候補を立てる方針だ。
それでも太田は府政を続けたい意向で、粘り強く自公民に推薦をお願いする、と語っている。
そうするのは勝手だが、本当に府政を続けたいのなら、たとえ自公民や連合大阪から推薦を受けられなくても、ちゃんと出馬しなさいよ。
政党からの支持を受けなかったので、選挙で負けるのは確実だから出馬は断念しました、では筋が通りません。
7年間、自分が行ってきた府政に自信があるのなら、それを大阪府民に訴えて選挙戦を戦いなさい。
あなたがやってきたことを府民が認めたら、あなたは再選するでしょう。
ただし、あなたがやってきた7年間を府民はちゃんと見てますけどね。
大阪経済をここまで落として再建すらできなかったのですから、ちゃんと出馬して、府民の評価を受けてください。
今日、自民党があなたに対する通信簿で落第点を突きつけてきましたが(こんな通信簿をわざわざ作成すること自体、自公が推薦しないという決意の表れである)、府民の評価はもっと厳しいと思いますよ。
「太田府政」というよりも「太田不正」という感じだったのですから。
自民党は元参議院議員の西川きよしに出馬を要請したが、こちらは断られた。
きよっさんが出馬したら当選確実だったかも知れないが、本人は政界からは完全に足を洗ったつもりなのだろう。
それにしても、自民党の考えは安直だ。
知名度のあるタレント候補でしか選挙に勝てないと思っているのか。
そもそも、最近の自民党は(昔からかも知れないが)、選挙に勝てば政策などどうでもいいという候補者を立てすぎる。
お飾り候補者を当選させて、あとは自民党の言いなりになる操り人形に育てようとするのか。
他にも、自民党の推薦というわけではないが、よみうりテレビ元アナウンサーの辛坊治郎や、元プロ野球選手であるタレントの板東英二の名前も挙がった。
辛坊はともかく、板東はいかがなものか。
たしかに面白おかしい喋り口は人気だが、政治経験は全くなく、府政が務まるとはとても府民は考えないだろう。
国会議員経験があった元阪神の江本孟紀だって、大阪府知事選では太田に負けたのだ。
もっとも、エモやんには同情する部分もあって、「江夏が阪神から追い出されたのは江本のせいや!」という、理不尽な感情が大阪府民にはあった。
江夏―江本のトレードは球団同士で決めたことであって、エモやんにはなんの責任もないのに。
どうでもいいことだが、エモやんは現在行われている野球の北京五輪アジア予選一次リーグで、タイの監督を務めている。
辛坊もたしかに政治には詳しいのだが、知的な印象の平松と比べると、やや軽い感じがする。
なによりも辛坊が大阪府知事になってしまうと、大阪は完全に「アナ政治」になってしまう。
大阪市政はMBSに、大阪府政はYTVに牛耳られる感じだ。
と言っても、辛坊自身が副委員長を務めるYTVの番組「たかじんのそこまで言って委員会」でも、平松大阪市長を招いて大阪府知事問題について討議されたが、辛坊が出馬することはまずないだろう。
あと可能性があるとすれば、大阪市長選出馬が噂された橋下徹弁護士か……。
これもまずないな。
注目されるのは、夕張市長選挙で健闘した羽柴秀吉がまた出馬するか。
いずれにしても、各党は府民が納得する候補者を立て、府政に関して意欲のある人は出馬し、有権者の正しい審判を受けて欲しいものである。