この池、ただ大きいだけではなく、実は日本最古の溜め池と言われるほどの由緒正しき池なのだ。
狭山池が完成したのが聖徳太子が活躍した飛鳥時代というから、相当古い話だ。
以来、狭山池は南西河内地方の貴重な水源となる。
諸事情によりその内部をここに明かすことはできないが、興味がある人は行ってみると良い。
入場無料にも関わらず展示物は豊富だし、安藤忠雄デザインの個性的な建築物も楽しめる。
狭山池は、僕にとって身近な存在だった。
生まれ住んでいた家から1駅で、歩いて行くことも可能だ。
何よりも狭山池の東側には狭山遊園地があった。
最近の豪華な遊園地にある絶叫マシーンなどはなく、こぢんまりとしていたが、幼少の頃の僕には充分楽しめる遊園地だった。
夏はリバープール、冬はスケートリンクもオープンして、四季を通じて楽しめる施設だったのである。
現在では残念ながら閉鎖されて、狭山遊園地跡はマンションや住宅地になっている。
また、僕が生まれる遥か前には、戦後まもない1952年(昭和27年)から55年(昭和30年)まで狭山池でボートレースが行われていたというから驚きだ。
狭山池のもう一つの名物は、畔にぐるっと一周して植えられている桜だ。
ただ、狭山池の桜はやや早咲きで、最近の暖かさもあって既に散り始めていた。
とはいえ、満開の桜もあって、大勢の花見客で賑わっていた。
場所取り争奪戦となる大阪市内よりも、狭山池の方がノンビリと花見を楽しめるのではないか。
ただし、バーベキューや露店は禁止のようなので、弁当持参の花見がいいだろう。
昨秋の狭山池もカメラに収めているので、春秋の狭山池を堪能していただきたい。
狭山池の晩秋
春の陽光に映える狭山池。池の畔は桜に囲まれている
秋の桜並木。狭山池の北側
春の桜並木。上部写真と同じ場所。やや散り始めていたが、花見客で賑わってた
狭山池の中にある神社。秋に撮影
早咲きの北側に対し、南側の桜は満開を迎えていた
狭山池の東側の公園。駅に近く、春休みとあって大勢の家族連れがいた。かつてはここに狭山遊園地があった
桜を楽しめるのは1年で1週間程度、さらに満開は天候にもよるが、せいぜい2日程度なので365分の2、確率で言えばたった0.5%だ。
0.5%しか味わえない一瞬の輝きを、大いに楽しもうではないか。