もう一度おさらいすると、河南町とはこんな町である。
●大阪の不動産屋ですら河南町なんて知らない
●漢字は簡単なのに、町名を読める人がいない(「かなんちょう」と読む)
●町内に鉄道路線がなく、とある地区ではバスは1日4本だけ
●その地区の小学生は、通学にタクシーを使用しなければならない
もう、惨憺たる内容だ。
それでも、河南町でも有名なものはないか、と探してみた。
すると、あったあった、いくらでもあった!
まずは大阪芸術大学である。
俳優の時任三郎やアニメ監督の庵野秀明など、数々の著名人を輩出している。
……が、大阪芸大を卒業すると、大成しないというジンクスがあるらしい。
さらに、大阪芸大を志す若者のほとんどは地方出身者。
どうやら彼らは、国立大である東京芸術大学と並ぶ芸大と思っているようだ。
もちろん、彼らの親も「大阪芸大だったら安心」と思うらしい。
しかし、その実態は……(以下略)。
まあ、受験する段階で大阪芸大は私立大だということはわかるだろうが。
それ以上に、彼らが愕然とするのは、大阪芸大がある場所。
「大阪」というからには大都会を連想するようだが、実際に来てみるととんでもないド田舎。
鉄道路線もなく、バスは1時間に1本。
「なんだ、ここは?これが本当に大阪だべか!?オラの田舎の方がよっぽど都会だべ」
と思うらしい。
誰もが、大阪という大都会での学生生活で青春を満喫しよう!と思っているのに、ここで早くも挫折するようだ。
他に河南町のいいところはないかな?
そうだ、金山古墳があった!
金山古墳は全国的にも珍しい双円墳である。
……が、ちっちゃい。
仁徳天皇陵の僅か10分の1で、古墳の上にも登れちゃう。
仁徳天皇陵のように立ち入り禁止ではないのは有り難いが、却って有難味が無くなるような……。
立ち入り禁止ではなく、簡単に登れる金山古墳
では、ワールド牧場はどうだろう。
おお、これは結構知名度もあるし、テレビでも紹介されてるぞ!
でも、30年ぐらい前にオープンした当初は、周辺道路は河南町始まって以来の大渋滞となったが、最近では渋滞なんて見られない(それはそれで有り難いが)。
筆者がかつて行った時は、高い入場料と高い駐車料金に辟易したものだが、現在では駐車料金は無料のようだ。
なにしろ、公共交通機関を利用できない場所にあるので、駐車料金が高いと行きたくなくなるもんね。
ワールド牧場の入口
まだまだ、近つ飛鳥博物館がある!
ここは古代からの歴史的展示物を楽しめるぞ!
……でも、入場料が必要……。
同じ大阪府立で、設備的には豪華と思える狭山池博物館は入場無料なのに(>_<)
しかも、狭山池博物館は電車利用できる交通至便な場所にあるのに、近つ飛鳥博物館は1時間に1本のバスだけ。
無料駐車場はあるが、太子町側の駐車場からの方が博物館には近いので、そちらの方が利用客が多い。
近つ飛鳥博物館
河南町には他に誇れるものはないのか……。
あった、これぞ豪華な建物が!
それは河南町役場である。
役場の豪華さは、近隣の市町村に比べると、遥かに立派だ。
4階建てで、地下は駐車場になっている。
町民の受付は1階で、2階より上は何に使われているのかわからない。
……要するに、ムダに豪華ということだ。
こんなド田舎、こんなに少ない人口なのに、ハッキリ言うと分不相応である。
なぜこんな豪華な役場が必要なのか?
筆者には全く理解できない。
ついでに言えば、ゆるキャラブームに乗っかって、カナちゃんというゆるキャラもいる。
しかし、そんなゆるキャラがいること自体、ほとんどの町民は知らない。
一体、何のためにムダなゆるキャラを誕生させたのか。
人口の割には豪華な河南町役場
役場だの、ゆるキャラだのには巨額な税金を使うのに、肝心な図書室は全く貧弱。
もはや「図書館」ではなく「図書室」だ。
本の冊数も異常に少ない。
当然、図書室を利用する町民などほとんどいない。
大抵は富田林市か河内長野市(ここの図書館は素晴らしい!)の図書館を利用する。
そもそも、図書館を利用する河南町民がどれだけいるのか不明だが……。
それでも、役場やゆるキャラに税金を投入するぐらいなら、図書館を充実させてくれ!
役場やゆるキャラよりも、図書館の方が遥かに有益だろう。
富田林や河内長野の図書館は、いつも人でいっぱいだ。
河南町の図書室にそれがないのは、人材育成においても不利益である。
河南町は実利よりも見た目を優先させるのだろうか?
河南町の図書室。2階建てだが、図書室となっているのは1階のみ