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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

コールドゲーム

7月10日、夏の高校野球兵庫大会での姫路工×氷上西戦で、71−0で姫路工が5回コールド勝ちするという試合があった。
高校野球における最多得点差は、1998年の青森大会での東奥義塾×深浦戦で、122−0で東奥義塾が勝った試合だが、この時は7回コールドだった。
この頃の青森大会では「7回以降10点差」というコールド規定しかなかったために、ベラボーな得点差となってしまったのだ。
そこで翌年からは全国的に「5回以降10点差、7回以降7点差」とコールド規定が統一された。
それ以降では今回が最多得点差となったわけだが、1イニング換算にすると、東奥義塾は約17.43点、姫路工は後攻なので4イニングで打ち切ったため17.75点と、今回の姫路工が上回った。


以前は東京での大会では「3回以降15点差」という規定が加えられていたが、全国統一以降は廃止となった。
公認野球規則では、試合の成立は5回以降となっているのだから、3回コールドという規定はおかしいのかも知れない。
だが、今後もこういう大量得点差試合は充分起こり得るので、3回コールド規定を検討してもいいのではないか。
最近では少子化のために、ほとんど野球経験のない生徒でも選手として駆り出されることが多くなったので、強豪校と当たった時にはこういう「悲劇」が起こる可能性が大きい。


シード校制度があるから大丈夫という意見があるかも知れないが、強いチームが必ずシードされるとは限らない。
仮に春のセンバツ優勝チームでも、春季大会で好成績を収めなければ、ノーシードになることもある。
それに、大阪のようにシード校制度を採用していない地区だってあるのだ。
センバツ優勝校と、野球経験がない選手ばかりの高校が1回戦で対戦することも充分考えられる。
そこで3回コールド制度をどうするか、という話をしたいのだが、その前に提案したいことがある。


現行の制度では前述したように「5回以降10点差、7回以降7点差」だが、これはもう時代にそぐわないような気がする。
金属バットでしかも打力が向上した現在では、1イニングに7点取ることがあっても珍しくはない。
「7回以降7点差」という規定は、終盤の大逆転の可能性を奪っているのではないか。
ハッキリ言って今の高校野球では残り2イニングで7点差がひっくり返っても、ちっとも不思議ではない。
そこで新規定として「5回以降15点差、7回以降10点差」を採用すればいいのではないか。
これぐらいの点差なら諦めもつくし、文句も出ないだろう。


そしてさらに、「3回以降に20点差がついた場合、試合続行するか否か」を負けているチームに問うことができる、という規定を加えれば良い。
確かに試合が成立しないイニングではあるが、これぐらいの配慮をしても良かろう。
実際にあまりにも点差がついた試合で、負けている方がギブアップ、つまり試合放棄したために、9−0となってしまったケースがあった。
しかしそれでは勝っているチームがあまりにも可哀そうなので、3回以降で20点差がついた時に限り、試合続行の可否を負けているチームに問い、もしギブアップならそのままの点差でゲーム終了となり、試合成績もそのまま残る。
もちろん、諦めないと負けているチームが言うのであればそのまま続行だが、5回終了まではいつでもギブアップの意思表示ができるようにすればいい。
そういう規定を作ってあげれば、試合放棄は恥などという認識もなくなるだろうし、安全性の面でも効果が期待できるだろう。
最後まで戦うという姿勢は立派だが、それによって選手が倒れてしまうようなことがあっては元も子もない。


コールド規定が全国的に統一されたといっても、どこまでの試合で採用するかは各地区によってまちまちである。
準々決勝まで採用する地区、準決勝までの地区と色々あるが、どの地区でも決勝戦では甲子園と同様、点差によるコールドゲームを採用していない。
そのためにトンでもない悲劇というか、喜劇が起こったことがある。


戦前の1934年(昭和9年)、夏の東北大会決勝(当時は1県1代表制ではなかった)で福島師範と平商業が対戦した。
しかし試合は福島師範が4回表を終わった時点で16−0の大量リード、普通ならコールドゲームは間違いない展開だが、決勝戦なので当然コールドはない。
4回裏が始まったが、球審の河合が突然タイムをかけて福島師範のベンチにつかつかと歩み寄り、国井監督に言い放った。


「キミたちは一体何をやっとるんだ!」
「はあ、野球をやっています」
「そんなことを訊いているのではない!こんな試合では全然面白くないじゃないか!球審の私だって面白くない。こんなに集まってくれた観客のことも考えてみろ!」
「で、ではどうしろと……?」
「キミらの勝利は確定的だ。だったらカーブなんか投げさせないで、ド真ん中の直球一本で勝負しろ!平商に打たせて、キミらは守備練習でもしたらどうなんだ!」


河合球審のあまりのド迫力に気圧された国井監督は、言われるがままにバッテリーを呼んで、ド真ん中ストレートだけで勝負しろと指示した。
さすがにド真ん中のストレートばかりなら平商打線も打ち返し、たちまち無死満塁となった。
慌てた福島師範バッテリーは以降の打者にはカーブを投げ、なんとか3人の打者を打ち取ったものの、内野ゴロの間に初めての1点を奪われてしまった。
とはいえ焼け石に水であり、終わってみれば29−1の圧勝で福島師範が甲子園切符を手に入れた。


それにしても公明正大たる審判が、片八百長ともとれる指示を出すなんて、現在では考えられないことだ。
今だったらこの放言は大問題になって、河合球審は追放されるだろう。
でもむしろ、今の高校野球関係者よりもよっぽどショーマンシップに優れているではないか。
全力プレーは大切だが、大量得点差がついた試合で無意味な盗塁をしまくる方が遥かにみっともない。