高砂市野球場(行った回数:1回)
兵庫県西部にある高砂市野球場(以下、高砂球場)には「ハンカチメモリアルスタジアム」という奇妙な愛称が付いている。
ハンカチとは現・北海道日本ハム・ファイターズの斎藤佑樹投手のニックネーム「ハンカチ王子」から取ったもので、2006年に開催された”のじぎく”兵庫国体の高校野球硬式の部が高砂球場で行われ、当時早稲田実業の三年生だった斎藤が登場し、国体では異例の大盛況になったことを記念してこの愛称が付けられた。
しかし、斎藤が大した選手に成長しなければ、恥ずかしいネーミングだけが残ってしまうと危惧するのは僕だけだろうか。
でも、実際にこの時のフィーバーは凄かった。
中での注目されたのが、夏の甲子園決勝で再試合となったマー君こと田中将大投手擁する駒大苫小牧との再戦であり、テレビ各局がワイドショーで国体の模様を放送した。
国体における硬式高校野球は公開競技で、各都道府県の得点には反映されないという一番どうでもいい競技である。
高校球児にとっても国体と言えば、夏の甲子園で戦った相手と旧交を温めるという側面があり、真剣勝負よりも三年生の思い出づくりのためにあるようなものだ。
それでもこの年の国体は、硬式高校野球が異常なほど注目を集めた。
かくいう僕も国体を観に高砂球場に行ったのだが、早実の対戦相手は駒大苫小牧ではなく静岡商であり、それでも球場には大勢の人が詰めかけていた。
この日はスポーツビジネスを営んでいる友人(現在は香川オリーブガイナーズの球団代表)と一緒に行ったのだが、平日にも関わらず朝から球場前には長蛇の列ができていた。
僕は先に並んでいて、友人はあとから来たのだが、ガードマンの「知り合いでも割り込みはできません!」という注意をかいくぐって友人は僕に追い付いた。
国体ということで入場無料だったのだが、内野席は朝早くから並んでいた人たちで満員、僕たちは外野の芝生席に回った。
そのため、高砂球場の内野席がどういう感じになっているのかわからなかったのが残念である。
外野席と違ってコンクリート造りになっているのは確かだが。
昼になると友人が弁当を買いに行ってくれたので(パシリというわけではない)、売店がどんな感じになっているのかもわからなかったが、少なくとも試合がある時はいつも営業しているようだ。
スコアボードは今どき珍しい手書き式で、右に得点表示部、左が選手名表示部となっていて、真ん中はバックスクリーンになっているという、これまた珍しいスコアボード&バックスクリーンの一体型である。
高砂球場は両翼91.2m、中堅120m、ナイター設備なし、フィールドは内野が土で外野は天然芝という典型的な地方球場だが、収容人員は20,000人と結構入る。
2000年までは阪神タイガース主催のオープン戦も開催されていたが、現在では行われていない。
夏の高校野球兵庫大会でも使用されていて、兵庫県の高校球児にはお馴染みの球場だ。
また、全国高等学校軟式野球選手権大会でも、明石球場のサブ球場として使用されている。
軟式野球の甲子園としても機能しているわけだ。
高砂球場の最寄り駅はJRの山陽本線(JR神戸線)の宝殿駅で、球場まで徒歩約20分とかなり遠い。
しかも宝殿駅は昼間時間帯は1時間に2本しか電車が来ず、ローカル線のような状態になる。
大阪・神戸側から見ると西明石駅以降は電車の本数が減り、宝殿駅の一つ手前の加古川駅には新快速が停まるが、宝殿駅には停まってくれない。
行くときは加古川駅で新快速と快速(西明石駅以西は快速は各駅停車になる)が連絡してくれるが、帰りは時間が合わないと苦労することになる。
高砂球場へ行くときには、電車時間を考慮しておいた方がいいだろう。
駐車場スペースもあまりないようなので、兵庫県の重要な球場の割りには、交通の便はあまり良くないようだ。
もっとも、兵庫県の球場には鉄道そのものが走っていない所もあるので、高砂球場はまだマシなのかも知れないが。
のじぎく国体硬式高校野球決勝、高砂球場で再現された、早実×駒大苫小牧のハンカチ王子とマー君との投げ合い