万博記念公園野球場、万博記念競技場(行った回数:各1回)
1970年、大阪府北部の吹田市で日本万国博覧会が行われた。
その跡地となっているのが万博記念公園である。
近くには名神高速道路、中国自動車道、近畿自動車道が合流する吹田ジャンクションがあり、中国道と近畿道の下には一般道の大阪中央環状線が通る、大阪の自動車交通における重要拠点だ。
公共交通機関としては、中国道と近畿道沿いに世界一長いモノレールである大阪モノレールが走っている。
吹田ジャンクション近くにあるのが万博記念野球場(以下、万博球場)だ。
最寄駅である大阪モノレールの万博公園駅からは徒歩約15分と遠いが、車を利用する場合は交通の要所であるうえに駐車場には事欠かないので、アクセスはいいと言えるだろう。
長い間、夏の高校野球大阪大会の会場として使用され、準々決勝のうち2試合が行われたこともある、非常に重要な球場だ。
だが、その割りには両翼90m、中堅120mと狭く、ナイター設備はなし、収容人数が7,700人と少ないのはともかく、内外野席とも全て芝生席という、今どき滅多に見られない球場である。
大阪の要所にあるとは思えない牧歌的な雰囲気で、この球場で大阪大会の重要な試合が行われているとは、他の都道府県の人から見れば信じられないのではないか。
芝生(というより、ハッキリ言って雑草)に直に座るとお尻が濡れたりするし、アリが体中を歩き回ったりするので、御座などが必要だ。
球場自体が建物という感じではないので、売店があると言ってもスタンド(とはとても呼べないが)の上の方でパラソルを立てて商売している、いわば露店のようなものだ。
ネット裏から外野方向を望むと、そのすぐ先には大阪の大都会があるはずだが、そんな雰囲気はつゆとも感じさせない。
外野席から見ると内野席の向こう側に太陽の塔が見える。
一応スコアボードだけは、最近の球場と同じように現在は磁気反転式になっている。
万博球場は高校野球だけではなく、かつては関西の大学野球最高峰だった関西六大学野球(現在の組織とは違う)でも使用されていたのだ。
現在では関西学生野球や関西六大学野球などでは使用されておらず、阪神大学野球で使われているのみである。
それでも、関西独立リーグの公式戦で使用されたこともあった。
とてもシニアレベルの試合が行われているとは思えない球場だとはいえ、都会の中にありながら地方球場のような雰囲気が大阪の野球ファンに親しまれている。
その万博球場から中国自動車道を隔てた北側に万博記念競技場(以下、万博競技場)がある。
言うまでもなく、Jリーグのガンバ大阪のホームスタジアムだ。
最寄駅は大阪モノレール彩都線の公園東口駅で、駅の目の前に競技場があるので交通の便は非常にいい。
関係ない話だが、Jリーグは都道府県ではなく都市をホームタウンとするという原則があるので、吹田市がホームタウンになっているガンバ大阪は本来なら「ガンバ吹田」になるはずである。
とはいえガンバ吹田では関西以外の人はどこにあるかわからないだろうし、そもそも「吹田」を読める人が少ない。
チーム名を「ガンバ大阪」としたのはやむを得ぬ措置だったのだろうか。
万博競技場にはもちろんナイター設備はあり、オーロラビジョンも備えているが、収容人員が21,000人と強豪クラブにしては寂しい。
スタンドが狭い割には陸上用のトラックがあるために臨場感に乏しく、また建物自体が古い。
スタンド裏に売店があるがいずれも小規模で、観戦しながら飲食を楽しむという雰囲気はない。
まあ日本の競技場で売店が充実しているのは野球場ぐらいだが、その点を差し引いても万博競技場はJ1チームのホームスタジアムとしてはお粗末だろう。
そのため万博競技場に代わる新しいホームスタジアム建設すべく、万博公園内にあるエキスポランド跡地が新スタジアムの候補地として挙がっている。