国王は中学に入学したときに初めて英語を習ったが、そのときに使われていたのは「ニュー・プリンス(NEW PRINCE)」という教科書だった。
「ニュー・プリンス」で最初に書かれていた事柄は今でもよく憶えている。
登場するのは、日本人でアメリカに家族と一緒に移住したKen Oka(オカ・ケン)という中学一年生の少年で、カリフォルニア州のオークランドでやはり中学一年生のBill Brown(ビル・ブラウン)という少年に出会う。
丘の上で絵を描いていたビルに、ケンは声を掛けた。
Ken: Hellow.My name is Ken Oka.(ケン:こんにちは。私の名前はオカ・ケンです。)
Bill: Hellow.My name is Bill Brown.(ビル:こんにちは。私の名前はビル・ブラウンです。)
(ビルが自分の描いている絵を指差してケンに説明を始め、やがてケンが質問する)
Bill: This is a park.(ビル:これは公園です。)
Ken: Is this a church?(ケン:これは教会ですか?)
Bill: Yes,it is.(ビル:はい、そうです。)
Ken: Is this a church,too?(ケン:これも教会ですか?)
Bill: Yes,it is(ビル:はい、そうです。)
(ビルは丘から見える風景を指差し、建物についての説明を始める)
Bill: That's my school.(ビル:あれは僕の学校です。)
Ken; Is that a school,too?(ケン:あれも学校ですか?)
Bill: Yes,it is.(ビル:はい、そうです。)
Ken: Is it a high school?(ケン:それは高校ですか?)
Bill: Yes,it is.(ビル:はい、そうです。)
Ken: Is that a store?(ケン:あれは商店ですか?)
Bill: No,it isn't.It's a hotel.(いいえ、違います。それはホテルです。)
初対面でどんな会話しとんねん!という感じだが、ケンはまだ英語がおぼつかなかったのかも知れない。
動詞が一切ない会話というのも凄い。
手元にはその教科書はなく記憶のみで書いたのだが、恐らくほぼ間違いはないだろう。
そしてケンには妹がいて、ジュンコ(Junko)という名前だった。
ジュンコはビルや他のアメリカ人から「ジューン(June)」と呼ばれていた。
中学一年の間は英語の教科書を「ニュー・プリンス」で習ってきたが、二年生になって突然教科書が「ニュー・ホライズン(NEW HORIZON)」に変更された。
変更になった理由は未だにわからないが、また一から登場人物を憶えなくてはならなかった。
だが、「ニュー・ホライズン」に登場した人物をほとんど憶えていない。
一人だけ憶えているのが「ジェーン(Jane)」というアメリカ人女学生で、なぜ憶えているかというと、僕のクラスメイトが教科書を朗読しているときに「ジェーン」のことを間違えて「ジューン」と読んでしまい、英語の先生が「死んだヤツの名前を出すな!」と言っていたからである。
よって「ニュー・プリンス」に登場したケンやビル、ジューンのその後は謎に包まれているが、ケンのその後を知っている人はいませんか?
「ニュー・プリンス」を中学三年間使用していたという方は、ぜひ名乗り出てください。
ケンはその後、どう成長したのか?
そしてもうひとつ、「ニュー・ホライズン」でジェーン以外にどんな登場人物がいたか、憶えている人はいませんか?
「ニュー・プリンス」は1年間、「ニュー・ホライズン」は2年間習ったにもかかわらず、「ニュー・ホライズン」についてはほとんど憶えていないのです。
ちなみに「金八シリーズ」では、僕と同年代の「一年B組新八先生」での英語の教科書は「ニュー・プリンス」が使われていた。