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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

花園の採点

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今年(2019年)の秋、日本でラグビー・ワールドカップ(RWC)が開催される。

その会場の一つとなっているのが、高校ラガーマンの聖地と言われる東大阪市花園ラグビー場だ。

花園ラグビー場はRWCに向けて大幅なリニューアルを行い、それが完成した。

総工費は72億6000万円だったという。

筆者は花園ラグビー場での日本代表XV×世界選抜、およびトップリーグカップ戦を観に行ったが、リニューアルされた花園ラグビー場の部門別採点をしてみよう。

5段階評価で、星が多いほど評価が高い。

 

◎外観 ★★★★

まず、大きく様変わりしたのが外観だ。

近鉄奈良線東花園駅を降りて通称スクラムロードを歩いて行くと、花園ラグビー場の南側にあるメイン・ゲートが見えて来る。

そこにあるのは、格子状のデザインとなった花園ラグビー場の外観だ。

シンプルだった改修前と違い、鮮やかなデザインとなっている。

 

改修前の花園ラグビー場メイン・ゲート

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リニューアル後の花園ラグビー場メイン・ゲート

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夜になるとライト・アップされる花園ラグビー場

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やはり夜になると、今までの花園ラグビー場とは雰囲気が一変する。

今回の改修で残念だったのは、屋根がバック・スタンド側に付けられなかったこと。

冬の観戦では、屋根がない方が日当たりがいいという利点もあるのだが、やはり雨が降ってくると屋根があった方がいいということになる。

屋根があっても、バック・スタンドは西日を浴びるので暖かいだろうし、これからはナイト・ゲームが増えることを考えると、バック・スタンドにも屋根を付けて欲しかったところだ。

 

◎ナイター照明 ★★★★

前項でも少し触れたが、今回のリニューアルで花園ラグビー場にもナイター設備が設置された。

つまり、ナイト・ゲームが可能になったということである。

やはり「西の聖地」と呼ばれるぐらいなのだから、ナイター設備は欲しかったところだが、日本では冬に行われることが多かったラグビーでは、ナイト・ゲームがおざなりになっていた。

しかし、RWCが開催されることによってナイター設備が必要となったため、埼玉県の熊谷ラグビー場などと共にナイター照明が付けられたのである。

これにより、9月頃のトップリーグでも、花園ラグビー場でのナイト・ゲーム開催が可能になった。

それまでは、9月頃にラグビーをデー・ゲームで行うのは暑すぎたため、大阪での開催はキンチョウスタジアムなどで代用していたのである。

花園ラグビー場のナイター設備は4基とやや少ないが、メイン・スタンドの屋根部分にも照明があり、特に暗いという感じはなかった。

 

初めてナイト・ゲームが行われる花園ラグビー場

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◎スタンド ★★★

今回のリニューアルで、大きく変わったのがゴール裏のスタンド。

北側の、いかにも花園ラグビー場といった感じの、ゴルフの打球練習場跡はなくなり、スタンドが設置された。

以前は、ラグビーのオフ・シーズンには、花園ラグビー場でゴルフの打ちっ放しができたのだ。

その後はゴルフの打球練習場としては使われなくなったのだが、その名残はずっとあったのである。

本格的なスタンドになったのは結構だが、ゴルフ打球練習場跡は選手とファンとの交流の場だったので、それが今ではグラウンドとスタンドが完全に分断されたのが残念。

 

ゴルフ打球練習場時代の名残がある、以前の花園ラグビー場の北側

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リニューアル後は、ゴルフ打球練習場跡が撤去されて本格的なスタンドとなった

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貧弱だった南側のゴール裏スタンドも、大幅にリニューアルされた。

ちなみに筆者は、世界選抜戦では南側のゴール裏スタンドで観戦した。

ついでに言えば、そこにはアインシュタインの稲田がいたことも付け加えておこう。

南側スタンドの両隅は、以前と同じく立ち見スタンドだが、RWCでは特別に椅子が設置されるらしい。

 

南側のスタンドも大きく綺麗になった

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メイン・スタンドとバック・スタンドの規模は以前と変わらないが、座席はリニューアルされた。

特にバック・スタンドは、以前の長椅子から一人掛けの椅子に変わっている。

とはいえ、椅子にはカップ・ホルダーがなく、非常に不便だ。

せっかくリニューアルしたのだから、カップ・ホルダーは付けて欲しかった。

なお、メイン・スタンドの椅子にはカップ・ホルダーが付いている。

 

◎スコアボード ★★

今回のリニューアルで、最も期待されたのはスコアボードだった。

それまでの花園ラグビー場のスコアボードは、得点と選手名が刻まれているだけで、大型ビジョンがなかったのである。

現在のラグビーではTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)というビデオ判定があり、TMOが行われている間の観客は退屈極まりない。

しかし、大型ビジョンでTMOの映像が流れれば、その時間も退屈せずに済むのだ。

しかも、トライ・シーンなどの名場面も、リプレイ映像で楽しむことができる。

果たして、花園ラグビー場のスコアボードには、大型ビジョンが設置された。

それはそれで結構なことだが、残念ながら試合中はずっと試合の映像が流れているため、選手名がわからないのである(得点は一応、試合映像で示されているのでわかる。おそらくJ-SPORTSの映像だろう)。

高校ラグビーでは今まで通り選手名と得点が示されているようだが、トップリーグテストマッチでは、現在どんな選手が出場しているのかわからない。

スコアボードがあるのは、北側のゴール裏スタンドのみで、南側のゴール裏スタンドにもスコアボードがあれば交互に試合映像と選手名を映し出すことができるのだが、現在の花園ラグビー場ではスコアボードは1つしかないのである。

また、スタンドの角度によっては、スコアボードは見にくい。

簡単に言えば、スコアボードのある北側のゴール裏スタンドに座っている客は、スコアボードを見ることが出来ないのだ。

できればスコアボードは、2つ欲しいところである。

 

大型ビジョンが備え付けらた花園ラグビー場

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◎飲食店 ★

今回のリニューアルで、唯一退化したのが飲食店だ。

花園ラグビー場の特徴として、最も優れていたのが飲食店だった。

野球場では食堂やレストランなどがあるのは当たり前だが、野球場以外の施設では、食堂すらあまりない。

ところが以前の花園ラグビー場には、メイン・スタンドの裏に食券方式の食堂があった。

うどんやラーメン、カレーライスなどの軽食はもちろん、丼物や定食まであったのである。

バック・スタンド裏だって、定食はさすがにないものの、うどんやラーメンなどのメニューがある立ち食い屋があった。

これは、野球場以外では稀有の例であり、花園ラグビー場が最も充実していた部分だったのだ。

しかし、今回のリニューアルで、メイン・スタンド裏の食堂がなくなっていたのである。

第一段階のリニューアルでは、食堂の代わりに屋台村が設置されたのだが、それすらなくなっていた。

バック・スタンドの立ち食い屋も、メニューが大幅に減って、食事と言えるのはうどんのみになっていた。

これを退化と言わずして、何というのだろう。

 

リニューアル前の花園ラグビー場には、メイン・スタンド裏に食券方式の食堂があった

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かつて、食堂があった場所は、現在では関係者以外はオフ・リミットに

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バック・スタンド側で食事らしい食事と言えば、うどんのみ(写真はきつねうどん)

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ただ、一つ進化したと言えるのは、スタンド内に売り子が歩くようになったことだ。

以前の花園ラグビー場では、売り子の姿がなかった。

これはリニューアルとは関係ないのだが、売り子が歩くようになったおかげで、席を立って飲食物を買いに行く手間は省けるようになったのである。

また、缶ビールではなく生ビールを味わえるようになった。

 

生ビールを売り歩く売り子

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ミュージアム ★★★★

花園ラグビー場の特徴として、もう一つ挙げられるのがミュージアムの存在だ。

日本のラグビー場には、不思議なことにミュージアムが存在しない。

僕が知る限り、日本のラグビー専用場にミュージアムがあるのは花園ラグビー場だけだ(他にあったらスンマヘン)。

歴史を伝えるのに、ミュージアムは実に貴重な存在なのに、実にもったいない話である。

花園ラグビー場には、以前からミュージアムはあったが、今回のリニューアルで場所が移転した。

南側のメイン・ゲートから入ってすぐの所で、位置的にはさほど変わっていないものの、ミュージアム自体は新しくなっている。

しかも、映像によるVR体験もできるようになった。

入館料は無料で、ラグビー開催時以外でも水曜日の昼間なら入館できる。

ただし、2019年3月31日を最後に、RWCのリニューアル工事のために入館できなくなるのでご注意を。

 

新しくなった花園ラグビー場ミュージアム

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今年、花園ラグビー場で試合が見られるのは、RWCが最初となる。

日本でRWCが開催されるのは、これが最初で最後となるかも知れない。

何とかチケットをゲットして、花園ラグビー場へ行ってはいかが?

川田利明が乃木坂46に、ラーメン屋転向の秘密を暴露!

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川田利明がフジテレビ「私の働き方〜乃木坂46のダブルワーク体験!〜」に出演した。

全日本プロレス四天王の川田がなぜ、ラーメン屋に転向せざるを得なかったのか!?

週刊ファイトにエッセイを書きました。
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ブル中野が「クイズ!脳ベルSHOW」で極悪殺法炸裂!?

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ブル中野がBSフジ「クイズ!脳ベルSHOW」に出演、週間チャンピオン大会の進出を目指す。

しかしブル中野は珍解答を連発、しかも極悪同盟時代の愚痴まで語る!?

 

週刊ファイトにエッセイを書きました。
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渕正信がクイズ王と結婚の二冠をゲット!?

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渕正信がBSフジ「クイズ!脳ベルSHOW」に出演、週間チャンピオン大会に進出した。

クイズ王を目指す64歳独身の渕、しかしクイズそっちのけで女子アナと「おしん女優」を口説く!?

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力道山の息子と孫がタッグ!

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新年早々、力道山の息子である百田光雄と、その息子である力(ちから)がタッグを組んだ。

かつて「6時半の男(いつも前座の第1試合に登場するため)」と呼ばれた百田光雄は、御年70歳!

 

週刊ファイトにエッセイを書きました。
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ライスボウル不要論

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2013年度の甲子園ボウル日本大学×関西学院大学

 

正月スポーツもたけなわである。

箱根駅伝では5連覇を狙った青山学院大学が2位に終わり、大学ラグビーでは帝京大学天理大学に準決勝で敗れて10連覇の大偉業は叶わなかった。

高校ラグビーでは決勝が大阪桐蔭×桐蔭学園という「桐蔭対決」となったのだ(両校に姉妹校などの関係は全くない)。

 

そんな中で、アメリカン・フットボールの日本選手権であるライスボウルが1月3日に東京ドームで行われ、社会人王者の富士通が大学王者の関西学院大学を52-17の大差で破り、ライスボウル3連覇を果たした。

これで、ライスボウルでは社会人王者の10連覇となったのである。

 

そして、「出るぞ、出るぞ」と思われていた議論が、やはり出てきた。

それが「ライスボウル不要論」である。

しかも今回は、アメフト・ライターが提言したのではなく、当事者である関学大の鳥内秀晃監督から、ライスボウルをやる意義に対する疑問が呈されたのだ。

 

今年のライスボウルでの関学大では、6人もの負傷者が出た。

社会人チームは熟練された選手が揃っているうえ、外国人選手もいる。

一方の大学チームは、1年生など去年まで高校生だった選手も含まれているのだ。

弱冠19歳の将来ある選手が、体の大きい外国人選手に潰されるのは見るに忍びない、というわけである。

 

たしかに、大学王者が社会人(あるいはプロなどシニア・チーム)王者との一騎打ちで日本一を決める競技は少なくなった。

プロ野球日本一のチームと、大学選手権優勝チームを闘わせて真の日本一を決めろ、なんて意見は皆無だろう。

サッカーでは天皇杯でJリーグのチームと大学チームが闘うこともあるが、上位進出は大抵J1のチームだ(それでも、2003年度の天皇杯では、J1王者の横浜F・マリノス市立船橋高校にPK戦まで追い込まれた、なんてこともあったが)。

社会人王者と大学王者の一騎打ちと言えばラグビーが有名だったが、両者の差が大きくなり過ぎてしまい一騎打ち方式をやめたものの、大学では無敵だった連覇中の帝京大ですらトップリーグ上位チームには歯が立たず、現在ではトップリーグのチームと大学チームの試合は行われていない。

 

ただ、アメフトの場合は今年こそ大差がついたとはいえ、大学王者が全く歯が立たない、というわけではなかった。

たとえば3年前のライスボウルパナソニック×立命館大学では、22-19という接戦だった。

しかも、この試合ではパナソニックの反則が見逃されたのだが、この反則見逃しがなければ立命大が勝っていたかも知れない、と言われている。

 

そもそも、ライスボウルが始まったのは1984年と、意外にも歴史は浅い。

正確に言えば、ライスボウル自体はもっと前からあったのだが、そのときは東西学生オールスター戦だった。

つまり、日本のアメフトは大学が中心で、社会人のアメフトは盛んではなかったのである。

しかし、社会人チームも力を付けてきたので、1984年からライスボウルは日本選手権となって、社会人王者×大学王者の一騎打ちで日本一強いチームを決めよう、ということになった。

だが、当初は大学王者の方が圧倒的に強く、最初の8年間は大学王者の7勝1敗。

大学チームは毎日のように練習するが、社会人チームは仕事との兼ね合いで週3回ぐらいしか練習ができず、練習量が全く違っていたのである。

しかも、その頃は大学を卒業するとアメフトからも足を洗う選手が多く、社会人チームも思うように強化できなかった。

 

しかし、企業もアメフトに力を入れるようになり、有望選手をスカウトして、さらに大学を卒業してもアメフトを続ける選手が増えたため、社会人のレベルが上昇した。

そして、社会人と大学の力関係が逆転し、現在のライスボウルでは社会人が10連覇するようになったのである。

 

さらに、社会人チームは外国人選手を積極的に採用するようになった。

外国人選手、と言っても主にアメリカ人選手だが、その存在が社会人と大学との実力差に拍車をかけたのである。

ちなみにXリーグ(アメフトの社会人リーグ)の規定では、外国人選手の扱いは以下のようになっている。

 

NFLを含むプロ経験のある外国人選手は採用してはならない

②登録できる外国人選手は4名まで、同時に出場できる外国人選手は2名まで

 

つまり、Xリーグにいる外国人選手は、NFLでプレーしたことのない選手ばかりということだ。

さらに、同時に出場できる外国人選手が2名までということは、オフェンスの11人の中で外国人選手は2名、ディフェンスの11人の中で外国人選手は2名のみということである。

要するに、フィールドに立っている外国人選手は2/11で、約18%しか外国人選手はいないというわけだ。

 

たとえば、プロ野球(NPB)における外国人選手の扱いは、支配下登録選手に関しては制限がなく、出場選手登録(一軍枠)の外国人は29名中(ベンチ入りは25名)4名までとなっている。

ただし、4名全員が投手とか、あるいは4名全員が野手という登録はできない。

仮に、1名の外国人選手が先発投手で、3名が野手だとしたら、ラインアップに3名の外国人選手という強力打線が組めるうえ、先発投手は外国人なのだから、DH制のないセントラル・リーグだったらスターティング・メンバーの9名中4名が外国人選手となる。

パーセンテージで言えば4/9、約44%が外国人選手というわけだ。

 

それに比べると、Xリーグの外国人枠は大したことはないと思える。

しかも、Xリーグでプレーする外国人選手は、NFLの経験がないのだ。

メジャー・リーガーの外国人選手の登録が可能なプロ野球よりも、Xリーグにおける外国人選手の影響は少ないように見えるかも知れない。

 

しかし、現実にはXリーグの外国人選手の存在感は、年々増しているのだ。

オフェンスで言えば、チーム力のほとんどが決まると言われる司令塔のクォーターバック(QB)と、ポイント・ゲッターのランニングバック(RB)に外国人選手を配置しておけば、まず間違いなく好成績を残せるというわけである。

ディフェンスでも、体の大きい外国人選手が相手QBをタックルで潰すと、試合を有利に運ぶことができる。

 

ただ、外国人選手に頼る安易なチーム編成が、悪影響を及ぼしていることも見逃せない。

QBは手っ取り早く外国人選手を起用するため、日本人QBが育たないという弊害である。

パスやラン、司令塔としての状況判断などは日本人QBも決してXリーグの外国人選手には劣っていないものの、日本人QBは体が小さいため、どうしても体の強さを含めた総合力で外国人QBを起用してしまうのだ。

そのため、大学時代は名QBだった選手も、社会人では外国人選手にポジションを奪われてしまう。

日本アメフトのレベルアップに貢献している外国人選手も、そのために日本人選手が育たなければ本末転倒だ。

日本のチームの中に、外国人選手がいるということは、普段からレベルの高い相手との闘いを経験できるので、非常に有意義なことであろう。

しかし、これは両刃の剣になりかねないので、悩ましい課題でもある。

個人的には、外国人選手が日本でプレーするのは大いに結構なことだと思っているし、問題はどうやってそれを活かすかだ。 

 

取り合えず、契約の問題で今後2年間は大学王者×社会人王者という形のライスボウルになるという。

そこで、検討されているのは、外国人選手の出場を制限する案だ。

だが、これはやるべきではない、と思う。

外国人選手も、チームのために1年間プレーしてきたのだし、学生が相手だからと言って外国人という理由だけで出場を制限されるのはスポーツを冒涜する行為だ。

オジサンのゴルフじゃあるまいし、そんなハンディを付けて学生が日本一となっても誇れるものではないし、何よりも外国人差別にもなる。

それこそ「ライスボウル不要」だ。

したがって、契約がある以上は、現行のルールでライスボウルを行うしかない。

 

そこで、今後2年間は仕方がないとしても、それ以降のライスボウルについて考えてみた。

前述したように、元々のライスボウルは日本選手権ではなかったのだし、大学王者×社会人王者という形式に拘る必要はない。

以下が、そのいくつかのライスボウル改革案である。

 

①Xリーグの3カンファレンス1位チームと、甲子園ボウル優勝チーム(大学王者)の計4チームが日本選手権としてトーナメントを行い、決勝戦ライスボウルとする。

メリット……試合数を増やすことができるのでレベルアップが図れ、大学王者にも日本一のチャンスが残されている。

デメリット……結局、大学チームが社会人チームと闘うという危険な面が残る。さらに、ジャパンXボウルが消滅する。

 

②ジャパンXボウルの優勝チームと、学生オールスター・チームライスボウルで対戦する。

メリット……学生のオールスターチームなら、単独チームに比べて体格差のハンディもさほど気にならず、また大学生選手がレベルの高い社会人チームと試合する経験ができる。

デメリット……大学チームが日本一になるチャンスが失われてしまう。また、このライスボウルが注目される試合になるのかどうかわからない。

 

Xリーグと大学生による全日本チームを結成し、アメリカから実力に見合う大学チームを招いて、ライスボウルで闘う。

メリット……世界選手権で結成される日本代表チームでもいいが、あえて日本でプレーする外国人選手も混ぜた全日本チームを結成して本場のアメフトとの対戦を経験することによって、拮抗したゲームでのレベルアップにも期待できる。

デメリット……②と同じく、大学チームが日本一になるチャンスが失われてしまう。

 

個人的にやって欲しいのが、③の全日本×アメリカ大学という対戦だ。

メリットの項でも書いたように、日本代表でもいいのだが、あえて外国人選手も含めた全日本チームで本場のアメリカの大学チームに挑むということである。

ラグビーで言えば、南半球のスーパーラグビーに参加するサンウルブズ(日本でプレーする外国人選手を含めた、日本のチーム)のようなイメージだ。

もちろん、外国人選手の出場制限はなし。

日本まで来てXリーグでプレーする外国人選手は、思わぬ意地を見せて凄いプレーを見せるかも知れない。

また、アメフトは選手交代が自由なので、外国人選手に代わって有望な日本人QBやRBなどの選手を投入して、本場のアメフトを体験させることも可能なのだ。

ワンサイド・ゲームになると、あまり試合をやる意味はないが、外国人選手の力を借りて接戦になれば、試合経験が大いに活きる。

 

アメフトにも4年に1度、世界選手権があり(以前はワールドカップという名称だった)、日本代表は第1回大会および第2回大会で優勝、2連覇を果たした。

しかし、この第1回大会と第2回大会には、本場のアメリカ代表が出場していなかったのである。

ところが、第3回大会からはアメリカ代表チームが参加し、たちまち第5回大会まで3連覇を果たしてしまった。

しかも、このアメリカ代表チームとは、アメリカ最強のチームではない。

ローズボウルシュガーボウルなど、アメリカの大学の主要なボウル・ゲームに出場するような大学チームではなく、中堅どころの大学生によって結成されたチームだったのである。

それこそ、NFLのドラフトには指名されないような選手ばかりだ。

それでも、日本代表はアメリカ代表に全く歯が立たなかった。

Xリーグでプレーするアメリカ人選手は、NFLには入れなかったものの、それに迫る実力を持った選手たちである。

そんな外国人選手含めた全日本チームが、アメリカの大学チームと対戦すると、かなりの好ゲームが期待できると思うのだ。

しかも、現在の日本人はナショナリズムを強く求めるため、日本チームと外国チームとの対戦を欲している。

そこで、ライスボウルが注目されるかも知れない。

 

ローズボウルシュガーボウル、あるいはオレンジボウルおよびコットンボウルのように、アメリカの大学でのボウル・ゲームは地元の特産品によって名付けられている。

「ボウル」とは競技場のことで、スタジアムをお椀に見立てているわけだ。

ライスボウルは言うまでもなく、日本の特産品である米に因んだ名称で、行われていたスタジアムもお椀のような国立競技場。

ライスボウルが始まったのは戦後間もない1948年のことで、そのときは前述した通り学生オールスター戦だった。

時代は下り、1984年から日本選手権として大学王者×社会人王者となってからも、ライスボウルは国立競技場で行われていたが、1992年から天候に左右されない東京ドームで開催されている。

 

大学王者×社会人王者という形式は変えても、ライスボウルという名称は残すべきだし、日本アメフト界にとって象徴的なボウル・ゲームであり続けるべきだろう。

 

1993年に行われたアイビーボウルでのオール日本大学×ウィリアム&メアリー大学。最近、こういう形での日米対抗のアメフト試合はなくなった

www.youtube.com

 

1985年、関西学院大学×南オレゴン州立大学

www.youtube.com

 

 

南海天王寺支線の想い出

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南海電気鉄道と言えば関西五大大手私鉄の一つだ。

南海電鉄は大阪ミナミの繁華街の中心地である難波駅を起点とし、そこから南下して海沿いを走り和歌山市まで行く南海線と、大阪南東部の住宅街を通って和歌山県高野山へ通じる高野線という、二大路線がある。

元々は南海線高野線は別会社で、合併されて現在の南海電鉄になったわけだが、高野線の正式の起点は難波駅ではなく汐見橋駅だった。

しかし、合併により高野線も、より便利な難波駅に乗り入れることになり、難波駅高野線にとって事実上の起点となった。

よって、汐見橋駅から高野山方面への直通列車はなくなり、汐見橋駅と岸ノ里駅(現:岸里玉出駅)間の短い区間だけを往復するだけの路線となって、高野線とは隔離されて汐見橋線と呼ばれるようになる。

 

南海線高野線の起点となった難波駅。駅の規模は阪急・梅田駅に次ぐ日本第2位

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南海高野線の正式な起点である汐見橋駅。とても大阪市内のターミナル駅とは思えない

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南海電鉄難波駅にターミナル機能を集中させたのだが、実は難波駅汐見橋駅以外にも、ターミナル駅となっていた駅が南海電鉄にはあった。

それが天王寺駅である。

 

天王寺駅と言えば、JR(旧・国鉄)の大阪環状線阪和線関西本線大和路線)はもちろん、地下鉄の御堂筋線および谷町線が乗り入れ、さらに近鉄南大阪線ターミナル駅(駅名は大阪阿部野橋駅)や阪堺電軌上町線天王寺駅前駅まである、大阪の南の玄関口だ。

その天王寺駅南海電鉄も乗り入れていたのである。

 

路線名は天王寺支線

区間としては、天下茶屋駅から天王寺駅まで折り返し運転をしていた。

その距離は、僅か2.4km。

つまり、路線としては汐見橋線と同じく、大阪市内を走るローカル線である。

 

赤い線の部分、僅か2.4kmが天王寺支線だった。

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南海電鉄としては、天王寺駅に乗り入れることは国鉄と接続できるということでメリットがあったのだが、1966年に新今宮駅国鉄大阪環状線との乗換駅となったことにより、南海の天王寺支線の客が激減した。

つまり、天王寺支線は南海電鉄にとって、お荷物路線に成り下がったのである。

 

筆者は子供の頃、南海高野線の沿線に住んでいた。

最寄り駅は金剛駅で、区間急行に乗れば約30分で難波駅に着く(現在の金剛駅は、特急を含む全列車停車駅だが、筆者が住んでいた頃は急行以上の列車は通過していた)。

大阪市内へ出るには、南海電車に乗って難波へ行く、それ以外の方法はなかったのだ。

 

筆者が幼稚園児の頃、天王寺動物園への遠足があった。

保護者同伴で電車に乗り込むのだが、その遠足に母親が付いてきたのを覚えている。

金剛駅からいつものように南海電車に乗り込んだ。

 

南海電車の車窓には、いつもと変わらぬお馴染みの風景が流れていた。

しかし、途中から見慣れない景色に変わっていく。

あれ、どこへ行くの?幼稚園児の筆者は思った。

そして、いつもは難波駅へ着くはずなのに、変な駅に停車したのだった。

今から思えば、その停車した駅こそ南海の天王寺駅だったのである。

 

その遠足列車は貸し切りだった。

そのため、普通の南海高野線なら金剛駅から難波駅へ行くはずが、天下茶屋駅で進路を変え、天王寺駅に着いたのである。

 

紫色の路線が、金剛駅から天王寺駅まで行った貸し切りの臨時直通列車

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動物園での遠足が終わった後は、自由行動となった。

そこで、筆者は母親と、家族ぐるみの付き合いがあったご近所さんと一緒に、阿倍野にある近鉄百貨店で買い物をして帰ったのを覚えている。

それまで筆者は、百貨店と言えば難波にある高島屋か、あるいは心斎橋の大丸およびそごうしか行ったことがなかったのだが、初めて近鉄百貨店というデパートがあるのを知った。

結局、この遠足で覚えているのは天王寺支線の風景と近鉄百貨店だけで、肝心の動物は全く記憶に残っていないのである。

 

それから時代は下って高校生の頃、南海高野線堺東駅の近くにあるホールで、映画鑑賞会があった。

映画が終わった後は自由行動だったので、天下茶屋駅へ行って天王寺支線に乗ろう、と思った。

幼稚園の時は直通で天王寺支線に乗ったが、一般のダイヤで天王寺支線に乗ったことはなかったからである。

そのときの筆者は近鉄南大阪線の沿線に引っ越していたので(正確には近鉄長野線)、南海の天王寺駅から近鉄大阪阿部野橋駅に乗り換えたら、楽に帰宅できるのではないか、と思ったのだ。

しかも、天王寺支線に乗れるのだから、一石二鳥である。

 

喜び勇んで堺東駅から南海電車に乗り、天下茶屋駅で降りた。

ところが、そこには信じられない看板が立っていた。

 

天王寺支線の天下茶屋駅から今池町駅間は廃止になりました」

 

ええ?どういうこと!?

実は、天下茶屋駅の高架工事により、天王寺支線の天下茶屋駅から今池町駅の間は、廃線になったのである。

廃線になったのは、1984年11月18日。

筆者が映画に行ったのは同年12月だったので、僅か1ヵ月差で天王寺支線に乗るチャンスを失ったのである。

 

天王寺支線の需要は、目に見えて減っていた。

地下鉄堺筋線天下茶屋まで伸びたことにより、天王寺支線の存在意義は薄れていったのである。

そして1993年4月1日、天王寺支線はその役割を終え、全線廃止となった。

まだ物心がつくか付かないかの幼稚園時ではなく、成人した状態で、臨時列車ではない正式路線の天王寺支線を乗ってみたかった。

 

在りし日の南海天王寺支線。国鉄と直通していた「きのくに号」の姿も見える

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