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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

”故意落球”について亜細亜大学の主張

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(写真と本文は関係ありません)

 

5月30日、明治神宮球場で行われた東都大学野球東洋大学×亜細亜大学で、以下のようなプレーがあった。

6回裏、東洋大の攻撃で無死一、二塁、ここで一番の竹原祐太はセンターへ飛球を放った。

亜大の中堅手・赤嶺謙は飛球をわざと落球、二塁手へ転送した。

浅いフライだったため2人の走者は塁をほとんど離れず、亜大の二塁手・安食幹太は二塁走者にタッチ、さらに二塁ベースを踏んでダブルプレーをアピールした。

しかし、審判の判定は完全捕球で、アウトは一つしか認められなかった。

この判定に亜大の生田勉監督は猛抗議したが判定は覆らず、結局は0-1で亜大は敗れた。

 

試合後、亜大の生田監督は、

「こっちはルールブックを勉強して、外野手には故意落球がないことを分かっている。その上で、故意落球しろ、という練習を普段からやっている。優勝がかかった試合で、あのジャッジは納得ができない」

と怒りを露わにした。

 

◎故意落球とは?

このプレーに関し、ネット上でも、

「ルール違反ではないのに、何が悪い!?」

という意見が多かったので驚いた。

何よりも、名門・亜大の監督が、こんな考え方で野球を選手に教えていたなんて、非常に残念である。

 

生田監督が言うように、外野手には故意落球は適用されない。

ちなみに、故意落球とは無死もしくは一死の状態で走者が一塁にいるときに、打者が飛球を放った場合、内野手がわざと落球してダブルプレーを狙う行為をいう。

この場合、落球とは判定されずに飛球を捕球したとして打者はアウトになり、ボールデッドとなって走者は元の塁に戻される。

つまり、わざと落球してダブルプレーを狙うという卑怯な手を防ぐために生まれたルールだ。

外野フライの場合は、わざと落球しても走者は進塁できるだろうという想定のもとで、故意落球は適用されない。

しかし、今回のように浅い外野フライの場合は、わざと落球することによってダブルプレーが生まれるケースもある。

 

だからといって、外野手にまで故意落球の適用を認めるようになると、適用範囲が非常に複雑になってしまう。

ルールでは外野手の故意落球が適用されないからと言って、こんなプレーが横行すると、ますます余計な規則が生まれ、野球が無駄にわかりにくくなってしまうのだ。

 

◎何のためのルール勉強か?

生田監督は「ルールの勉強をしている」と言ったが、それは非常に良いことだ。

野球のルールを知らない野球人が、プロでもいかに多いことか。

プロの監督が審判に抗議をするが、ルールを知らないからトンチンカンなことで文句を言っている。

テレビ解説者もルールを知らないので「審判のミスですねえ」などとしたり顔で言う。

審判の方が遥かにルールには詳しいのに。

 

その点で言えば、ルールを勉強している生田監督は立派なものだが、問題は勉強の仕方だ。

生田監督がルール勉強をしているのは「ルールの抜け穴」を探すためである。

これではブラック企業や悪徳政治家、あるいは反社会勢力(ヤ●ザなど)と全く同じではないか。

 

ルールを勉強するということは、野球について正しい知識を得るということである。

しかし、生田監督がやっているのは、それと正反対のことだ。

野球の本質を捻じ曲げ「ルール内だからいいだろ」などと平気でのたまう。

しかも、こういう間違った野球を、未来ある学生に教えているというのだから恐ろしい。

 

生田監督は、なぜ「故意落球」というルールが野球にあるのか、考えたことがあるのか。

当然、わざとダブルプレーを取るという、汚いプレーを防ぐためである。

ところが、そのルールを逆手にとって、さらに汚いプレーを教え込もうとしているのだ。

さらに問題なのが、こんな野球とかけ離れたプレーを「頭脳プレー」などと持ち上げるファンや、あるいは野球関係者までいるということである。

要するに、生田監督や、こんなプレーを「ルール内なのに何が悪い」などという人は、野球の本質を知らないのだ。

 

かつて、高校野球の名審判と言われた故・西大立目永さんは、ある県の研修会に呼ばれたとき、ある監督からボークの基準について質問されたそうだ。

「こういう投手の動きはボークになるのか?あるいは、この動きだったら、ルールブックを読むとボークではないでしょう」

などと、その監督はしつこく質問する。

「いや、それもボークです」

と西大立目さんは毅然として答えると、その監督は、

「これがボークになると、走者を騙せない」

と言ったそうだ。

ところが、西大立目さんはピシャリと言った。

「そんなことばかり気にしているから、お宅の県はいつまで経っても甲子園で勝てないんです!」

 

走者を騙そうとするのがボーク、それが野球の基本だ。

それを、

「これがボークだと、走者を騙せない」

では、本末転倒である。

野球の本質を知らず、ルールの抜け穴ばかり探すから、肝心の野球の実力は身に付かない。

 

◎「日本野球にインフィールド・フライは不要」

野球ファンの誰もが知っている、中馬庚(ちゅうまん・かなえ)という人物がいる。

明治時代、「baseball」という英語を「野球」と和訳した人だ。

野球という米国産スポーツを日本に広めた大功労者である。

 

その中馬庚が、こう言い放ったことがある。

「日本野球に、インフィールド・フライなどというルールは不要だ」

と。

 

インフィールド・フライは、故意落球と似たルールである。

違うのは、インフィールド・フライが適用されるのは無死または一死で走者が一、二塁もしくは満塁のときにのみ適用される点だ。

この状態のとき、打者が高い内野フライを放つと、審判は「インフィールド・フライ」を宣告する(ファウルになった場合は無効)。

そうすると、打者は自動的にアウトとなって、わざと落としてのダブルプレーを防ぐというルールである。

故意落球ともうひとつ違う点は、インフィールド・フライではインプレーとなることだ。

故意落球の場合はボールデッドとなるが、インフィールド・フライの場合の走者はアウトを賭して走っても構わない。

 

共通しているのは、卑怯なダブルプレーを防ぐという目的だが、中馬庚はこのルールを「日本野球には必要ない」と断言した。

要するに、そんな汚いプレーをする日本人などいない、ということである。

そうでなくても、日本に輸入された頃のベースボールは「米国人が行う、巾着切りのようなもの」などと揶揄された。

そこで中馬庚は野球に単なる勝ち負けではなく精神性を求め、フェアプレーを説いたのだ。

ルールでわざわざ縛らなくても、卑怯な真似をして併殺を取ろうとする者など日本にはいない、と。

もし中馬庚が生田監督の指導方針を知ったら、草葉の陰で泣いたことだろう。

 

◎無意味な”故意落球”の練習

生田監督の「ルールの抜け穴を探すためのルール勉強」も呆れるが、もっと呆れるのが「故意落球しろ、という練習を普段からやっている」ということだ。

こんなバカげた練習を真剣に取り組んでいたなんて、バカバカしさを通り越して可愛さ百倍である。

 

たしかに、この試合の状況で、仮に”外野手の故意落球”によるダブルプレーが完成していれば、いかに汚い作戦とは言え成功と言えるだろう。

しかし、こんな場面が何試合あるというのか。

こんなシチュエーションは、滅多にないだろう。

そんな滅多に起きないことを想定して、貴重な練習時間を割いていたのである。

 

こんな下らない練習をやる時間があるのなら、野球にはもっと鍛えなければならないことがいくらでもあるはずだ。

ボールをわざと落とす練習をするぐらいなら、ボールを絶対に落とさない練習をした方が遥かにいい。

そもそも、故意落球の練習をして、ボールを落とす癖でも付いたらどうするのか。

 

しかも、このバカバカしい練習をしているのは、将来ある大学生である。

こんな故意落球が、その後の野球人生で活かされることは、まずない。

「アイツは外野手なのに故意落球が上手いな。よし、アイツをレギュラーにしよう」

などと言う監督が、プロ野球や社会人野球に1人でもいるというのか。

今後の野球人生で最も必要となるのは、野球の実力である。

故意落球などというセコイ技が、よりレベルの高い野球で評価されるはずがない。

それならば、野球の実力を高める練習をやらせておく方が、学生にとってはずっと必要だ。

早い話、故意落球の練習など百害あって一利なし、全くの時間の無駄である。

 

最近では日本大学アメリカン・フットボール部の選手による悪質タックルが社会問題にまで発展しており、この故意落球は相手を怪我させるプレーではないし一応はルール違反でもないのだからまだマシだが、根っこにあるものは同じである。

要するに「勝つためには何でもやる、勝ちゃあええ」という考え方だ。

最近では「ルールさえ守れば何をやっても構わない」と考える輩が多すぎる。

 

こういう指導は、学生の将来にとって役に立たないばかりか害になるばかりである。

さすがに悪質タックルを称賛する人はいないが、この無意味な故意落球を容認する人は、野球のみならずスポーツの本質がわかっていないのである。

三沢光晴が亡くなって早や9年……

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2009年6月13日、三沢光晴リング禍により亡くなった。

日大の危険タックル問題はもとより、スポーツの安全性が叫ばれる昨今、プロレス界は安全対策にどう取り組めばいいのか?

 

週刊ファイトにコラムを書きました。
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[ファイトクラブ]三沢光晴へのレクイエム。二度とリング上での悲劇を起こさないように – 週刊ファイト

 

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長州力の新番組

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BSフジで始まった長州力冠番組<金曜+1>『次課・長州の力旅』。

普通は誰も気付かない謎を、長州力次長課長が街を歩いて究明に挑む!

 

週刊ファイトにエッセイを書きました。
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長州力の冠番組がスタート! BSフジ『次課・長州の力旅』 – 週刊ファイト

日大の反則タックル問題と、猪木の失神事件

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連日ワイドショーを賑わせている日大反則タックル問題、実は日大だけではなくマスコミも隠蔽しようとしていた!

猪木の失神事件当時、インターネット社会だったらプロレスは市民権を得ていたかも?

週刊ファイトにコラムを書きました。
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[ファイトクラブ]アントニオ猪木失神事件と、日大アメフト部に関するマスコミ報道 – 週刊ファイト

日大アメフト問題、ネット社会の功罪

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2013年の甲子園ボウル関西学院大学(青)×日本大学(赤)の試合終了後に、お互いの健闘を称え合う両雄

 

5月6日に行われたアメリカン・フットボールの定期戦、日本大学×関西学院大学の試合で、日大の選手が悪質な反則タックルで関学大クォーターバック(QB)の選手を負傷に追い込んだことはご存じだろう。

ネタランでは、テレビ・メディアが報じる前に、そのことに関して言及した。

aigawa2007.hatenablog.com

 

現在では誰もが知っている社会問題に発展したが、ほとんどの人と同じ感想を筆者も感じているので、ここでは多く語るまい。

ただし、18日の時点での現況には少し触れてみよう。

 

17日に関学大側が記者会見を行い、日大の回答書に関して「誠意がない」と不満を表明。

一方の日大側は、内田正人監督などが、関学大の負傷したQBの選手に直接、謝罪をすると表明したが、いつになるのかは未定だという。

この悪質な反則タックルが起きて2週間近くも経つのに、まだ謝罪をしていないというのは、誠意がないと言われても仕方のないことだ。

 

しかも、関学大側の回答要求に対し、日大側は「反則タックルを指示した事実はなく、選手が指示を誤解して行った行為」と回答していたのだ。

つまり、内田監督に責任はなく、誤解して反則タックルした選手に責任があると言わんばかりの回答だった。

試合直後のインタビューで、内田監督は、

「やらせた私の責任」

とコメントしていたのにもかかわらず、である。

内田監督は口先ばかりで、我が子も同然とも言える選手を守ろうとはしなかった。

というより、我が身の保身に走ったのだ。

 

まるでヤ●ザの親分が、下っ端の組員に対し、

「(敵方の親分の)タマ取ってこい!ムショから帰ったら、お前は幹部やぞ!」

と言っているようなものだ。

で、警察からのガサ入れが入ると、

「いやあ、組員が勝手にやりおったんですわ」

と、全て下っ端組員の責任にしてしまう。

 

こんなことは暴力団に限らずよくあることで、政治の世界でもいくら不祥事を追及されようが、大臣は「それは秘書が勝手にやった」「官僚の責任」と言っているではないか。

会社でも、不祥事が起これば「社員が勝手にやったこと」「私の指示を社員が誤解した」と社長以下取締役は一切責任を取ろうとしない。

悲しいかな、日大アメフト部は日本社会の縮図である。

 

記者会見を行った関学大の鳥内秀晃監督は、

「指示通りではなかったのなら、なぜ最初の反則タックルでベンチに下げて注意しなかったのか」

と語った。

当然の疑問である。

 

さらに関学大の鳥内監督は、

「反則タックルを行った選手は、昨年度の甲子園ボウルではルール内でのタックルに終始していたし、今回の試合でも当該選手以外の選手は反則タックルは行っていなかった」

と語り、反則タックルを行った当該選手に対して、内田監督をはじめとする日大のコーチ陣に何らかの指示があったのではないか、と疑問を呈した。

 

現在のところ、日大側の記者会見は行われていないし、内田監督は公的に姿を現していない。

事件が起きて2週間近く経つのに、不誠実と言われても仕方がないだろう。

内田監督は「忙しいから」という理由で公的な場に姿を見せないらしいが、こんな重大な事が起きて、それ以上に「忙しい」という理由があるのか。

 

どんな仕事を抱えていようが、まずは全てをキャンセルして、負傷した関学大の選手の元へ行って謝罪するのが筋だろう。

もし内田監督が「忙しい」という理由で謝罪に行けないというのならば、その理由は「身内の不幸」以外にはないはずだ。

しかし、2週間近くも内田監督は謝罪には行っていない。

2週間近くも「身内の不幸」が続いたのだろうか。

 

ここまでは、誰もが思う疑問だろう。

あとはテレビ・メディアが報じてくれると思うので、そちらに任せるとしよう。

今回、ネタランで語りたいのはネット社会の功罪である。

 

◎頭の悪いネット民による誹謗中傷

日大の選手による悪質タックルがテレビのワイドショーなどで報じられて、インターネットによる誹謗中傷が過熱した。

 

「内田監督は死ね!」

「日大の××(悪質タックルを行った選手の本名)は永久追放!」

「日大アメフト部は即刻廃部!」

「日大はサイテーの大学!」

 

と言いたい放題である。

論理的な意見もなく、個人に対して「死ね!」と言ったり、感情に任せた誹謗中傷はあまりにもレベルが低いが、それでもこれらの意見がネット上ではまだマシだというのが、インターネットの寒いところだ。

 

「日大ラグビーは最悪!」

日体大アメフト部は謝罪しろ!」

日体大ラグビーは解散!」

 

と、事実誤認も甚だしいことがネット上では書き込まれているのである。

今回、問題になっているのは「日大アメフト部」であって、「日体大」も「ラグビー部」も全く関係ない。

ましてや「日体大ラグビー部」なんて、ダブルで無関係である。

 

これら、頭の悪いネット民は「アメリカン・フットボール」と「ラグビー」の区別もつかないらしい。

ましてや「日本大学(日大)」と「日本体育大学日体大)」は全く別の大学だということを、ご存知ないようである。

そして「日大アメフト部」と「日体大ラグビー部」の違いがわからないとは、何をかいわんや。

しかも残念なことに、頭の悪いネット民は、自分が「頭が悪い」とは自覚していないのだ。

それどころか「自分は頭がいい」と甚だしく過信しているのである。

おそらくこの人は、誰からも相手にされていない人物に違いない。

しかも、この頭の悪い連中の意見を真に受けて、ネット上で誤った情報を拡散する連中もいるのだ。

 

インターネットの普及により、誰もが意見を言える世の中になったのは良いことだと思う。

しかしその反面、頭の悪い連中がインターネットで間違った意見を吹聴し、拡散されていくことは果たしていいことなのか。

さらに、そんなデタラメな情報を鵜呑みにし、まるで真実のように拡散される。

しかも、頭の悪い連中は、真実よりも感情的な意見の方が支持されるので、誤った情報が流布されるのだ。

 

インターネットが普及して20年近く経つが、ネット民のレベルは非常に劣化した。

感情的にウソの情報を流す頭の悪いネット民に、そんなウソの情報を鵜呑みにする頭の悪いネット民。

自分の意見を言いたいのなら、少しは自分のオツムを鍛えてもらいたいところだ。

 

◎インターネットのおかげで、今回の事件が明るみになった

現在のネット社会に苦言を呈したが、むしろインターネットのおかげでより良い社会になりつつあることも忘れてはなるまい。

今回の悪質タックルだって、インターネットがなければ闇に葬り去られるところだった。

 

今回の試合が行われたのは5月6日。

しかし、いくら名門同士の試合だからと言って、定期戦に過ぎないアメフトの試合を報じるマスコミはほとんどなかった。

僅かに日刊スポーツが、この試合で退場者が出て、両監督(日大の内田監督と関学大の鳥内監督)の談話が載っていただけである。

 

しかも、関東学生連盟は不問に付す、という態度だった。

悪質なタックルに対し、関東学生連盟は日大に対して何のペナルティも与えなかったのである。

 

ところが、この悪質タックルがインターネット上で語られ始めた。

語っていたのは、アメフト・ファンやアメフト専門のライターである。

さらに、アメフト・ファンが撮影していた動画がネット上で公開された。

 

「これは酷い」

「こんなことが許されていいのか」

「日大は処分されるべきだ」

 

という意見が多数を占め、ネット上で拡散され始めた。

この頃になって、ようやく一般メディアも動き始めたのである。

この事件が起こってから1週間後、日大から何も連絡がない関学大が業を煮やして、遂に抗議文を発表した。

こうなれば、テレビ・メディアも黙ってはいない。

 

一気にワイドショーでも取り上げられるようになって、日大側は窮地に追い込まれることになった。

筆者は、

「これは、ワイドショーで取り上げられることになれば、とんでもないことになるぞ」

と思っていたが、本当にワイドショーで取り上げられて、これほどまでの大騒ぎになるとは想像以上だったのである。

 

最初のうちは、前述したように日刊スポーツが僅かに報じただけ。

その後は、関学大側が抗議すると言っても、僅かに朝日新聞産経新聞がベタ記事で報じる程度だったのである。

正直、筆者は「これほどの重大事件なのに、一般メディアはこの程度の反応か」と憂いたほどだ。

 

ところが、日大側の不誠実な行動に、アメフト・ファンの怒りが爆発した。

悪質タックルの動画が、一気にインターネット上で拡散したのだ。

こうなると、各テレビ局のワイドショーも黙って見過ごすわけにはいかない。

日大アメフトによる悪質タックルのことを、各テレビ局がこぞって報道し始めたのである。

悪質タックルの試合が起きてから、1週間以上も後のことだった。

もし、新潟女児殺害事件や、西城秀樹の死亡などがなければ、日大アメフト事件はずっとトップニュースであり続けたに違いない。

 

もしインターネット社会でなければ、この日大選手による悪質タックルは闇に葬られていたのではないか。

たかが定期戦、ビデオ撮影している人がいても、そんなものはほとんどの人の目には触れないだろう。

しかし、インターネットのおかげで、多くの人がその悪質な反則タックルを目の当たりにしてしまった。

 

最初、日大側はタカを括っていたのではないか。

たかが定期戦、しかもほとんどの人が関心を持っていないアメフトの試合など、誰も注目していないだろう、と。

当然、定期戦の反則程度で世間が大騒ぎするはずがない、と日大側が思っていたとしても不思議はない。

 

ところが、日大側の意に反して(だと思う)、1週間以上も経った頃にテレビ・メディアが大騒ぎし始めた。

これは日大側にとっても誤算だっただろう。

もし、ワイドショーが騒ぐことがなければ、一般社会には気付かれずにやり過ごすことができる、と考えたとしても想像に難くない。

 

ところが、日大側の思惑から外れ、テレビのワイドショーが大騒ぎし始めた。

こうなると、それに対応しなければならないが、そのマニュアルもない。

日大には危機管理学部があるのだが、それも全く機能しなかったのである。

 

結局は、日大がやることは全て後手、後手に回り、何もできなかった。

おそらくは、内田監督が「たかがアメフトで世間も大騒ぎすることもあるまい」

と思っていた、甘い認識がなせる業だったのか。

 

 

「トンでも外人」プロレス編!

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「未知の強豪」と宣伝されて来日するも、結局は肩透かしを食らわされている「トンでも外人」たち。

しかし「トンでも外人」は愛すべき存在だった!

 

週刊ファイトにコラムを書きました。
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[ファイトクラブ]日本マット界を彩った『トンでも外人レスラー』列伝! – 週刊ファイト

超危険なタックルとラフプレー

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写真は2013年度の甲子園ボウル関西学院大学×日本大学

 

5月6日、東京都調布市アミノバイタル・フィールドでアメリカン・フットボール日本大学×関西学院大学の定期戦が行われた。

日大×関学大といえば、昨年度の甲子園ボウルで大学日本一を争い、日大が勝って27年ぶりの優勝、関西勢の11連覇を阻止した対戦として記憶に新しい。

さらに、この両校は昔から東西のライバルとして、赤青対決で日本のアメフト界を引っ張ってきた超名門校である。

 

しかし、この再戦では実に残念なプレーが連発された。

パスを投げた後の関学大クォーターバック(QB)に、日大の選手が3テンポぐらい遅れて後ろからタックルに行っている。

いわゆるレイトヒットである。

 

0:05から画面の右側、パスを投げ終えた後の関学大(青)のQBに、日大(赤)の選手が背後から遅れてタックル  

www.youtube.com

 

パスを投げ終えた選手にタックルするのは、故意はもちろん偶然でも反則だ。

しかも、この動画を見ると明らかに故意によるタックルである。

もしラグビーだったら、一発でレッドカード(退場)だろう。

しかし、この試合では15ヤードの罰退で済んだ。

このプレーにより、関学大QBは負傷して交代を余儀なくされた(後半に復帰)。

というより、よく負傷程度で済んだものである。

全く無防備の背後からタックルなんて、危険極まりない。

 

さらに、この2プレー後、また同じ選手が関学大QBにレイトヒットを犯している。

もはや確信犯としか思えない。

2度続けての超危険なタックルだったのに、審判団は日大に注意したものの選手に対するお咎めはなし。

 

さらに2プレー後、今度は同じ選手が暴力行為を行ったために、ここでようやく資格没収(退場)となった。

ところが、退場宣告を受けて戻ってくる選手に対し、日大側は叱るどころか労っている様子。

事の重大さがわかっていないのだろうか。

日大の応援団からでも「ホントにバカだよ、アイツは」という声が飛んでいたぐらいなのに。

 

問題があったシーン。最初が4:00頃から、2回目が5:48頃から、3回目が7:30頃から

www.youtube.com

 

試合後、日大の内田監督は以下のようにコメントした。

「力がないから、厳しくプレシャーをかけている。待ちでなく、攻めて戦わないと。選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」

 

つまり、内田監督があのラフプレーを指示していた、ということだろうか。

「私の責任」と言っているとはいえ、少なくともラフプレーに対する反省の色はない。

 

さらに、関東学生連盟によるお咎めもなし。

普通のスポーツなら、これだけ明らかな故意と思われる反則を3度もすれば、少なくとも数試合は出場停止だろう。

また、日大の内田監督の発言に対しても、特に問題視していないようだ。

こんな対応で、本当にいいのだろうか。

前田日明ですら、反則ではない顔面キックを「プロレス道にもとる行為」として新日本プロレスを解雇されたのに(タイガー・ジェット・シンのサーベル攻撃はお咎めなしだったが)。

 

こんなことがまかり通るようでは、勝つためだったらどんなことでもやるだろう。

アメフトにおけるQBとは、単なる司令塔ではなく絶対的な存在。

アメフトのチーム力はQBで決まる、と断言する人もいるぐらいだ。

それならば、反則でもなんでもやって相手のエースQBを潰してしまうのが得策だ。

 

実力的に大したことはない選手を、ヒットマンとして使えばいいだけの話である。

相手のエースQBを、反則タックルでブッ潰す。

上手くいけば15ヤード罰退だけで済んで、しかも相手エースQBはもういない。

仮にヒットマンが退場になっても、実力的には大した選手ではないし、アメフトの場合は50人ぐらいの選手を抱えているのだから戦力ダウンにはならない。

しかも、ラグビーやサッカーでは退場者が出ると少ない人数で戦わなければならないが、アメフトの場合は退場者が出てもフィールドにいるのは同じ11人。

ハッキリ言って、ヒットマンが退場しても、痛くも痒くもない。

もっとも、全てのチームがそんなことをするようになったら、報復合戦で試合にはならないだろうが。

というより、もはやスポーツですらない。

 

今回の事件(と言ってよかろう)で、全てのアメフト・ファンは激怒している(少なくとも僕は、容認している意見を聞いたことがない)。

アメフト専門のライターも、この事件を取り上げて痛烈な批判を展開している。

 

しかし、当事者たる日大や関東学生連盟は、さほど大きな出来事とは思っていないらしい。

ワイドショーにも取り上げられかねないようなラフプレーだったが、今のところはアメフト・ライターしか批判していないので安穏としているのだろうか。

検索してみても、この試合を報道しているのは日刊スポーツとベースボール・マガジン社ぐらいしか見当たらなかった。

それ以外では朝日新聞のXリーグ担当がツイッターで批判しているが、ツイッターではとても報道とは呼べない。

日刊スポーツは退場者が出たことを報じているものの特に批判はなし。

ベースボール・マガジン社に至っては、試合内容の詳報は書かれているにもかかわらず、反則のことや退場者が出たことすら報じていなかった。

あれだけ詳しく書いているのに、ベースボール・マガジン社の記者は反則や退場のことは気にならなかったのだろうか。

あるいは、忖度でも働いたのだろうか。

 

何よりも残念なのが、こんな反則を容認する発言をした(あるいは指示した?)のが、日本随一と言っていい超名門校の日大の監督だったということだ。

しかも日大は、昨年度の大学日本一。

もし内田監督が「優勝できたのは、この指導のおかげ」と自信を持っているとすれば、何をか言わんやである。

 

【追記】

5月10日、関東学生アメリカンフットボール連盟が日本大学および資格没収(退場)となった選手に対する処分が発表した。

 

①当該選手の1回目の行為は、その後の検証の結果、当初、試合中に審判クルーが下した「アンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)」を超えるものであったことが分かり、公式規則第6章の「(無防備なプレーヤーへの)ひどいパーソナルファウル」に該当すると判断できる。よって、競技団体として、当該選手は追加的な処分の内容が確定するまでは、対外試合の出場を禁止する。
日本大学の指導者は、スポーツマンシップに則り、公式規則を遵守し、重要な規律をプレーヤーに継続して教えねばならないとして、厳重注意とする。
③一連の反則行為につき、調査・報告を行う為に規律委員会を理事会内に設置する。

 

KCFA|日本大学の選手による試合中の重大な反則行為について | 一般社団法人 関東学生アメリカンフットボール連盟