アントニオ猪木がテレビ朝日系「あいつ今何してる?」に出演。
猪木が気になっていた人物は、ブラジルの「よっちゃん」と、パラオの「エミさん」。
週刊ファイトにコラムを書きました。
無料記事のため、どなたでも自由に読めます↓
第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。
大阪府藤井寺市のイオン藤井寺ショッピングセンターが9月14日(土)、グランド・オープンした。
随分遅い報告となったが、ラグビー・ワールドカップがあったため、すっかり忘れていたのだ。
さて、この地は近鉄南大阪線の藤井寺駅(準急停車)から徒歩約3分と、非常に便利な場所にある。
かつてあった藤井寺球場は駅の南側だったが、イオン藤井寺ショッピングセンターがあるのは北側だ。
元々、同じ場所にイオンモール藤井寺があったのだが、2014年2月28日に閉店、後に解体された。
それが今回、同じイオンながら建物は一新されて、新たに開業したのである。
以前のイオンモール藤井寺は、地上4階、地下1階、屋上にはイベント広場もあったという、ちょっとしたデパートのような装いだった。
また、南側には道路1本を隔ててAPTという商業施設があって、旧イオンモール藤井寺とは地下で繋がっていたのだが、旧イオンモール藤井寺の閉鎖と共に閉店した。
旧イオンモール藤井寺は地上4階、地下1階で、いつも賑わっていた
地下の食料品売り場へは、地上から直接行くことができた
屋上はイベント広場になっていた
屋上と直結の屋内部分は5階扱いでゲームセンターに
生まれ変わったイオン藤井寺ショッピングセンターは、地上2階建てで地下はなしという、普通の大型スーパーに格下げされたような感がある。
これは筆者の勝手な思い込みだが、商業施設に地階があると、それだけで都会と思えたものだ。
しかし、藤井寺に地階のあるショッピングセンターが姿を消し、しかも2階建てということでデパート感もなくなってしまったのである。
富田林も、地階のあったダイエーが解体されて、寂しい思いをしていたところだ。
ただ、地上4階、地下1階から、地上2階のみになった割には、旧イオンモール藤井寺から店舗数は減ったもののさほど変わっていない。
これは、面積が増えたからだ。
以前は、巨大な立体駐車場があったのだが、それを取り壊して店舗にしたのである。
では、駐車場が無くなったのかと言えばそういうわけではなく、別の場所に立体駐車場を新たに造った。
なお、駐車料金は最初の1時間は無料、千円以上の買い上げでさらに1時間無料、以降は30分ごとに200円となっている。
以前は最初の2時間は無料だったのだが、大きな駅の前という便利な立地条件を考えると仕方がないだろう。
ただ、店舗数は以前からさほど減っていないと書いたが、2階にはニトリやGU、ダイソーおよびジョーシンなどが入っており、これらがほとんどの敷地を占めているので、イオン感が薄れていることは否めない。
特にジョーシンは、以前は旧イオンモール藤井寺の向かい側にあったのが、イオン藤井寺ショッピングセンター内に引っ越しただけだ。
1階部分はフード・コートが多くを割いており、ここが以前の旧イオンモール藤井寺と大きく違う点だろう。
もちろん食料品売り場も1階にあり、この店舗の別名が「AEON FOOD STYLE(ダイエー系)」と呼ばれる所以だ。
9月に行ったときは、書店がなかったのだが、現在では藤井寺駅方面入口(トップ写真参照)から入った左側に「アバンディブックセンター」が開店している。
屋上もあって、「しばふ広場」と呼ばれるスペースでは子供たちの遊び場になっているが、以前のようなイベント会場はない。
ただ、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたのを記念してか、古墳の形をした滑り台がある。
また、旧イオンモール藤井寺と地下で繋がっていた、店舗の南側にある前述のAPTは、イオン藤井寺ショッピングセンターが開業しても閉鎖されたままで、再開業の気配は感じられない。
府道12号線に面した北側(駅の反対側)には入口が2ヵ所ある
駅前通りに面した専門店東入口
店舗の西側部分は、以前は立体駐車場だった
新店舗(旧・立体駐車場)の南側に完成した、現在の立体駐車場
店舗と立体駐車場は2階の渡り廊下で繋がっている
屋上の「しばふ広場」には、古墳型の滑り台がある
旧イオンモール藤井寺と地下で繋がっていたAPTは閉鎖されたまま
全体的に見れば、イオン藤井寺ショッピングセンターは旧イオンモール藤井寺に比べて、良く言えばコンパクト、悪く言えばこじんまりしたような印象だ。
広い地域から客を集めるというよりも、近隣住民にとっての手軽なスーパーというコンセプトなのだろう。
ただ、近鉄南大阪線の中で最も乗降客数の多い駅(ターミナルの大阪阿部野橋駅を除く)の近くの商業施設にしては、寂しくなったというのが正直な感想である。
日本で開催された第9回ラグビー・ワールドカップが幕を閉じた。
台風のため3試合が中止になったのはマイナス点だが、それでも45試合で約170万人の観衆を集め、99.3%のチケットが売れたうえに、ファンゾーンには史上最多となる約113万7千人もの人数を集めたのである。
平均視聴率の最高は準々決勝の南アフリカ×日本の41.6%(関東地区、以下同)、瞬間最高視聴率はプールAの日本×スコットランドの53.7%だった。
日本戦以外でも、平均視聴率で決勝の南アフリカ×イングランドは20.5%を叩き出し、瞬間最高視聴率では準決勝の南アフリカ×ウェールズで26.9%を記録、「スポーツで日本戦以外では視聴率は稼げない」という定説を覆したのだ。
しかも、この視聴率は地上波のみの数字であり、同時に有料放送のJ-SPORTSや、試合によっては無料放送のBSでも生中継していたのである。
主催のワールド・ラグビー(WR)のサー・ビル・ボウモント会長は「2019年日本大会はおそらく過去最高のラグビーW杯として記憶されるだろう。素晴らしく、謙虚で歴史的なホスト国であった日本と日本人に心の底から感謝したい」とコメントしたが、これは決してお世辞ではあるまい。
今回のW杯は、単に観客動員や視聴率だけではなく、今までとは違う非常に意義のある特別な大会となった。
それまでのW杯は、ワールド・ラグビーの前身であるIRFB(International Rugby Football Board)の加盟8ヵ国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)のみで行われてきた。
要するに、これら伝統国でなければ、W杯を開催しても失敗するだろうと思われていたのである。
しかし、ラグビー後進国に過ぎない日本での開催の大成功によって、それも覆された。
今後のW杯では日本大会が引き金となって、旧IRFB加盟8ヵ国以外、たとえばイタリアやアルゼンチン、アメリカおよびカナダ(両国の共催も有り得る)などでも開催されるかも知れない。
筆者は開幕して2日目で、もう疲れ果ててしまった。
開幕戦が緊張感タップリの日本×ロシア、2日目がオーストラリア×フィジー、フランス×アルゼンチン、ニュージーランド×南アフリカと、好カードが目白押しだったからだ。
今までは深夜、しかも有料放送でしか見られなかったこれらW杯の好ゲームが、ゴールデン・タイムや土日祝日の昼間に地上波で放送される。
この時点で既に、W杯が日本で開催されたことに感謝していた。
さて、そんな中からベスト・ゲームを選出するのは大変だが、筆者が選ぶトップテンを発表しよう。
単なる好勝負というだけではなく、番狂わせや歴史的意義なども加味している。
⑩○ウェールズ29-25オーストラリア●(9/29 プールD:東京スタジアム)
勝った方がプールD1位通過濃厚となる大一番。
試合はW杯史上最速となる開始後35秒でのウェールズのSOダン・ビガーのドロップ・ゴールで幕を開けた。
その後もオーストラリア(ワラビーズ)はインターセプトからトライを奪われるなど、過去2回の優勝を誇る国とは思えないプレーを連発して劣勢に立つ。
それでもワラビーズは必死に追いすがるも、ウェールズが何とか逃げ切り、W杯では1987年の第1回大会3位決定戦以来の対ワラビーズ勝利を収めた。
プールDを2位通過となったワラビーズは準々決勝でイングランドに16-40で惨敗、前回準優勝国らしさを見せぬまま日本を去ったのである。
⑨○ウルグアイ30-27フィジー●(9/27 プールD:釜石鵜住居復興スタジアム)
W杯で過去1勝のウルグアイが、決勝トーナメント進出経験のある強豪フィジーに挑んだ一戦。
一進一退の攻防となったが、ウルグアイが「フィジアン・マジック」のお株を奪うような見事なトライを重ねる。
フィジーも必死で反撃するが追い付けず、ウルグアイが逃げ切って番狂わせを演じた。
復興の街・釜石での歴史的勝利は、多くの人に勇気を与えただろう。
⑧○フランス23-21アルゼンチン●(9/21 プールC:東京スタジアム)
「死の組」と呼ばれたプールC、開幕2日目に過去3度の準優勝を誇るフランスと、前回4強のアルゼンチンが激突するという好カード。
「フレンチ・フレア」フランスのスピードと、アルゼンチンのパワーがぶつかり合う、予想に違わぬ好勝負となった。
前半、フランスが大きくリードしたが、後半にアルゼンチンも巻き返し、試合終了間際に2点ビハインドのアルゼンチンが敵陣でペナルティを得るという絶好のチャンス。
しかしペナルティ・ゴールは無情にも外れ、フランスが苦手のアルゼンチンを下した。
この1敗が響き、アルゼンチンは決勝トーナメント進出を逃してしまったのである。
⑦○ニュージーランド23-13南アフリカ(9/21 プールB:横浜国際総合競技場)
2連覇中のニュージーランド(オールブラックス)と、過去2回の優勝を誇る南アフリカ(スプリングボクス)が、開幕2日目でいきなり激突。
しかし、試合はオールブラックスが強固なスプリングボクスのディフェンス・ラインを引き裂き、縦横無尽に暴れまわる。
終わってみればスプリングボクスに勝ち点を与えず、オールブラックスが3連覇に向けて好発進。
今回もやはりオールブラックスがテッパンなのか、とこの時点では誰もが思った。
⑥○日本28-21スコットランド●(10/13 プールA:横浜国際総合競技場)
台風19号の影響で開催が危ぶまれたこの試合、中止ならば日本の決勝トーナメント進出が決定したにもかかわらず、大会スタッフはホスト国のプライドにかけて試合を開催すべく、横浜国際総合競技場を最高の状態に仕上げた。
ゲームは日本の松島幸太郎と福岡堅樹の両WTBがトライを重ね、後半開始早々には早くも4トライを奪ってボーナス点を得るなど一方的リード。
スコットランドも伝統国の意地で後半に巻き返すも届かず、日本が4戦全勝でプールAを堂々の1位通過、初のベスト8入りを果たした。
⑤○南アフリカ32-12イングランド●(11/2 決勝:横浜国際総合競技場)
3度目の優勝を狙う南アフリカ(スプリングボクス)と、ニュージーランド(オールブラックス)の3連覇を阻止して意気の上がる過去優勝1度のイングランドとの決勝戦。
イングランド有利という前評判だったが、フィジカルに勝るスプリングボクスが徐々に点差を拡げ、強固なディフェンス陣がイングランドをノートライに抑える。
終わってみれば20点差の完勝、スプリングボクスがオールブラックスと並ぶ3度目の世界一となった。
初戦でオールブラックスに敗れてからチームを立て直したスプリングボクス、1敗しての優勝はW杯史上初である。
④○ウェールズ20-19フランス●(10/20 準々決勝:大分スポーツ公園総合競技場)
70年代は「赤い恐竜」と恐れられたウェールズと、大物食いの「フレンチ・フレア」フランスとの闘い。
2011年のW杯では準決勝で両国が対戦し、フランスが9-8の1点差でウェールズを破っている。
北半球同士の意地をかけた一戦は、フランスが有利に試合を進めたが、後半開始早々にラフプレーによって退場者が出たためにフランスは1人少ない14人で戦わざるを得なくなった。
それでもリードを保っていたフランスだったが、残り10分を切ったところで自陣マイボール・スクラムを押し込まれ、ボールを奪われてトライを許してしまった。
コンバージョンも決まり、1点差で涙を飲んだフランスは、今回も悲願の初優勝はならなかったのである。
ウェールズは2大会ぶりの4強、8年前とは逆にフランスを1点差で屠った。
③○日本19-12アイルランド●(9/28 プールA:小笠山総合運動公園エコパスタジアム)
大会前は世界ランキング1位で、優勝候補の一角に挙げられていたアイルランド。
当然、試合前の下馬評では日本が圧倒的不利だった。
しかし、WTB福岡堅樹の逆転トライが決まると、日本は見事なディフェンスでアイルランドの猛攻を食い止め、遂にこの強敵を破ったのである。
日本の歴史的勝利は「シズオカの衝撃」と世界中に打電された。
日本でも、ラグビーW杯が本当の意味で認知されたのは、この試合からと言ってよい。
②○南アフリカ19-16ウェールズ●(10/27 準決勝:横浜国際総合競技場)
3度目の優勝を狙う南アフリカ(スプリングボクス)と、初の決勝進出を目指すウェールズとの一戦。
スプリングボクスはSHファフ・デクラークが起点となって攻め、反則を奪うとSOハンドレ・ポラードが着実にペナルティ・ゴールを決めて加点する。
ウェールズも追いすがるが、SOダン・ビガーを後半早々に下げてしまった。
結局、地力に勝るスプリングボクスが3点差で逃げ切って、決勝進出を果たしたのである。
①○イングランド19-7ニュージーランド●(10/26 準決勝:横浜国際総合競技場)
ラグビーの母国イングランドが、いかにニュージーランド(オールブラックス)の3連覇を阻むか、焦点はその一点に絞られた。
そして、試合前から闘いは始まっていたのである。
オールブラックスのハカの際に、イングランドの選手たちはVの字でハカに迫り、ハーフウェイ・ラインを越えてしまった。
おかげでイングランドには罰金が科せられたが、結果的には安いものだったと言えよう。
心理的に優位に立ったイングランドは、オールブラックスにラグビーをさせず完勝。
前回大会では日本を率いて南アフリカ(スプリングボクス)を破った知将エディー・ジョーンズHCの作戦が全て当たった、イングランドにとって会心のゲームだったのである。
しかし、エディーの神通力も決勝戦までは続かなかった。
以上が、筆者の選ぶトップテンである。
もちろん、異論はあるだろう。
しかし、これだけは異論がないに違いないと確信していることがある。
それは、W杯が行われた44日間が、誰にとっても夢のような出来事だったということだ。
次回、2023年のフランス大会では、どんな夢を見させてくれるのだろうか。
1964年に行われた東京オリンピックのメイン会場、旧・国立競技場
2020年に開催予定の東京オリンピック開幕まで約9ヵ月となった。
しかし、直前になってもゴタゴタが続いているのはニュース等で周知のとおりである。
2020年のオリンピック開催都市が東京に決まったのは、2013年9月のこと。
最終選考まで残った立候補都市は、東京とマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)の3都市だった。
東京が選ばれた理由として、既に56年前の1964年に五輪を経験しているためノウハウが判っていてインフラも整備されており、さらにほとんどの競技が東京近辺で開催可能なのでコンパクトで経費が掛からず、しかも気候が温暖ということもあった。
ところが、フタを開けてみると、問題点がゾロワゾロワ。
エンブレムのデザイン盗作疑惑については「アホやなあ」で済むかもしれないが(こんなこと、ほとんどの人が忘れているだろう)、新・国立競技場建設の白紙化がケチの付き始めだった。
そもそも新・国立競技場は、東京オリンピックのために計画されたものではない。
2019年(つまり今年)に開催されるラグビー・ワールドカップで使用するためのスタジアムだった。
東京オリンピックの開催が決定したのは、その後である。
東京オリンピックの招致活動において、有利に働いたのはこのラグビーW杯だ。
つまり、オリンピックのテストケースとして、ラグビーW杯を利用できるというわけである。
新・国立競技場の運営や観客整理、警備などをラグビーW杯で試すことができるというのも、東京オリンピックにとって売りの一つだった。
ところが、新・国立競技場の予算が大幅に増えたため、建設計画を見直し。
当初、建設費用は約1300億円と見積もられていたが、やがては約3000億円に膨れ上がった。
ロンドン・オリンピックのメイン会場が約800億円、リオデジャネイロ・オリンピックは約550億円だったのだから、この時点で「経費の掛からないオリンピック」という東京オリンピックの宣伝文句が消えたことになる(最終的には約1490億円)。
しかも、このことによって新・国立競技場はラグビーW杯に間に合わなくなった。
つまり、「ラグビーW杯をテストケースに」という東京オリンピックのアドバンテージも解消されたわけだ(ラグビーふうに言えばアドバンテージ・オーバー)。
煽りを食ったのはラグビーW杯で、メイン会場を東京スタジアム(約5万人収容)や横浜国際総合競技場(約7万2千人収容)に変更せざるを得なくなった。
約8万人収容の新・国立競技場を使えなくなったために、総観客数もかなり減っただろう。
また、ラグビーW杯のために本拠地を明け渡さざるを得なくなった、JリーグのFC東京や横浜F・マリノスにとってもいい迷惑である。
開催2年前の2018年12月には、JOC会長の竹田恆和氏がオリンピック招致に関して贈収賄容疑に掛けられる。
未だにこんな前近代的なことをやっていたのかと呆れたが、竹田氏は2019年3月にJOC会長を任期満了に伴い退任、IOC委員は辞職したが、まだ潔白が証明されたわけではない。
開催1年前の2019年8月には、トライアスロンが行われるスイム会場の水質検査で、大腸菌が基準値の2倍を超える最悪のレベル4と判定された。
普段はレベル1であっても、大雨が降ったりしたら急激に大腸菌が増えるという。
実際にトイレのような臭いがしたそうで、水を飲むかも知れないのに、こんな大腸菌がウヨウヨした水中で泳ぎたいとは誰も思わないだろう。
もちろん、東京オリンピックでは水質を万全に保つようにするのだろうが、当然のことながら経費が余計に掛かる。
そして、記憶に新しいのが2019年11月に、マラソンと競歩の開催地が札幌に移転するという仰天の決定がなされたことだ。
理由は、8月の東京でマラソンや競歩を行うのは暑すぎる、というものである。
つまり、ここでも「東京は温暖でオリンピックに最適」という売りが覆されたのだ。
しかも「コンパクトなオリンピック」というのも、絵に描いた餅となってしまった。
オリンピックのラストを飾る花形競技のマラソンを、東京から飛行機で移動しなければならない札幌で行うなんて、どこがコンパクトなんだ!?
観客だけではなく、ボランティアなどの宿泊施設など、開催までもう1年もないのに問題は山積みである。
突然の開催地変更の引き金となったのは、今年の9月下旬から10月上旬にドーハ(カタール)で行われた世界陸上だった。
マラソンや競歩は、暑さを考慮して夜中に行われたのにも関わらず、棄権する選手が続出。
大きな批判を浴びた。
そこで、東京オリンピックでも「ドーハの悲劇」を二度と起こさないよう、涼しい札幌で行うというわけだが、こんなことは最初から判っていたこと。
そもそも、アメリカのスポーツ・イベントが乏しいという理由で、8月に開催すること自体がオカシイのだが、札幌に移転したからと言って問題が解決するわけではない。
「8月上旬は東京も札幌もさほど気温は変わらない」
「東京はビルが多くて日陰で走るコースが長いが、ビルの少ない札幌の方が直射日光を浴びるので却って暑い」
などという批判もあるが、要するにIOCとしては「暑さ対策の手は打った」とアピールしたかったのだろう。
仮に札幌で棄権者が続出しても「IOCとしては開催地変更までして暑さ対策しましたよ」と責任逃れできるわけだ。
いずれにしても、マラソンおよび競歩の札幌開催は決まったのだから、また余計な経費がかさむことになる。
そんなに暑さ対策が必要なのなら、空調の効いた東京ドームで42.195km(競歩では50㎞)分、ぐるぐる走れば(歩けば)いい。
ということをSNSで書いたら、スポーツ嫌いで有名な作家の古市憲寿氏がテレビで同じことを言っていた。
さては古市め、俺のSNSを読んだなと思ったが、その可能性は極めて低いので、筆者と同じ思考回路だったのだろう。
古市氏と同じ意見なのはシャクなので(ちなみに古市氏も「札幌移転はIOCの責任逃れ」と言っていたらしい)、別の案を考えてみた。
何しろ狭い東京ドームで大勢の選手が走ると、危険でもあるし誰が何周走ったのか収拾がつかなくなるので、選手1人に1個ずつルームランナーを渡して、その上で走って(足踏みして)もらえばいいのではないか。
そして、上位10名の走行距離を、スコアボードに示すようにするのである。
そうすれば東京ドーム内は涼しいし、怪我の心配はないし、スコアボードに書かれた走行距離や順位が変わるたびに4万6千人の大観衆も大いに盛り上がるに違いない。
選手にとっては、いくら走っても(足踏みしても)景色が全く変わらないので、つまらないだろうが。
野坂昭如が出演していた「ルームランナー」のCM(1977年)
上のCMは「日本船舶振興会」のCMのパロディ。「一日一善」「人類はみな兄弟」などと美辞麗句を並べるが「ギャンブルをやめよう」とは決して言わない
プレゼンの内容と実態がこれだけ違えば、招致に失敗したマドリードやイスタンブールはバカバカしくなるだろう。
ウソ八百の資料を並べればオリンピック招致に成功するのだから、正直者はバカを見る典型的な例である。
まあしかし、この2都市は招致に失敗して良かったと思うかも知れない。
オリンピックにより経済が発展したのは過去の話、今では負の遺産となることが多いのだから。
いくら問題だらけでも、国の威信にかけて(この言い方は戦時中みたいだが)無理やり東京オリンピックを成功させるだろうが、世界的にはもはやオリンピック招致に消極的と言えるだろう。
とっくに過去の遺物になったと思われた「オリンピック利権」、日本では未だに崇め奉られているようだ。