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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

嘘で塗り固められた東京オリンピック

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1964年に行われた東京オリンピックのメイン会場、旧・国立競技場

 

2020年に開催予定の東京オリンピック開幕まで約9ヵ月となった。

しかし、直前になってもゴタゴタが続いているのはニュース等で周知のとおりである。

 

2020年のオリンピック開催都市が東京に決まったのは、2013年9月のこと。

最終選考まで残った立候補都市は、東京とマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)の3都市だった。

東京が選ばれた理由として、既に56年前の1964年に五輪を経験しているためノウハウが判っていてインフラも整備されており、さらにほとんどの競技が東京近辺で開催可能なのでコンパクトで経費が掛からず、しかも気候が温暖ということもあった。

 

ところが、フタを開けてみると、問題点がゾロワゾロワ。

エンブレムのデザイン盗作疑惑については「アホやなあ」で済むかもしれないが(こんなこと、ほとんどの人が忘れているだろう)、新・国立競技場建設の白紙化がケチの付き始めだった。

 

そもそも新・国立競技場は、東京オリンピックのために計画されたものではない。

2019年(つまり今年)に開催されるラグビー・ワールドカップで使用するためのスタジアムだった。

東京オリンピックの開催が決定したのは、その後である。

東京オリンピックの招致活動において、有利に働いたのはこのラグビーW杯だ。

つまり、オリンピックのテストケースとして、ラグビーW杯を利用できるというわけである。

新・国立競技場の運営や観客整理、警備などをラグビーW杯で試すことができるというのも、東京オリンピックにとって売りの一つだった。

 

ところが、新・国立競技場の予算が大幅に増えたため、建設計画を見直し。

当初、建設費用は約1300億円と見積もられていたが、やがては約3000億円に膨れ上がった。

ロンドン・オリンピックのメイン会場が約800億円、リオデジャネイロ・オリンピックは約550億円だったのだから、この時点で「経費の掛からないオリンピック」という東京オリンピックの宣伝文句が消えたことになる(最終的には約1490億円)。

 

しかも、このことによって新・国立競技場はラグビーW杯に間に合わなくなった。

つまり、「ラグビーW杯をテストケースに」という東京オリンピックのアドバンテージも解消されたわけだ(ラグビーふうに言えばアドバンテージ・オーバー)。

煽りを食ったのはラグビーW杯で、メイン会場を東京スタジアム(約5万人収容)や横浜国際総合競技場(約7万2千人収容)に変更せざるを得なくなった。

約8万人収容の新・国立競技場を使えなくなったために、総観客数もかなり減っただろう。

また、ラグビーW杯のために本拠地を明け渡さざるを得なくなった、JリーグのFC東京や横浜F・マリノスにとってもいい迷惑である。

 

開催2年前の2018年12月には、JOC会長の竹田恆和氏がオリンピック招致に関して贈収賄容疑に掛けられる。

未だにこんな前近代的なことをやっていたのかと呆れたが、竹田氏は2019年3月にJOC会長を任期満了に伴い退任、IOC委員は辞職したが、まだ潔白が証明されたわけではない。

 

開催1年前の2019年8月には、トライアスロンが行われるスイム会場の水質検査で、大腸菌が基準値の2倍を超える最悪のレベル4と判定された。

普段はレベル1であっても、大雨が降ったりしたら急激に大腸菌が増えるという。

実際にトイレのような臭いがしたそうで、水を飲むかも知れないのに、こんな大腸菌がウヨウヨした水中で泳ぎたいとは誰も思わないだろう。

もちろん、東京オリンピックでは水質を万全に保つようにするのだろうが、当然のことながら経費が余計に掛かる。

 

そして、記憶に新しいのが2019年11月に、マラソン競歩の開催地が札幌に移転するという仰天の決定がなされたことだ。

理由は、8月の東京でマラソン競歩を行うのは暑すぎる、というものである。

つまり、ここでも「東京は温暖でオリンピックに最適」という売りが覆されたのだ。

しかも「コンパクトなオリンピック」というのも、絵に描いた餅となってしまった。

オリンピックのラストを飾る花形競技のマラソンを、東京から飛行機で移動しなければならない札幌で行うなんて、どこがコンパクトなんだ!?

観客だけではなく、ボランティアなどの宿泊施設など、開催までもう1年もないのに問題は山積みである。

 

突然の開催地変更の引き金となったのは、今年の9月下旬から10月上旬にドーハ(カタール)で行われた世界陸上だった。

ラソン競歩は、暑さを考慮して夜中に行われたのにも関わらず、棄権する選手が続出。

大きな批判を浴びた。

 

そこで、東京オリンピックでも「ドーハの悲劇」を二度と起こさないよう、涼しい札幌で行うというわけだが、こんなことは最初から判っていたこと。

そもそも、アメリカのスポーツ・イベントが乏しいという理由で、8月に開催すること自体がオカシイのだが、札幌に移転したからと言って問題が解決するわけではない。

「8月上旬は東京も札幌もさほど気温は変わらない」

「東京はビルが多くて日陰で走るコースが長いが、ビルの少ない札幌の方が直射日光を浴びるので却って暑い」

などという批判もあるが、要するにIOCとしては「暑さ対策の手は打った」とアピールしたかったのだろう。

仮に札幌で棄権者が続出しても「IOCとしては開催地変更までして暑さ対策しましたよ」と責任逃れできるわけだ。

いずれにしても、マラソンおよび競歩の札幌開催は決まったのだから、また余計な経費がかさむことになる。

 

そんなに暑さ対策が必要なのなら、空調の効いた東京ドームで42.195km(競歩では50㎞)分、ぐるぐる走れば(歩けば)いい。

ということをSNSで書いたら、スポーツ嫌いで有名な作家の古市憲寿氏がテレビで同じことを言っていた。

さては古市め、俺のSNSを読んだなと思ったが、その可能性は極めて低いので、筆者と同じ思考回路だったのだろう。

 

古市氏と同じ意見なのはシャクなので(ちなみに古市氏も「札幌移転はIOCの責任逃れ」と言っていたらしい)、別の案を考えてみた。

何しろ狭い東京ドームで大勢の選手が走ると、危険でもあるし誰が何周走ったのか収拾がつかなくなるので、選手1人に1個ずつルームランナーを渡して、その上で走って(足踏みして)もらえばいいのではないか。

そして、上位10名の走行距離を、スコアボードに示すようにするのである。

そうすれば東京ドーム内は涼しいし、怪我の心配はないし、スコアボードに書かれた走行距離や順位が変わるたびに4万6千人の大観衆も大いに盛り上がるに違いない。

選手にとっては、いくら走っても(足踏みしても)景色が全く変わらないので、つまらないだろうが。

 

野坂昭如が出演していた「ルームランナー」のCM(1977年)

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上のCMは「日本船舶振興会」のCMのパロディ。「一日一善」「人類はみな兄弟」などと美辞麗句を並べるが「ギャンブルをやめよう」とは決して言わない

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プレゼンの内容と実態がこれだけ違えば、招致に失敗したマドリードイスタンブールはバカバカしくなるだろう。

ウソ八百の資料を並べればオリンピック招致に成功するのだから、正直者はバカを見る典型的な例である。

 

まあしかし、この2都市は招致に失敗して良かったと思うかも知れない。

オリンピックにより経済が発展したのは過去の話、今では負の遺産となることが多いのだから。

いくら問題だらけでも、国の威信にかけて(この言い方は戦時中みたいだが)無理やり東京オリンピックを成功させるだろうが、世界的にはもはやオリンピック招致に消極的と言えるだろう。

とっくに過去の遺物になったと思われた「オリンピック利権」、日本では未だに崇め奉られているようだ。