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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

想い出のフィールド(18)〜ナゴヤドーム、ナゴヤ球場

ナゴヤドーム、ナゴヤ球場(行った回数:各1回)


ナゴヤドームは中日ドラゴンズの本拠地であり、ナゴヤ球場はかつての本拠地、現在では二軍の本拠地である。
なぜか両球場とも「ナゴヤ」とカタカナで書かれているが、現在でも「名古屋ドーム」と誤って書く人は多い。
そう言えば、名古屋の地下鉄に乗った時、切符を見ると駅名が「なごや」とひらがなで書かれてあった。
「名古屋」という漢字を読めない人が多いと思っているのだろうか。


僕が初めてナゴヤドームおよびナゴヤ球場に行ったのは、今から5年前のことだった。
友人のSと共に大阪・鶴橋駅から近鉄特急に乗って名古屋入りした。
名古屋駅から地下鉄名城線に乗り、ナゴヤドーム前矢田駅で降りて、ナゴヤドームを目指した。
……が、遠い。
ドームまで真っすぐ橋が伸びていて一直線で行けるのだが、10分ぐらいかかっただろうか。
「駅の目の前に球場がある」という関西の野球場に慣れた僕にとっては面食らった。
これのどこが「ナゴヤドーム前」だ。
看板に偽り有りだろう。
ただ、行く途中に大型スーパーのイオンがあって、買い物などには便利そうだ。
そして、ナゴヤドーム独特の丸い屋根が存在感を示す。
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それ以上に驚いたのは、ドームまで行く橋ではダフ屋が多数存在していたこと。
この日は中日×ヤクルト戦で、とても満員になるとは思えなかった。
こんなカードでダフ屋は商売になるのか?
さらに驚いたことに、球場前の広場でも、目の前に警察官がいるのにダフ屋は堂々と商売をしていたのだ。
警察官は見て見ぬふりである。
注意しても無駄だと思っているのか、あるいは名古屋では警察よりもヤ●ザの力が強いのか。


僕たちはダフ屋の誘いには乗らず、切符売り場に行ったが、ここでも驚いた。
切符売場の前には、客が誰ひとりいないのである。
名古屋は一体どんな土地だろうと思いながら切符を買い、入場ゲートに行った時に、ようやく謎が解けた。
他の客が持っている切符を見ると、みんな招待券で来ているのである。
要するにタダ券だ。
ダフ屋は招待券が余っている客から安く買い、それを正規の入場券よりも安い値段で売って儲けているのである。
名古屋のファンは金を払って野球を見るのはもったいないと思っているのだろうか。
もっとも現在はどんな状況になっているのかわからないが。
スタンドに入ると、案の定ガラガラだった。
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こちらが2006年当時のスコアボード。もちろんSB0表示だ。
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試合終了後は外野スタンドに回って、ネット裏スタンドを撮影。
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ハッキリ言って球場の個性というものが感じられず、他のドーム球場と大同小異という感じだった。
つまり、無機質なのである。
こういう球場はどうもつまらない。


試合内容は憶えていないが、立浪が代打で出てきたのだけは憶えている。
この日は帰阪せず、そのまま名古屋で一泊した。
名古屋駅周辺で晩メシを食おうとしたが、ほとんど閉まっていたので、やむなく地下街で開いている店を探してようやく晩メシにありついた。
名古屋の夜は更けるのが早い。


夜が明けて、我々はナゴヤ球場を目指した。
言うまでもなく、ナゴヤドームができるまで中日の本拠地球場だった。
1975年までは中日スタジアムという球場名だったが、翌年から現名に変更されている。
現在はスタンドが改修され、中日二軍の本拠地として生まれ変わった。
そしてこの日はウエスタン・リーグが行われる。


東海道本線の尾頭橋駅で降りた。
ここの鉄道路線は面白く、高架線にJRの東海道本線と中央本線、さらに名古屋鉄道名鉄)が並んで走っている。
特に東海道本線名鉄は次の金山駅を抜けて熱田駅(名鉄は神宮前駅)まで、名古屋駅からずっと並走しているのだ。
まるで同じ鉄道会社のようである。


駅を降りて球場に向かって歩いていると、新幹線の高架下に差し掛かる。
ナゴヤ球場といえば、レフト側のすぐ後ろに新幹線が通っていることで有名だが、この立地条件が思わぬドラマを生んだことがある。
1973年、巨人は9連覇を目指していたが、それを阻止せんと阪神が残り2試合のうち1勝もしくは1分けで優勝という絶対有利な状況にあった。
残るのは中日スタジアムでの中日戦と、甲子園球場での巨人戦である。
阪神は中日戦で優勝を決めようとエースの江夏を立てた(実はこの先発起用は後に物議を醸すことになるが、本項では関係ないので割愛する)。
試合が開始した頃、巨人ナインは東京駅から新幹線「ひかり」に乗り込んだ(当然、当時はまだ「のぞみ」はない)。
もちろん最終戦の甲子園での阪神戦に臨むためだが、この日の中日×阪神戦の結果如何では、最終戦が優勝決定戦になるか、9連覇を逃してただの消化試合になるかという、まさしく天国と地獄が同居した列車だった。
車中はお通夜のように静まり返っていたが、名古屋駅に近付くと巨人ナインは全員左側座席に寄った。
左側の窓からは、中日スタジアムのスコアボードが見えるためである。
巨人ナインが目を凝らしたスコアボードでは、「9回表阪神攻撃中、4−2で中日リード」と示していた。
「ひかり」のグリーン車内で大歓声が沸き起こり、名古屋駅に滑り込んだと同時に中日がそのまま勝利し、優勝は最終戦の甲子園に持ち越された。
死地から生き返った巨人は甲子園で9−0と阪神に圧勝、見事9連覇を成し遂げた。
当然の如く、甲子園では阪神ファンによる大暴動が起きた。


話を元へ戻すと、近くにコンビニがあったので、そこでチケットを購入することにした。
当日券よりコンビニの方が安いと聞いていたからである。
レジでチケットを購入しようとすると、主婦らしき二人組がやはりチケットを購入していた。
話を聞いてみると、案の定これから二軍戦を観に行くようである。
それならばと4人で観戦することにした。
三重県の津からやって来たそうで、片方の主婦は結婚前は野球には興味がなかったそうだが、旦那がテレビで中日戦ばかり見ているので一緒に見ていたら、旦那以上に野球にハマってしまったらしい。
わざわざ津から二軍戦を観に来るぐらいだから、相当なハマりようだろう。


ナゴヤ球場に着いた。
一軍本拠地時代を含めてナゴヤ球場に来るのは初めてだったが、二軍の本拠地となって激変していることはすぐにわかった。
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一軍の本拠地球場として使用されていた頃は「狭くてボロい」というイメージだったが、キャパシティだけは35,000人収容という立派なものだった。
それが今や見る影もなく、変な言い方をすればファームにふさわしい小規模な球場となっていた。
スタンドに入ってみると、三塁側スタンドは大幅に削られて、レフトスタンドは無くなっていた。
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しかし、一塁側スタンドはそのままの規模で残っていた。
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巨人ナインが新幹線の中から凝視した手書きスコアボードも様変わりし、現在は当然電光掲示板となっている。
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ナイター照明設備も撤去され、もはや同じ球場とは言えないほどの変わりようだ。
ナゴヤ球場つめかけた〜
僕らをジーンとしびれさす〜♪

という歌は、もうこの球場には似合わないだろう。
そう言えば、日本の球場で初めてスピードガンが設置されたのがナゴヤ球場だった。
小松辰雄は「スピードガンの申し子」と言われ、他にも鈴木孝政郭源治与田剛など、中日からは次々に速球投手が育っていった。
風向きや風速、観客の興奮度を示す「ファイティング・タワー」という近代的設備まであった。
もはやかつてのナゴヤ球場の面影はない。
オールドファンにとっては寂しい限りだろう。


ただしスタンドを改修した分、フィールドが広くなってナゴヤドームと同規格になった。
あの狭かったナゴヤ球場が今や両翼100m、中堅122mの立派な球場だ。
スタンド下には小規模ながら売店もある。
元々は一軍の本拠地なので、二軍の本拠地としては交通の便はすこぶる付きで良い。
ファームの球場とすれば申し分ないだろう。
また、ファームの試合であっても有料だが、前述のようにコンビニで購入すると割引になったり、ファンクラブの会員だと優先入場というサービスもある。
実はほとんどの客が会員証を持っており、この日も平日の昼間とは思えぬ大勢の観客が詰めかけていた。
二軍戦は無料だがファンサービスなんてないという球団もあるが、ファームとはいえプロには違いないのだから、お客さんからちゃんと入場料を頂いて(もちろん、ファンクラブの会費という形でもいいが)、ファンサービスに努めるべきだろう。
中日は二軍からいい若手がどんどん育ってくるが、こういうファーム環境が影響していると思えてならない。
むしろ、前日にナゴヤドームで見せられた「タダ券バラまき、ダフ屋横行」に比べたら、ファームの方がよほどいい商売をやっているように思えた。
青空の下、思いがけず出会った主婦たちと共に、若い選手のプレーぶりを堪能した。


試合終了後、主婦たちとはナゴヤ球場でそのまま別れ、帰りは近鉄特急を使わず、JR在来線の特急「しなの」で帰阪した。