リングに咲いた数々の恋の花。
プロレスラーの結婚は、一筋縄ではいかない!?
週刊ファイトにコラムを書きました。
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[ファイトクラブ]リングで逢ったその日から、恋の花咲くこともある!? レスラーのラブ・ロマンス – 週刊ファイト
第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。
リングに咲いた数々の恋の花。
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[ファイトクラブ]リングで逢ったその日から、恋の花咲くこともある!? レスラーのラブ・ロマンス – 週刊ファイト
日本大学アメリカン・フットボール部の選手による悪質タックル問題が連日報じられている。
おかげで日大のイメージが落ちたと言われるが、ものは考え様。
これを機に、日大の大手術を行えば、まともな大学に戻ることができる。
そのためには、内田正人アメフト部前監督と、田中英壽理事長を日大から永久追放すべきだろう。
逆に、このビッグ・チャンスを逃して、この両名が日大に留まれば、日大の体質はずっと変わらないままで、また似たような問題を起こすことになる。
アメフト界でも「アメフトのイメージが悪くなった」「アメフトは危険なスポーツというイメージが付いた」と嘆きの声が聞こえるが、逆に言えばこれだけアメフトのことが日本のテレビで取り上げられたのは初めてだ。
事実、被害を受けた関西学院大学の奥野選手が怪我から復帰した試合は、定期戦に過ぎなかったにもかかわらず(関西大学戦)、大勢のファンと報道陣が詰めかけた。
つまり今は、世間の人にアメフトのことを宣伝する絶好のチャンスとも言える。
そこで今回は、アメフトのルールについて簡単に説明しよう。
といっても筆者はアメフトには詳しいわけではないが、その方が却って素人目線で解説できるだろう。
「アメフトはルールが複雑だからわからない」という人は多いが、実は野球よりもルールはずっと簡単なのだ。
細かいルールを説明しても混乱するだけなので基本的なルール説明にとどめ、またアマとプロ(NFL)では多少ルールが違うため、日本のルールに準拠している。
NFLスーパー・プレイ集
アメフトではメートル法は使わず全てがヤード・ポンド法を用いるが、フィールド・オブ・プレーの大きさは縦53・1/3ヤード(48.76m)×横100ヤード(91.44m)となっている。
なお、横幅に関してはゴールラインからエンドラインまでのエンドゾーンがそれぞれ10ヤードずつあり、それも合計すれば横120ヤード(109.73m)となる(これをイン・バウンズという)。
フィールドには縦方向に5ヤードずつラインが引かれており、5ヤードの中には1ヤードずつ細かいラインが引かれている。
エンドラインの中央にはゴールポストがあり、そこにキックでボールを入れると得点になる。
横方向にはサイドラインが引かれており、そこを超えるとアウト・オブ・バウンズだ。
アメフトのフィールド。5ヤードずつラインが引かれている。手前と奥にあるH型のポールがゴールポスト
試合時間は15分クォーターを4回、計60分で行う(リーグによっては12分クォーターの計48分)。
実際にはプレーによって時計が止まるため60分では終わらず(後述)、だいたい2~3時間ぐらいかかる。
①タッチダウン=6点
②トライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)=1点
③2ポイント・コンバージョン=2点
④フィールド・ゴール=3点
⑤セイフティ=2点
①タッチダウンは、ラグビーにおけるトライによく似ており、ボールを持った選手が敵陣ゴールラインを超えてエンドゾーンに入れば6点を獲得する。
この際、ラグビーのトライのようにボールを地面に着ける必要はなく、ゴールラインを超えた時点でタッチダウンが認められる。
タッチダウンはアメフトにおける最大の華であり、攻撃側はタッチダウンを目指してプレーする。
相手のキックオフからリターンしてのタッチダウン
②トライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)はタッチダウンをした後に、ボールをキックしてゴールポストの間に入れると1点が追加される。
ラグビーのコンバージョン・ゴールに似ており、コンバージョン・ゴールはトライの位置によってキックする位置も変わるが、アメフトのトライ・フォー・ポイントはタッチダウンの位置に関係なく、常に中央からのキックとなるため、失敗することはほとんどない。
なお、必ずトライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)を狙わなければならないということはなく、③2ポイント・コンバージョンを選択することもできる。
トライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)と2ポイント・コンバージョンを総称してポイント・アフター・タッチダウンと呼ぶ。
トライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)
③2ポイント・コンバージョンもタッチダウン後の得点方法だが、②トライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)の1点では少ないので、もっと点が欲しいときに選択する。
敵陣3ヤードの地点から、もう一度タッチダウンを成功させることができれば2点が追加される。
たとえば8点ビハインドの場合は、タッチダウン(6点)+トライ・フォー・ポイント(1点)=7点では同点に追い付けないから、タッチダウン(6点)+2ポイント・コンバージョン(2点)=8点を狙うわけだ。
④フィールド・ゴールは、敵陣ゴールラインに近いものの、タッチダウンを諦めたフォース・ダウンのときに多く行われる(理由は後述)。
無理にタッチダウンの6点を狙いに行くのではなく、キックにより確実に3点を奪う作戦だ。
キックの方法はトライ・フォー・ポイント(フィールド・ゴール)と同じだが、キックする場所はその時によって違う。
⑤セイフティは自殺点のようなもので、攻撃側のボール保持者が自陣のエンドゾーン内で守備側のタックルを受けること。
あるいは、攻撃側がコントロールしているボールを、自らゴールライン後方でアウト・オブ・バウンズに出してしまうこと。
いずれもセイフティとなって2点が守備側に入る。
しかも、失点後のフリー・キックも攻撃側が自陣20ヤードから行い、相手に攻撃権を与えるという、踏んだり蹴ったりの失点。
珍しい点の入り方と言えるが、戦術によってわざとセイフティで失点する場合もある(インテンショナル・セイフティ)。
フィールドに出る人数は、サッカーと同じ11人。
サッカーやラグビーと違う点は、選手の出入りは自由なこと。
さらにチーム内で、オフェンス(攻撃)・チーム、ディフェンス(守備)・チーム、キッキング・チーム、レシービング・チームなどに分かれるのが普通。
したがって、1チーム50人以上の大所帯になる場合もある。
野球でいえば全ての選手にDH制が敷かれているようなもので(右翼手専門で打つことがない、とか)、選手の専門化が進んでいる。
もちろん、1人の選手が複数のポジションを兼任しても構わない。
試合前のコイントスにより、どちらかのチームによるキックオフで試合が開始される。
キックオフの位置はハーフウェイ・ラインではなく、自陣35ヤード・ラインからのプレース・キックで、キッキング・ティーの上にボールを置いてキックする。
セイフティを除く得点後も、得点を入れた側が同じ要領でキックし、その場合は正確にはフリー・キックと言うが、一般的にはキックオフと呼ばれる(キックオフはフリー・キックの一種)。
キックオフやフリー・キックは、蹴ったボールが10ヤードを越えなければならない。
通常は、キックオフ(フリー・キック)されたボールを相手側が捕って走り出した時点で時計が動き出し、ボールを持った選手が走って相手タックルにより止められたら、その地点からキックオフ(フリー・キック)した相手側の攻撃となる。
キックオフ(フリー・キック)では大きく蹴り込むのが普通だが、どうしても得点が欲しい場合は10ヤードぎりぎりの所に蹴って、味方にボールを捕らせて自チームの攻撃権を得ようとする(オンサイド・キック)。
キックオフ(フリー・キック)終了後、スクリメージと呼ばれるセット・プレーから試合が再開される。
フリー・キックが行われない場合は、全てスクリメージからのプレーとなる。
ラグビーでのスクラムに相当するが、スクラムと違って組み合うことはなく、攻撃側と守備側が対面する形だ。
なお、スクリメージの中央、ボールの両端の仮想延長線をスクリメージ・ラインといい、ボールの範囲内はニュートラル・ゾーンとなる。
攻撃側は、最前列の中央にいる選手(センター)が股の間からボールを後ろの選手に手渡しあるいは投げて渡し(スナップ)、攻撃が始まる。
スクリメージ。ボールを持っている青(関学大)が攻撃、赤(日大)が守備
さっきから何気に攻撃側と守備側なんて言葉を使っているが、アメフトがラグビーやサッカーと大きく違う点に、攻撃権の有無がある。
アメフトには攻撃側と守備側がハッキリ分かれるという、野球的要素があるのだ。
攻撃側には4回の攻撃権があり、4回の攻撃の間に10ヤード進むとその地点からさらに4回の攻撃権を得ることができる。
これをファースト・ダウン更新という。
ファースト・ダウンとは「1回目の攻撃」という意味で、2回目の攻撃はセカンド・ダウン、3回目の攻撃はサード・ダウン、4回目の攻撃はフォース・ダウンと呼ぶ。
フォース・ダウンを終えても10ヤード進んでいない場合は、攻守交替となる。
野球でいえば、3アウト・チェンジといったところだ。
どこがファースト・ダウン更新する10ヤード目かはわかりにくいが、最近のテレビ中継ではスクリメージ・ラインと10ヤード目のラインがバーチャル・ラインで引かれているのでわかりやすい。
生観戦の場合は当然バーチャル・ラインなどないが、ヤード・チェーン・クルーが示してくれるのですぐにわかる。
なお、1回の攻撃の終了は、
①守備側のタックルを受けて倒れる(タックル成立)
②パスが不成功に終わる(パス・インコンプリート)
③ボールを持った選手がアウト・オブ・バウンズに出る
などの場合となる。
ラグビーの場合は、タックルが成立してもラックやモールなど密集プレーを形成して二次攻撃、三次攻撃と繋げることができるが、アメフトの場合はタックルが成立するとそこで1回の攻撃は終了だ。
アメフトでは1回の攻撃でタッチダウンを奪うのが理想だが、なかなかそうもいかないので、10ヤードずつ進めてファースト・ダウンを重ね、タッチダウンに結び付けていく。
もちろん守備側は、なるべくファースト・ダウンを攻撃側に与えないように、10ヤードを進めさせる前に4回の攻撃を終わらせるのが理想だ。
アメフトには4回の攻撃権があると書いたが、実質的には攻撃権は3回しかないと考えてよい。
なぜなら、10ヤード進めずに4回目の攻撃を迎えた場合は、パント・キックして攻撃権を放棄することが圧倒的に多いからだ。
パント・キック(ボールを前に投げてノーバウンドで蹴ること)については後述するが、フォース・ダウンで無理に攻撃するよりも、敵陣に大きく蹴り込んで攻撃権を放棄し、相手が次の攻撃をさせにくくするのが常套手段である。
ラグビーではキックも攻撃の手段だが、アメフトではキックは攻撃権の放棄を意味する。
そのためサード・ダウン、即ち3回目の攻撃での攻防が、アメフトの醍醐味となる。
攻撃側はサード・ダウンでなんとしても10ヤード進めてファースト・ダウン更新しようとするし、守備側はファースト・ダウン更新をサード・ダウンで食い止めようとする。
サード・ダウンで10ヤード進めば、そこからまた4回の攻撃権を得ることができるのだから、タッチダウンを奪う確率が高くなるのである。
サード・ダウンを終えても10ヤード進めなかったときには、前述したように大抵は攻撃を諦めてフォース・ダウンはパント・キック(あるいは、単にパントと呼ぶ)を行使する。
敵陣に大きく蹴り込むことが目的だが、その場合はパント・チームの登場となる。
守備側も相手がパントをしてくることはわかっているので、レシービング・チームを投入する。
攻撃側はパンターと呼ばれるパント専門の選手が大きく蹴り込み、守備側はリターナーと呼ばれる選手がボールを捕ってリターンする。
リターンした選手を攻撃側の選手がタックルして止めた時点で攻守が入れ替わり、その地点からさっきまで守備側だったチームの攻撃が始まる。
もちろん、リターナーが相手のタックルをかわし、そのままタッチダウンすることもある。
パントしたボールが守備側の選手に触れなかった場合は、ボールが止まった地点から攻守を入れ替えての攻撃となる。
パントしたボールがエンドゾーンに入った場合はタッチバックとなって、それまで守備側だったチームによる自陣20ヤード地点からの攻撃となる。
フォース・ダウンの攻撃、しかし敵陣ゴールラインに比較的近い場合、ファースト・ダウンやタッチダウンは諦めても、パントはせずにフィールド・ゴールを狙うという戦法もある。
タッチダウンの6点は取れないが、確実に3点を奪おうというわけだ。
ラグビーで言えばトライの5点を狙わずに、確実に3点を奪うペナルティ・ゴールに似ているが、アメフトのフィールド・ゴールの場合は別に反則があって狙うわけではない。
フィールド・ゴールを狙う場合は、キッキング・チームが登場する。
トライ・フォー・ポイントも同じチームだが、違うのはフィールド・ゴールの場合は正面とは限らず、距離も角度も難しい位置がある点だ。
したがって、失敗して3点も取れずに攻撃権を放棄することも多い。
フィールド・ゴールやトライ・フォー・ポイントの場合は、スナップされたボールをホルダーという専門の選手が受け取ってセットし、それをキッカーがゴールポストに蹴り込む。
試合終盤に負けていて、フォース・ダウンになっても、どうしてもファースト・ダウンやタッチダウンが欲しい場合がある。
あるいは切羽詰まった状況ではなくても、あと1ヤードぐらいでファースト・ダウン更新、もしくはタッチダウンを奪える状況のときに、パントで攻撃権を放棄したりフィールド・ゴールによる3点で終わらせるのが惜しいということもあるだろう。
そんなときに行われるのがフォース・ダウン・ギャンブル(あるいは単にギャンブル)だ。
といっても特別なことをするわけではなく、パントやフィールド・ゴールをせずに、他のダウンと同じく普通に攻撃することだ。
ただし、ファースト・ダウン更新できなかった場合は、不利な位置で攻撃権を相手に渡すことになり、大ピンチに陥ることになる。
まさしくギャンブル、即ちバクチというわけだ。
しかし、試合終盤で3点では逆転できない場合や、攻め続けなければならない場合は、ギャンブルも致し方ない。
また、ギャンブルに成功するとチームが勢いづく場合もある。
時々見られるのは、パントやフィールド・ゴールを狙うと見せかけて、ギャンブルに出るプレーだ。
もちろん守備側も、相手の意表を突く攻撃を想定して守らなければならない。
フォース・ダウンのときは、そのあたりの作戦を読んで観戦するのも面白い。
まだ4回の攻撃が終わってなくて、得点も入っていないのに、攻守交替する場合がある。
ターンオーバーが起きた時だ。
ターンオーバーとは、守備側の選手がボールを奪うことである。
ターンオーバーには、ファンブル・リカバーとインターセプトの2種類がある。
ファンブル・リカバーとは、攻撃側の選手が落とした(ファンブルした)ボールを、守備側の選手が押さえたときに発生する。
ファンブル・リカバーに成功すれば、その地点から攻守交替して、それまで守備側だったチームが攻撃権を得る。
ただし、パスされたボールを攻撃側の選手が単に弾いた場合はパス不成功(パス・インコンプリート)とみなされ、ファンブル・リカバーは発生しない。
野球でいう完全捕球の状態からボールを落としたときのみ、ファンブルとなる。
インターセプトは、パスされたボールを守備側の選手がダイレクト・キャッチすることを言う。
ボールをキャッチした途端に攻守が入れ替わる。
インターセプトが起きると、攻撃側は攻撃専門のチームで、しかも守備隊形が整っていないため、タッチダウンの絶好のチャンスとなる。
タッチダウンまではいかなくても、大きなゲインが期待できるビッグ・プレーである。
2017年度の甲子園ボウル、日大×関学大。日大が勝利を決定づけるインターセプトに成功するが、このときに関学大のパスをカットしてインターセプトをアシストしたのが、今回の反則タックルをさせられた宮川選手
アメフトはフットボールと銘打ちながら、キックを攻撃として使用することはない。
前述したように、キックするということは攻撃権の放棄を意味するからだ。
アメフトの攻撃方法としては、大きく分けてランとパスがある。
文字通り、ボールを持った選手が走って前に進むプレーがランである。
あまり大きなゲインは期待できないが(もちろん、大きくゲインすることもある)、小刻みかつ確実に前進することができる。
また、相手にボールを奪われる危険性も少ない。
デメリットとしては、前述したようにさほど大きなゲインは望めないことだ。
ラン・プレーによるNFLタッチダウン集。時にはロング・ゲインすることもある
今回の日大アメフト問題で、アメフトに関して全く知らなかった人でも、クォーターバック(QB)というポジション名は覚えただろう。
反則タックルを受けた関学大の奥野選手のポジションがクォーターバックだ。
そのクォーターバックが最も光るプレーがパスである。
アメフトでは1回の攻撃の中で、1回だけ前にボールを投げることができる(フォワード・パス)。
前へのパスが禁じられているラグビーとは対照的だ。
したがって、アメフトではラグビーのようにパスを繋ぐということがほとんどなく、だいたいは1回の攻撃で1回しかパスは行わない。
ロング・パスが成功すると、大きなゲインが期待できる。
パスはダイレクト・キャッチされたときのみ成功とみなされる。
したがって、ボールがワンバウンドすれば、その時点でパス不成功(パス・インコンプリート)だ。
ボールを受ける選手(レシーバー)がエンドゾーンでパスを受け取ると、タッチダウンとなる(タッチダウン・パス)。
ロング・パスはまさしくアメフトの花形プレーだ。
パスの欠点は、インターセプトされる危険性があることである。
それに、パスを投げる前にクォーターバックがタックルを受けると(クォーターバック・サック)、スクリメージ・ラインより下がった状態で次の攻撃に移らなければならない。
いわばパス攻撃は諸刃の剣なのである。
なお、パス不成功(パス・インコンプリート)の場合は、次の攻撃は再びスクリメージ・ラインから開始する。
NFLパス・プレー集。ロング・パスはアメフトの花形プレーだ
パスとランを組み合わせるという方法もある。
ロング・パスではなく短いパスを投げて、受け取った選手がそのまま走るという攻撃だ。
この攻撃の長所は、パスを成功させやすいうえに、相手の守備陣を読みにくくする効果がある。
欠点としては、パスが成功してもほとんどゲインはなく、むしろパスだけではロスすることも多いので、パスを受け取った途端にタックルを受けるとスクリメージ・ラインから後退する可能性が高いことである。
なお、ロング・パスが成功した後でも、レシーバーが倒れなければそのままラン攻撃を続けても良い。
アメフトがラグビーと決定的に違うのは、攻撃側の選手が守備側の選手をブロックできる点だ。
ラグビーでタックルに行こうとする選手をブロックするとオブストラクションという反則になるが、アメフトでは絶対に欠かせない攻撃方法である。
アメフトの攻撃チームで、守備選手をブロックする役目のポジションをオフェンシブ・ラインと言い、11人中5人がこのプレーヤーにあたる。
オフェンシブ・ラインの5人は、ボールを触ることが許されていない(スナップのときのセンター以外)。
即ち、オフェンシブ・ラインの選手たちは、攻撃チームにいながら決してタッチダウンを奪うことができないのだ。
オフェンシブ・ラインが縁の下の力持ちと呼ばれる所以で、ディフェンス以上に地味なポジションである。
なお、オフェンシブ・ラインの選手たちは50~70番台の背番号を着け、他の選手と区別されている。
言い換えれば、攻撃チームでもボールを触ることができるのは11人中6人しかいないというわけだ。
青(関学大)の黒丸で囲った5人がオフェンシブ・ライン
アメフトで闘う相手は相手チームだけではなく、時間とも闘わなければならない。
ラグビーやサッカーなども時間制のスポーツなので時間との闘いはあるのだが、アメフトの場合はもっと明確になる。
ラグビーやサッカーで時計が止まるのは怪我人が出た場合などで、それ以外は特別なことがない限り基本的には時計は止まらない。
しかしアメフトでは、プレーによって時計が止まる場合と止まらない場合が、ルールによってハッキリと決められている。
つまりアメフトでは、タイム・マネージメントが非常に重要となるのだ。
アメフトではダウンが始まる前、ハドルという作戦会議が行われる。
ボールデッドになってから40秒以内に次のプレーを始めなければいけないので、ハドルの制限時間は最大40秒ということになる。
また、レディー・フォー・プレー(プレーの準備ができたと審判が笛を吹いて合図すること)からは25秒以内にプレーを始めなければならないので、それまでにハドルを終わらせる必要がある。
時計が動いている状態でハドルを行うと、最大40秒間も時間を消費するということだ。
試合が終盤になってリードしているチームはできるだけ時間稼ぎをしたいわけだから、時間ギリギリまでハドルを行う。
逆に負けているチームは、ノー・ハドルですぐに攻撃を開始しなければならない場合もある。
①クォーターが終わったとき
②攻守交替になったとき
③チーム・タイムアウトがあったとき
④レフリー・タイムアウトがあったとき
⑤ファースト・ダウン更新したとき
⑥得点が入ったとき(ポイント・アフター・タッチダウンの間、時計は止まったまま)
⑦ボールを持った選手(ボール・キャリア)がアウト・オブ・バウンズに出たとき
⑧パス不成功(パス・インコンプリート)になったとき
に時計が止まる。
①クォーターが終わったときと②攻守交替のときに時計が止まるのはわかるだろう。
③チーム・タイムアウトがあったときに関しては後述する。
④レフリー・タイムアウトがあったときに時計が止まるのは、その間に審判が協議したりして判定を下すためだ。
今回の日大による反則タックルがあったとき、審判がすぐに黄色い布を投げ付けたが、これはイエロー・フラッグと呼ばれ、反則があったと思われるときに投げられる。
したがって、イエロー・フラッグが投げられたとき(あるいは反則があったとき)にも時計は止まる。
⑤ファースト・ダウン更新したときには時計が止まるが、ヤード・チェーン・クルーの移動が終わってレディー・フォー・プレーとなった場合はすぐに時計は動き出す。
なお、NFLの場合はファースト・ダウン更新という理由では、時計は止まらない。
⑥得点が入ったときにも時計は止まり、タッチダウン後のトライ・フォー・ポイントや2ポイント・コンバージョンを行っている最中でも、時計は止まったままである。
⑦ボールを持った選手(ボール・キャリア)がアウト・オブ・バウンズに出たときは時計が止まり、逆に言えばフィールド・オブ・プレー内でタックルが成立すれば、次のダウンに移るときでも時計は動いたままである。
前述したように、ハドルの最中でも時計が動いたままになるのは、ラン・プレーでタックルが成立したようなときだ。
⑧パス不成功(パス・インコンプリート)になったときにも時計は止まり、特に⑦と⑧は時計を止める戦術としてよく使われる。
試合終盤で負けているとき、できるだけ時間を消費しないようにするため、フィールド・オブ・プレー内でタックルされることを避け、ボールを持ったままアウト・オブ・バウンズに出たり、パス・プレーを多くして不成功でも時計を止めるようにする。
両チームには前半と後半、それぞれ3回ずつのタイムアウトを取る権利がある。
つまり、最大で6回のタイムアウトがあるわけだ。
タイムアウトを取る目的として、監督やヘッドコーチができるだけじっくりと作戦を授けるということもある。
それ以外の大きな目的は、時計を止めることだ。
負けているチームは、できるだけ時間を消費したくないが、ラン・プレーでタックルが成立すると、ハドルを行う間にもドンドン時計は進んでしまう。
そこで、タイムアウトを取って時計を止めて、じっくり作戦会議を行うというわけだ。
そのため、タイムアウトを取るタイミングは非常に重要となる。
あまりにも早い段階でタイムアウトを消化してしまうと、試合終盤でタイムアウトが無くなって困る事態にもなるし、作戦タイムをじっくり取ることが必要な場面でタイムアウトの消化をケチって、絶好のチャンスを失う場合もある。
最近ではチャレンジというビデオ判定を要求する制度があり、チャレンジに成功(判定が覆る)するとタイムアウトの回数はそのままだが、チャレンジに失敗(判定は覆らず)するとタイムアウトを1回消化してしまう。
したがって、チャレンジを要求する場合は、判定が覆る絶対の自信がないと行わないことが多い。
●スパイクとニー・ダウン
試合終盤で負けているとき、時計を止めたくてもタイムアウトを既に3回使ってしまっていた、という場合がある。
その場合はノー・ハドルという方法があるが、ハドルを行わなければ意思の疎通が図れない。
そこで行われるのがスパイクという方法だ。
スパイクとは、スナップされたボールを受け取ったクォーターバックが、そのままボールを地面に叩き付ける行為のことをいう。
これはパス不成功(パス・インコンプリート)とみなされ、時計が止まるのだ。
時計が止まっている間に、ハドルを行うことができる。
そのかわり、攻撃回数が1回減ってしまうというデメリットもある。
逆に、試合終盤で勝っているチームは、できるだけ早く時間を消費したい。
その際に行われるのがニー・ダウンという戦法だ。
スナップされたボールを受け取ったクォーターバックが、そのまま膝を地面に着けてしまうのである。
これはタックル成立とみなされるため、時計はそのまま止まらない。
そして、じっくりとハドルを行う間にも、時計はドンドン進むので、勝っているチームには有利となる。
場合によっては、わざと規定よりも長くハドルを組み、ディレイ・オブ・ザ・ゲームという反則で罰退を受けても、時計を余計に進めることもある。
アメフトには数々の反則があるが、それをいちいち挙げるとキリがない。
テレビ中継では反則があった場合はそれについて解説してくれるし、生観戦でも審判が反則についての説明をするので、それを聞いて覚えるのが一番いいだろう。
最初のうちは、イエロー・フラッグが飛んだとき「ああ、反則があったんだな」と思う程度で良い。
ラグビーで反則が起きると、反則をされた側にスクラムの権利や(軽微な反則の場合)、フリー・キックの権利(中程度の反則の場合)、あるいはペナルティ・キックの権利(重度の反則の場合)を与えることになる。
ところがアメフトの場合は、反則された側に権利を与えるのではなく、反則した側に罰則を科すのだ。
反則の度合いは軽・中・重に分けられ、軽微な反則の場合は5ヤード罰退、中程度の反則では10ヤードの罰退、重度の反則の場合は15ヤードの罰退となる。
もちろん、悪質な反則を犯した選手には、これらの罰退以外でも資格没収(退場処分)となるのは、今回の日大の反則タックル問題でご存じだろう。
たとえばファースト・ダウン更新まであと10ヤードのとき、守備側のチームが10ヤード罰退の反則を犯せば、攻撃側は労せずしてファースト・ダウン更新となるわけだ。
ただ、攻撃側が反則した場合、何ヤードかの罰退となるが、基本的に攻撃回数は減らない。
仮にサード・ダウンで反則しても、罰退は受けるが次の攻撃もまたサード・ダウンから始まるので、2回攻撃できるわけだ。
そこで守備側が、罰退させるよりも攻撃回数を消化させる方が有利と判断した場合は、反則を取らずに(つまり罰退させずに)、次の攻撃をフォース・ダウンにさせるという選択もできる。
そうすると残り1回の攻撃で、ギャンブルしなければパントとなって攻撃権を得るというわけである。
以上でだいたいのルール説明は終わったが、少しは理解できただろうか。
最初から何もかも覚えるのは無理なので、ルールがわからなくても試合の迫力を楽しんで、わからない部分があれば本稿を読んでもらって確認する、という形で利用すればいいだろう。
それでは最後に、アメフトのボウル・ゲームを紹介しよう。
アメフトでは競技場をお椀(ボウル=bowl)に見立てて、ボウル・ゲームと呼ぶ。
元々はアメリカの大学での重要な試合がボウル・ゲームと呼ばれていて、ローズ・ボウルやオレンジ・ボウルなど、その土地の特産品が冠に付いている。
日本の場合は米が特産品なので、最も重要なボウル・ゲームはライス・ボウルという名称だ。
本稿がアメフト観戦の手助けになれば幸いである。
★甲子園ボウル(大学選手権決勝=場所:阪神甲子園球場、日時:12月中旬)
★ジャパンXボウル(社会人選手権決勝=場所:東京ドーム、日時:12月中旬)
★ライス・ボウル(日本選手権=場所:東京ドーム、日時:1月3日)
※ライス・ボウルは甲子園ボウル優勝チーム(大学王者)とジャパンXボウル優勝チーム(社会人王者)との対戦
★スーパー・ボウル(NFL決勝戦=場所:開催年による、日時:2月上旬)
★プロ・ボウル(NFLオールスター戦=場所:開催年による、日時:1月下旬)
日時:2018年6 月14 日(木)〜6 月24 日(日)
場所:中華人民共和国ハルビン市 ハルビン商科大学スタジアム
参加国:アメリカ、メキシコ、日本、オーストラリア、韓国、中国
(写真と本文は関係ありません)
5月30日、明治神宮球場で行われた東都大学野球の東洋大学×亜細亜大学で、以下のようなプレーがあった。
6回裏、東洋大の攻撃で無死一、二塁、ここで一番の竹原祐太はセンターへ飛球を放った。
浅いフライだったため2人の走者は塁をほとんど離れず、亜大の二塁手・安食幹太は二塁走者にタッチ、さらに二塁ベースを踏んでダブルプレーをアピールした。
しかし、審判の判定は完全捕球で、アウトは一つしか認められなかった。
この判定に亜大の生田勉監督は猛抗議したが判定は覆らず、結局は0-1で亜大は敗れた。
試合後、亜大の生田監督は、
「こっちはルールブックを勉強して、外野手には故意落球がないことを分かっている。その上で、故意落球しろ、という練習を普段からやっている。優勝がかかった試合で、あのジャッジは納得ができない」
と怒りを露わにした。
このプレーに関し、ネット上でも、
「ルール違反ではないのに、何が悪い!?」
という意見が多かったので驚いた。
何よりも、名門・亜大の監督が、こんな考え方で野球を選手に教えていたなんて、非常に残念である。
生田監督が言うように、外野手には故意落球は適用されない。
ちなみに、故意落球とは無死もしくは一死の状態で走者が一塁にいるときに、打者が飛球を放った場合、内野手がわざと落球してダブルプレーを狙う行為をいう。
この場合、落球とは判定されずに飛球を捕球したとして打者はアウトになり、ボールデッドとなって走者は元の塁に戻される。
つまり、わざと落球してダブルプレーを狙うという卑怯な手を防ぐために生まれたルールだ。
外野フライの場合は、わざと落球しても走者は進塁できるだろうという想定のもとで、故意落球は適用されない。
しかし、今回のように浅い外野フライの場合は、わざと落球することによってダブルプレーが生まれるケースもある。
だからといって、外野手にまで故意落球の適用を認めるようになると、適用範囲が非常に複雑になってしまう。
ルールでは外野手の故意落球が適用されないからと言って、こんなプレーが横行すると、ますます余計な規則が生まれ、野球が無駄にわかりにくくなってしまうのだ。
生田監督は「ルールの勉強をしている」と言ったが、それは非常に良いことだ。
野球のルールを知らない野球人が、プロでもいかに多いことか。
プロの監督が審判に抗議をするが、ルールを知らないからトンチンカンなことで文句を言っている。
テレビ解説者もルールを知らないので「審判のミスですねえ」などとしたり顔で言う。
審判の方が遥かにルールには詳しいのに。
その点で言えば、ルールを勉強している生田監督は立派なものだが、問題は勉強の仕方だ。
生田監督がルール勉強をしているのは「ルールの抜け穴」を探すためである。
これではブラック企業や悪徳政治家、あるいは反社会勢力(ヤ●ザなど)と全く同じではないか。
ルールを勉強するということは、野球について正しい知識を得るということである。
しかし、生田監督がやっているのは、それと正反対のことだ。
野球の本質を捻じ曲げ「ルール内だからいいだろ」などと平気でのたまう。
しかも、こういう間違った野球を、未来ある学生に教えているというのだから恐ろしい。
生田監督は、なぜ「故意落球」というルールが野球にあるのか、考えたことがあるのか。
当然、わざとダブルプレーを取るという、汚いプレーを防ぐためである。
ところが、そのルールを逆手にとって、さらに汚いプレーを教え込もうとしているのだ。
さらに問題なのが、こんな野球とかけ離れたプレーを「頭脳プレー」などと持ち上げるファンや、あるいは野球関係者までいるということである。
要するに、生田監督や、こんなプレーを「ルール内なのに何が悪い」などという人は、野球の本質を知らないのだ。
かつて、高校野球の名審判と言われた故・西大立目永さんは、ある県の研修会に呼ばれたとき、ある監督からボークの基準について質問されたそうだ。
「こういう投手の動きはボークになるのか?あるいは、この動きだったら、ルールブックを読むとボークではないでしょう」
などと、その監督はしつこく質問する。
「いや、それもボークです」
と西大立目さんは毅然として答えると、その監督は、
「これがボークになると、走者を騙せない」
と言ったそうだ。
ところが、西大立目さんはピシャリと言った。
「そんなことばかり気にしているから、お宅の県はいつまで経っても甲子園で勝てないんです!」
走者を騙そうとするのがボーク、それが野球の基本だ。
それを、
「これがボークだと、走者を騙せない」
では、本末転倒である。
野球の本質を知らず、ルールの抜け穴ばかり探すから、肝心の野球の実力は身に付かない。
野球ファンの誰もが知っている、中馬庚(ちゅうまん・かなえ)という人物がいる。
明治時代、「baseball」という英語を「野球」と和訳した人だ。
野球という米国産スポーツを日本に広めた大功労者である。
その中馬庚が、こう言い放ったことがある。
「日本野球に、インフィールド・フライなどというルールは不要だ」
と。
インフィールド・フライは、故意落球と似たルールである。
違うのは、インフィールド・フライが適用されるのは無死または一死で走者が一、二塁もしくは満塁のときにのみ適用される点だ。
この状態のとき、打者が高い内野フライを放つと、審判は「インフィールド・フライ」を宣告する(ファウルになった場合は無効)。
そうすると、打者は自動的にアウトとなって、わざと落としてのダブルプレーを防ぐというルールである。
故意落球ともうひとつ違う点は、インフィールド・フライではインプレーとなることだ。
故意落球の場合はボールデッドとなるが、インフィールド・フライの場合の走者はアウトを賭して走っても構わない。
共通しているのは、卑怯なダブルプレーを防ぐという目的だが、中馬庚はこのルールを「日本野球には必要ない」と断言した。
要するに、そんな汚いプレーをする日本人などいない、ということである。
そうでなくても、日本に輸入された頃のベースボールは「米国人が行う、巾着切りのようなもの」などと揶揄された。
そこで中馬庚は野球に単なる勝ち負けではなく精神性を求め、フェアプレーを説いたのだ。
ルールでわざわざ縛らなくても、卑怯な真似をして併殺を取ろうとする者など日本にはいない、と。
もし中馬庚が生田監督の指導方針を知ったら、草葉の陰で泣いたことだろう。
生田監督の「ルールの抜け穴を探すためのルール勉強」も呆れるが、もっと呆れるのが「故意落球しろ、という練習を普段からやっている」ということだ。
こんなバカげた練習を真剣に取り組んでいたなんて、バカバカしさを通り越して可愛さ百倍である。
たしかに、この試合の状況で、仮に”外野手の故意落球”によるダブルプレーが完成していれば、いかに汚い作戦とは言え成功と言えるだろう。
しかし、こんな場面が何試合あるというのか。
こんなシチュエーションは、滅多にないだろう。
そんな滅多に起きないことを想定して、貴重な練習時間を割いていたのである。
こんな下らない練習をやる時間があるのなら、野球にはもっと鍛えなければならないことがいくらでもあるはずだ。
ボールをわざと落とす練習をするぐらいなら、ボールを絶対に落とさない練習をした方が遥かにいい。
そもそも、故意落球の練習をして、ボールを落とす癖でも付いたらどうするのか。
しかも、このバカバカしい練習をしているのは、将来ある大学生である。
こんな故意落球が、その後の野球人生で活かされることは、まずない。
「アイツは外野手なのに故意落球が上手いな。よし、アイツをレギュラーにしよう」
などと言う監督が、プロ野球や社会人野球に1人でもいるというのか。
今後の野球人生で最も必要となるのは、野球の実力である。
故意落球などというセコイ技が、よりレベルの高い野球で評価されるはずがない。
それならば、野球の実力を高める練習をやらせておく方が、学生にとってはずっと必要だ。
早い話、故意落球の練習など百害あって一利なし、全くの時間の無駄である。
最近では日本大学アメリカン・フットボール部の選手による悪質タックルが社会問題にまで発展しており、この故意落球は相手を怪我させるプレーではないし一応はルール違反でもないのだからまだマシだが、根っこにあるものは同じである。
要するに「勝つためには何でもやる、勝ちゃあええ」という考え方だ。
最近では「ルールさえ守れば何をやっても構わない」と考える輩が多すぎる。
こういう指導は、学生の将来にとって役に立たないばかりか害になるばかりである。
さすがに悪質タックルを称賛する人はいないが、この無意味な故意落球を容認する人は、野球のみならずスポーツの本質がわかっていないのである。
日大の危険タックル問題はもとより、スポーツの安全性が叫ばれる昨今、プロレス界は安全対策にどう取り組めばいいのか?
週刊ファイトにコラムを書きました。
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2013年の甲子園ボウル、関西学院大学(青)×日本大学(赤)の試合終了後に、お互いの健闘を称え合う両雄
5月6日に行われたアメリカン・フットボールの定期戦、日本大学×関西学院大学の試合で、日大の選手が悪質な反則タックルで関学大のクォーターバック(QB)の選手を負傷に追い込んだことはご存じだろう。
ネタランでは、テレビ・メディアが報じる前に、そのことに関して言及した。
現在では誰もが知っている社会問題に発展したが、ほとんどの人と同じ感想を筆者も感じているので、ここでは多く語るまい。
ただし、18日の時点での現況には少し触れてみよう。
17日に関学大側が記者会見を行い、日大の回答書に関して「誠意がない」と不満を表明。
一方の日大側は、内田正人監督などが、関学大の負傷したQBの選手に直接、謝罪をすると表明したが、いつになるのかは未定だという。
この悪質な反則タックルが起きて2週間近くも経つのに、まだ謝罪をしていないというのは、誠意がないと言われても仕方のないことだ。
しかも、関学大側の回答要求に対し、日大側は「反則タックルを指示した事実はなく、選手が指示を誤解して行った行為」と回答していたのだ。
つまり、内田監督に責任はなく、誤解して反則タックルした選手に責任があると言わんばかりの回答だった。
試合直後のインタビューで、内田監督は、
「やらせた私の責任」
とコメントしていたのにもかかわらず、である。
内田監督は口先ばかりで、我が子も同然とも言える選手を守ろうとはしなかった。
というより、我が身の保身に走ったのだ。
まるでヤ●ザの親分が、下っ端の組員に対し、
「(敵方の親分の)タマ取ってこい!ムショから帰ったら、お前は幹部やぞ!」
と言っているようなものだ。
で、警察からのガサ入れが入ると、
「いやあ、組員が勝手にやりおったんですわ」
と、全て下っ端組員の責任にしてしまう。
こんなことは暴力団に限らずよくあることで、政治の世界でもいくら不祥事を追及されようが、大臣は「それは秘書が勝手にやった」「官僚の責任」と言っているではないか。
会社でも、不祥事が起これば「社員が勝手にやったこと」「私の指示を社員が誤解した」と社長以下取締役は一切責任を取ろうとしない。
悲しいかな、日大アメフト部は日本社会の縮図である。
記者会見を行った関学大の鳥内秀晃監督は、
「指示通りではなかったのなら、なぜ最初の反則タックルでベンチに下げて注意しなかったのか」
と語った。
当然の疑問である。
さらに関学大の鳥内監督は、
「反則タックルを行った選手は、昨年度の甲子園ボウルではルール内でのタックルに終始していたし、今回の試合でも当該選手以外の選手は反則タックルは行っていなかった」
と語り、反則タックルを行った当該選手に対して、内田監督をはじめとする日大のコーチ陣に何らかの指示があったのではないか、と疑問を呈した。
現在のところ、日大側の記者会見は行われていないし、内田監督は公的に姿を現していない。
事件が起きて2週間近く経つのに、不誠実と言われても仕方がないだろう。
内田監督は「忙しいから」という理由で公的な場に姿を見せないらしいが、こんな重大な事が起きて、それ以上に「忙しい」という理由があるのか。
どんな仕事を抱えていようが、まずは全てをキャンセルして、負傷した関学大の選手の元へ行って謝罪するのが筋だろう。
もし内田監督が「忙しい」という理由で謝罪に行けないというのならば、その理由は「身内の不幸」以外にはないはずだ。
しかし、2週間近くも内田監督は謝罪には行っていない。
2週間近くも「身内の不幸」が続いたのだろうか。
ここまでは、誰もが思う疑問だろう。
あとはテレビ・メディアが報じてくれると思うので、そちらに任せるとしよう。
今回、ネタランで語りたいのはネット社会の功罪である。
日大の選手による悪質タックルがテレビのワイドショーなどで報じられて、インターネットによる誹謗中傷が過熱した。
「内田監督は死ね!」
「日大の××(悪質タックルを行った選手の本名)は永久追放!」
「日大アメフト部は即刻廃部!」
「日大はサイテーの大学!」
と言いたい放題である。
論理的な意見もなく、個人に対して「死ね!」と言ったり、感情に任せた誹謗中傷はあまりにもレベルが低いが、それでもこれらの意見がネット上ではまだマシだというのが、インターネットの寒いところだ。
「日大ラグビー部は最悪!」
「日体大アメフト部は謝罪しろ!」
と、事実誤認も甚だしいことがネット上では書き込まれているのである。
今回、問題になっているのは「日大アメフト部」であって、「日体大」も「ラグビー部」も全く関係ない。
これら、頭の悪いネット民は「アメリカン・フットボール」と「ラグビー」の区別もつかないらしい。
ましてや「日本大学(日大)」と「日本体育大学(日体大)」は全く別の大学だということを、ご存知ないようである。
そして「日大アメフト部」と「日体大ラグビー部」の違いがわからないとは、何をかいわんや。
しかも残念なことに、頭の悪いネット民は、自分が「頭が悪い」とは自覚していないのだ。
それどころか「自分は頭がいい」と甚だしく過信しているのである。
おそらくこの人は、誰からも相手にされていない人物に違いない。
しかも、この頭の悪い連中の意見を真に受けて、ネット上で誤った情報を拡散する連中もいるのだ。
インターネットの普及により、誰もが意見を言える世の中になったのは良いことだと思う。
しかしその反面、頭の悪い連中がインターネットで間違った意見を吹聴し、拡散されていくことは果たしていいことなのか。
さらに、そんなデタラメな情報を鵜呑みにし、まるで真実のように拡散される。
しかも、頭の悪い連中は、真実よりも感情的な意見の方が支持されるので、誤った情報が流布されるのだ。
インターネットが普及して20年近く経つが、ネット民のレベルは非常に劣化した。
感情的にウソの情報を流す頭の悪いネット民に、そんなウソの情報を鵜呑みにする頭の悪いネット民。
自分の意見を言いたいのなら、少しは自分のオツムを鍛えてもらいたいところだ。
現在のネット社会に苦言を呈したが、むしろインターネットのおかげでより良い社会になりつつあることも忘れてはなるまい。
今回の悪質タックルだって、インターネットがなければ闇に葬り去られるところだった。
今回の試合が行われたのは5月6日。
しかし、いくら名門同士の試合だからと言って、定期戦に過ぎないアメフトの試合を報じるマスコミはほとんどなかった。
僅かに日刊スポーツが、この試合で退場者が出て、両監督(日大の内田監督と関学大の鳥内監督)の談話が載っていただけである。
しかも、関東学生連盟は不問に付す、という態度だった。
悪質なタックルに対し、関東学生連盟は日大に対して何のペナルティも与えなかったのである。
ところが、この悪質タックルがインターネット上で語られ始めた。
語っていたのは、アメフト・ファンやアメフト専門のライターである。
さらに、アメフト・ファンが撮影していた動画がネット上で公開された。
「これは酷い」
「こんなことが許されていいのか」
「日大は処分されるべきだ」
という意見が多数を占め、ネット上で拡散され始めた。
この頃になって、ようやく一般メディアも動き始めたのである。
この事件が起こってから1週間後、日大から何も連絡がない関学大が業を煮やして、遂に抗議文を発表した。
こうなれば、テレビ・メディアも黙ってはいない。
一気にワイドショーでも取り上げられるようになって、日大側は窮地に追い込まれることになった。
筆者は、
「これは、ワイドショーで取り上げられることになれば、とんでもないことになるぞ」
と思っていたが、本当にワイドショーで取り上げられて、これほどまでの大騒ぎになるとは想像以上だったのである。
最初のうちは、前述したように日刊スポーツが僅かに報じただけ。
その後は、関学大側が抗議すると言っても、僅かに朝日新聞や産経新聞がベタ記事で報じる程度だったのである。
正直、筆者は「これほどの重大事件なのに、一般メディアはこの程度の反応か」と憂いたほどだ。
ところが、日大側の不誠実な行動に、アメフト・ファンの怒りが爆発した。
悪質タックルの動画が、一気にインターネット上で拡散したのだ。
こうなると、各テレビ局のワイドショーも黙って見過ごすわけにはいかない。
日大アメフトによる悪質タックルのことを、各テレビ局がこぞって報道し始めたのである。
悪質タックルの試合が起きてから、1週間以上も後のことだった。
もし、新潟女児殺害事件や、西城秀樹の死亡などがなければ、日大アメフト事件はずっとトップニュースであり続けたに違いない。
もしインターネット社会でなければ、この日大選手による悪質タックルは闇に葬られていたのではないか。
たかが定期戦、ビデオ撮影している人がいても、そんなものはほとんどの人の目には触れないだろう。
しかし、インターネットのおかげで、多くの人がその悪質な反則タックルを目の当たりにしてしまった。
最初、日大側はタカを括っていたのではないか。
たかが定期戦、しかもほとんどの人が関心を持っていないアメフトの試合など、誰も注目していないだろう、と。
当然、定期戦の反則程度で世間が大騒ぎするはずがない、と日大側が思っていたとしても不思議はない。
ところが、日大側の意に反して(だと思う)、1週間以上も経った頃にテレビ・メディアが大騒ぎし始めた。
これは日大側にとっても誤算だっただろう。
もし、ワイドショーが騒ぐことがなければ、一般社会には気付かれずにやり過ごすことができる、と考えたとしても想像に難くない。
ところが、日大側の思惑から外れ、テレビのワイドショーが大騒ぎし始めた。
こうなると、それに対応しなければならないが、そのマニュアルもない。
日大には危機管理学部があるのだが、それも全く機能しなかったのである。
結局は、日大がやることは全て後手、後手に回り、何もできなかった。
おそらくは、内田監督が「たかがアメフトで世間も大騒ぎすることもあるまい」
と思っていた、甘い認識がなせる業だったのか。