叔母が永眠しました。
叔母は僕の母親の妹で、まだ健在の母親よりも15歳も若く、享年70歳です。
5人兄妹で、最も年上で長男の伯父は既に亡くなっており、母親が長女、次女は何十年も音信不通で、神戸に住む三女は健在、そして亡くなった叔母が四女で末っ子でした。
去年ぐらいに、母親と三女を連れて、入院していた叔母のお見舞いに行きました。
その時の叔母は既に声が出なくなっており、筆談で会話しました。
僕が行っても邪魔なだけ、姉妹だけでお見舞いした方がいいのではないかと思いましたが、せっかく行ったのだからと病室に入り、少し筆談をして、帰り際に叔母は泣きそうな顔で僕の手を握りました。
正直、喜ばれるとは思わなかったです。
そして2週間ほど前、別の病院の緩和ケアに移ったと聞き、母親を連れてお見舞いに行きました。
緩和ケアというのは、手の施しようがない患者さんが入院する病棟で、叔母の場合は知りませんが病院によっては飲酒や喫煙も許される場所です。
実は、今年の春頃に僕の母親も入院したのですが、その時はコロナ対策のため家族であっても面会は許されませんでした(着替えなどは看護師さんに頼んで受け渡し)。
もちろん、叔母が入院していた病院も面会謝絶でしたが、緩和ケアだけは例外で面会自由だったのです。
緩和ケアに入院と聞いて、もう長くないと悟りましたが、この時の叔母は意識もハッキリしており、筆談も可能でした。
それだけに、こんなに早く逝くとは思わなかったです。
叔母には、僕よりずっと年下の一人息子がおり、彼が思春期の頃に叔母から相談を受けたことがあります。
一人息子だったということで、母親として色々心配だったのでしょう。
僕の家で、2人で酒を呑みながら一晩中、叔母の悩みを聞いていました。
気付いたら外が明るくなっており、もう朝になったのかと驚いたものです。
その叔母とは、盆や正月に親戚で集まるたびに徹夜麻雀をやっていたものの、まさか2人で話し込んで徹夜するとは……。
酒が入っていたので、どんな内容の話だったのかは憶えてませんが、僕はそんなに心配する必要はないよと言い続けていたと思います。
伯父が亡くなった時、その一人息子は成人しており、葬儀会社に勤めていたので、彼が全ての手配をしてくれました。
その手際の良さに、あの子供だった彼が成長したなあと感心したものです。
その一人息子が最近、葬儀会社を辞めて独立し、家族葬専門の葬儀会社を設立したと、先日のお見舞いの時に叔母から筆談で聞きました。
コロナの影響で開業が遅れましたが、この夏にオープンしたようです。
しかし、おそらく最初の客は、彼自身となったでしょう。
彼の葬儀会社で、明日(正確には今日)がお通夜、明後日が告別式です。