カウンター

安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

クリケットの国でベースボール

f:id:aigawa2007:20150613115004j:plain

 

今年(2019年)6月29、30日の2日間、メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)がイギリスのロンドンに遠征して、ニューヨーク・ヤンキース×ボストン・レッドソックスの2連戦が行われた。

イギリスはもちろん、ヨーロッパでMLBの公式戦が行われるのは今回が初めてである。

普段はサッカーなどが行われるオリンピック・スタジアムを、このたった2試合のために、野球場に造り変えたのだ。

MLBの、欧州進出に賭ける意気込みがわかる。

この2日間で約12万人、即ち1試合平均で約6万人の観客動員だった。

 

野球不毛の地と呼ばれるイギリスだが、実は野球との関係は深い。

1938年に行われた第1回野球ワールドカップでイギリス代表は、ベースボールの母国であるアメリカ代表を4勝1敗で破り、初代チャンピオンとなっている(当時は英米の2ヵ国対抗)。

余談ながら、ラグビー15人制は戦前に4度、オリンピック競技になっており、そのうちの2回はアメリカ代表が優勝し、これは最多記録だ。

野球オンチのイギリスが野球ワールドカップで初代王者になったり、ラグビー・オンチのアメリカがオリンピックのラグビー競技で最多優勝を誇ったり、戦前は不思議な現象が起きている。

そもそも文献に初めて「Base-ball」という名称が現れたのは、1744年にイギリスで出版された「小さなかわいいポケットブック」という児童書だ。

また、ベースボールの元になったのは、イギリスのラウンダーズという球技だと言われている。

 

ただ、ベースボールのルーツがイギリスにあるとはいえ、現在のイギリスでは野球はやはりマイナー・スポーツ。

今回、1試合平均約6万人の大観衆を集めたとはいえ、ほとんどが在英米人か、アメリカから遠征してきた人ばかり。

現地メディアでも、電子版で試合結果を伝えたのみで紙媒体の新聞では報じられず、地上波中継もされなかった。

したがって、現地のイギリスでは、ロンドンで野球が行われたことすら知らないイギリス人が多かったという。

 

なぜイギリス人は、野球を受け入れないのか?

その理由の一つに、イギリス人はアメリカ生まれのものを受け付けない、という気質があるだろう。

イギリス人から見れば、アメリカなど伝統もなく、移民で構成されたポッと出の国。

わざわざ「アメリカごとき」のスポーツなどやる必要はないと思っている可能性がある。

その傾向は、むしろアメリカが世界最強国になった戦後の方が、より一層強まったのかも知れない。

だから、戦前の第1回野球ワールドカップではイギリス代表がアメリカ代表を破って優勝したのに、その後は廃れてしまったのだろう。

 

そして、もう一つの大きな理由は、イギリスでは同国生まれのクリケットが盛んだということだ。

ボールを投げてバットで打つ球技といえば、イギリスではクリケットを指す。

野球とクリケットはなまじ似ているから、却って「もう一つのスポーツ」がわからなくなるのだ。

これは、野球はよく知っている日本人が、クリケットのことはサッパリわからない、という点にも通じるだろう。

ちなみに、野球とクリケット、両方とも盛んな国は珍しく、世界でもオーストラリアぐらいではないか。

そのオーストラリアでも、野球とクリケット、どちらが人気があるのかといえば、クリケットの方である。

世界的な普及度では、野球よりもクリケットの方が上だろう。

さすが、かつては「日の沈まない国」と呼ばれた大英帝国の影響の強さがわかる。

 

たとえばイギリス人が野球を見て、どちらもスタンドに入る大飛球を打ったのに、ある時は得点となって(即ちホームラン)、ある時はストライクに数えられて(即ちファウル)、訳が判らなくなるだろう。

そもそも、ファウルは2ストライクまではストライクと数えるのに、その後は何球ファウルを打ってもストライクにならない、という理屈も判らないに違いない。

 

日本人だって、クリケットを見たときに、投手(ボウラー)の正面にゴロを打っても打者(ストライカー)が走らないのは、理解できないのと同じだ。

ちなみにクリケットでは、アウトになると判断したら、走る必要はない。

内野ゴロを打ったときに「アウトになると思っても全力で走れ!」と教えられる野球とは対照的だ。

 

今回のイギリスでのMLB公式戦では、1試合目が17-13、2試合目が12-8という、合計50点の大乱打戦だったが(ヤンキースの2連勝)、多くの野球関係者は「イギリス人に大味な試合を見せてしまった」と嘆いていた。

しかし、イギリス人は案外「投手陣がメチャメチャ頑張ってるなあ」と思っていたかも知れない。

何しろ、クリケットでは100点ゲームなど当たり前だからだ。

それどころか、1試合に100打点を挙げる選手もいる(これをセンチュリーという)。

アウトになると思えば走らなくてもいいうえに、360°どの方向に打ってもいいのだから、90°しか打てない野球に比べて4倍のヒットゾーンがあるわけだ。

そのため、クリケットではアウトを1つ取るたびに、守備側の選手たちはまるで優勝したかのように抱き合って喜ぶ。

野球で3割打者が一流選手と呼ばれることに対し、イギリス人は理解できないに違いない。

クリケットで、打って7割もアウトになる選手など、ヘボ打者以外の何物でもないからだ。

クリケットのルールに関しては、以下を参照していただきたい↓

aigawa2007.hatenablog.com

 

クリケットでは、投手(ボウラー)は助走をつけての、ワンバウンド投球が普通

f:id:aigawa2007:20150613142725j:plain

f:id:aigawa2007:20150613142726j:plain

f:id:aigawa2007:20150613142727j:plain

f:id:aigawa2007:20150613142728j:plain

f:id:aigawa2007:20150613142729j:plain


打者(ストライカー)は360°どこへ打ってもよく、ワンバウンド投球が多いためアッパースイングが基本

f:id:aigawa2007:20150613154108j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154147j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154148j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154141j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154142j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154143j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154144j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154145j:plain

f:id:aigawa2007:20150613154146j:plain


果たして、イギリス人に野球のルールを覚えてもらうことはできるのだろうか。

そのためには、クリケットを頭から外してもらって、まっさらな状態で野球を見ていただくしかない。