熱闘が続くリオデジャネイロ・オリンピック。
日本では、かつてないほどの金メダル・ラッシュに大きく沸き上がっている。
では、この金メダルの値段とはいくらぐらいなのだろうか?
金メダルを獲った場合の報酬ではなく、ズバリ金メダルそのものの価格のことだ。
金メダルは、文字通り金で出来ているのかと言えば、さにあらず。
実は金メダルは、銀で出来ているのだ。
つまり、銀メダルの上に金メッキを塗った物、これが金メダルである。
値段にすると、年によって違うが約6万円。
一般サラリーマンでも充分に買える値段である。
これは、経済的に貧しい国のための救済措置だ。
金メダルが本当に純金製だと、極貧国が開催地となれば、たちまち国の経済が破綻してしまうだろう。
もっとも、1912年のストックホルム・オリンピックまでは、金メダルは本当に純金製だったそうだ。
銀メダルは看板に偽りなく銀製で、値段は金メダルのほぼ半分の約3万2千円。
金メッキが無い分だけ半分の価格になるが、金メッキと銀の塊がほぼ同じ値段というわけだ。
銅メダルは当然、銅で出来ていて、価格はグーンと下がり、なんとたったの約300円。
「『金と同じ』と書いて『銅』になるね。……、ホワイ!?ジャパニーズ・ピーポー!金と銅では全然違うだろ!!」
と厚切りジェイソンが嘆くのも無理はない。
ちなみに新日本プロレスの最高峰、IWGPの初代チャンピオン・ベルトは純金製で時価1億円(らしい)。
1円置くんとちゃいまっせ!(トミーズ雅のギャグ)
金メダルと言えば有名なのが、今年亡くなったモハメド・アリのエピソード。
1960年のローマ・オリンピックで金メダルを獲得したアリ(当時はカシアス・クレイ)はアメリカに帰国後、白人専用のレストランに入ろうとしたが断られ、
「金メダルを獲っても結局、黒人は差別される。こんな金メダルなど何の価値もない」
と金メダルを川に投げ捨ててしまった。
というのは創作で、実は単に紛失しただけらしい。
金メダル紛失と言えば、日本人では小林孝至が有名。
1988年のソウル・オリンピックで、レスリングのフリー・スタイル48kg級で金メダルを獲得した小林は帰国後、上野駅の公衆電話にバッグごと金メダルを置き忘れてしまった。
結局、江戸川区の歩道で発見され事なきを得たが、なぜ上野駅からそんな遠く離れた場所へ移動したのかは不明。
この一件により、小林は「世界で一番、金メダルを粗末に扱った男」として知られるようになった。
なお、2000年のシドニー・オリンピックの金メダリスト、柔道の井上康生も、オリンピックの解団式や帰国会見、さらには首相官邸訪問の時まで金メダルを忘れるという、まるで健忘症のようなエピソードを残している。
今回のリオ五輪で男子柔道の監督となり、金メダル2個を含む計7個のメダル獲得という手腕を発揮した井上だが、メダルの管理は大丈夫だろうか?