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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

厳しい修行

落語家の修行というのは厳しいらしい。
師匠にとっても他人のお子さんの人生を預かるわけだから、実の親以上に厳しく躾ける。


では、実の子を弟子にすると、どうなるのか。
これは他の弟子の手前上、甘やかすわけにはいかない。
相撲界の若貴兄弟と同じく、我が子には他の弟子以上に厳しく接する。


例えば、現在の林家正蔵(以前の林家こぶ平)がそうだ。
偉大なる父・初代林家三平に弟子入りすると、我が父かと疑うぐらい厳しく鍛えられた。
また、他の弟子からもそれまではお坊ちゃん扱いされていたが、正蔵が新弟子になると待ってましたとばかりにイジメにかかる。
親に弟子入りするというのは、想像を絶する苦労があるわけだ。


では、月亭八光の場合はどうか。
八光の父親はご存知の通り、月亭八方
八光が成長した頃、父と同じ道を目指して父の八方に弟子入りした。


八方は我が子に、林家三平が施したような厳しい修行を強いた。
……わけではなく、躾も何もなくほったらかし。
落語の稽古すら付けようとしない。
当然、八光の落語が上達するわけもない。


それもそのはず、父の八方の師匠が、あの悪名高い月亭可朝だったのである。
可朝と言えば、あの人間国宝・桂米朝の弟子にも関わらず、古典落語は一切やらずにカンカン帽を被ってギターを弾きながら、


「ボインやで〜♪」


なんて歌っていた人物である。
そんな師匠に育てられた八方が、弟子に厳しい稽古など付けられるわけがない。
それに、他人の親から預かった弟子なら責任も持つが、所詮は我が子である。


たかが我が子の弟子に、稽古を付けるのもめんどくさい。
そんなことをしているヒマがあったら、ビールを呑みながら阪神の応援をしたい。
野球がない日は、麻雀でもしていたい。
八方はそう考えていた。


そんなある日、八光が若手落語会の出演が決定し、古典落語を披露することになった。
これにはさすがに八光も、師匠の八方に対して、


「オヤジ、いや師匠!頼むから僕に稽古を付けてください!!」


と、土下座して懇願した。


我が子であり弟子でもある八光の熱意ある申し出に、八方はようやく重い腰を上げた。
「ちょっとそこで待っとれ!」
そう言って八方は奥の部屋に消えた。


やがて八方が戻ってくると、その手にはカセットデッキがあった。


「ええか、このカセットデッキに入ってるのは桂米朝師匠の落語テープや。このテープを何回も聞いて覚えろ!そして米朝師匠と同じように喋るんや。これに勝る稽古はない!


そう言い残してその部屋から立ち去った八方は、自室でビールを呑みながらサンテレビの阪神戦を楽しんでいたという。
つまり、八光にとっての真の師匠は八方ではなく、人間国宝・桂米朝の落語テープだったのだ。


その後、月亭八光は関西で売れっ子タレントとなった。
「八光」という芸名は「親の七光りを越える」という意味でも名付けられたのだが、今の八光は七光りを利用しまくっている。


売れるのに、厳しい修行は必要ない、というところか。