週刊ベースボールの今週号(10月18日号)によると、韓国プロ野球の準プレーオフ第3戦で、レフトフライがアドバルーンに当たり、打球がフェアゾーンに落ちるという珍プレーがあったそうだ。
このアドバルーンはレフトスタンド後方から浮かべていたが、強風に煽られてフェアゾーンの方へ流れ、打球が当たってしまったらしい。
さて、このプレーはどう判定されたか?
A.外野スタンド後方にあるアドバルーンに当たったのだからホームラン。
B.フェア地域まで流れてきたアドバルーンに当たったのだからエンタイトル・ツーベース。
C.ドーム球場の屋根に当たったようなもので、インフライト状態でそのままインプレー。
D.アドバルーンは石ころ扱いとなり、地面にバウンドしたと判定されてそのままインプレー。
E.アドバルーンがなければ野手が捕っていたと判断されて、レフトフライでアウト。
あなたならどう判定する?
審判団はこう判定した。
E.の、レフトフライでアウト、と。
レフトが捕球可能な打球と判断されたのだ。
ちょっと意外な判定で、アドバルーンは屋根でも石ころでもなかったのだ。
球場の付随物ならグラウンドルールで取り決めが出来るのだが、何しろアドバルーンはいつも上がっているとは限らない。
グラウンドルールを決める前に、アドバルーンを上げてしまったのだろうか。
ちなみに、明らかにホームランではないインフライトの状態で、飛んでいる鳥などに打球が当たったらどうなるのか?
これは実際にあったプレーであり、日米でも解釈の違いやルール変更などがあったが、2004年以降は以下のようになった。
公認野球規則 7・05(a)【注1】
(前略)送球またはインフライトの打球が、鳥に触れた場合は、ボールインプレイでありインフライトの状態は続く。(後略)
いわば、飛んでいる鳥はドーム球場の屋根のような扱いになるわけだ。
その論理で言えば、アドバルーンに当たってもインフライトの状態が続くようにしてもいいと思うのだが……。
あるいは、予測不能のプレーとしてエンタイトル・ツーベースの方が妥当な気もする。
予測不能、と言っても、この記事によると韓国では過去に2度もこんなケースがあったらしい。
ではその時に、こういう特別ルールが出来たのだろうか。
というか、アドバルーンがフェア地域まで流れてくるって、どんな球場の構造なんだ!?
よほど外野スタンドが低いのだろうが、それなら試合の邪魔になりそうなところにアドバルーンなんか上げるな!