昨日(18日)の広島×ヤクルト戦で、ちょっと面白い記録判定があった。
ランニングスコアは以下の通り。
S 010 200 010=4
C 010 000 25×=8
勝利投手=永川
敗戦投手=五十嵐
3対3の同点で迎えた8回表、ヤクルトが1点勝ち越す。
しかしその裏、広島はこの回から登板した五十嵐から一挙5点を奪い、逆転。
9回表から登板した永川が無失点で抑え、広島の勝ち。
普通ならこのケース、8回表の最後に投げた投手が勝利投手になるのだが、実際に勝利投手になったのは9回表の1イニングを投げた永川。
ちなみに、8回表の最後に投げたのはシュルツ。
ではなぜ、シュルツが勝利投手とはならず、永川がなったのだろう。
一つは、シュルツは1/3回しか投げず、永川は1イニングを投げたということだろう。
先発投手ではなく救援投手に勝利が付く場合、どの地点で投げていたかだけではなく、リードを保つのにどれだけ効果的な投球をしたか、により判断される場合がある。
効果的な投球、というのは実に曖昧な基準だが、要するに誰が一番長いイニングを投げたか、ということが判断基準になる。
この試合での広島の救援投手は、シュルツの永川以外では、上野、今井、青木勇だが、この三人は広島のリードとは無縁の場面で投げていたので、当然勝利投手にはならない。
やはり勝利投手の権利があるのはシュルツと永川だが、NPBの内規には「1イニング以上の差があれば、その救援投手を勝利投手とする」というのがある。
しかし、シュルツと永川の差は2/3回で、1イニング未満だ。
やはり、シュルツを勝利投手とするのが妥当ではないのか?
そこで考えられるのが、永川が登板した9回表の時点で、広島が4点リードしていた点だ。
4点リードだから、当然永川にはセーブが付かない。
もし3点リードなら永川にセーブが付くので、シュルツが勝利投手、永川にセーブ、という公式記録になったかも知れない。
この解釈が正しいのかどうかはわからないが、いずれにしても公式記録員の判断による。
昨日の関西独立リーグの神戸×大阪戦でも、試合終了間際にウグイス嬢が「(このまま試合が終われば)勝利投手と敗戦投手は誰ですか?」と聞いてきた。
試合が終了すると、勝利投手と敗戦投手のアナウンスをしなければならないからだ。
昨日の試合では、両先発に勝ちと負けが付くという単純な試合だったので即答できたが、先発投手がノックアウト、次から次へとリリーフが繰り出し、シーソーゲームになるという目まぐるしい展開になれば、勝利投手の判定が難しくなるかも知れない。
投手にとって、勝ちが付くのと付かないのとでは雲泥の差がある。
ヒット一本の価値とは比較にならない。
勝利投手の判定が、その投手の運命を左右するかも知れないのだ。
やれやれ、また頭痛のタネが増えた。