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安威川敏樹のネターランド王国

お前はチョーマイヨミか!?

ネターランド王国憲法

第1条 本国の国名を「ネターランド王国(英名:Kingdom of the Neterlands)」と言う。
第2条 本国の国王は「禁句゛(=きんぐ)、戒名:安威川敏樹」とする。
第3条 本国は国王が行政・立法・司法の三権を司る、絶対王制国家である。
第4条 本国の公用語は日本語とする。それ以外の言語は国王が理解できないため使用禁止。
第5条 本国唯一の立法機関は「日記」なる国会で、国王が一方的に発言する。
第6条 本国の国民は国会での「コメント」で発言することができる。
第7条 「コメント」で、国王に不利益な発言をすると言論弾圧を行うこともある。
第8条 「コメント」で誹謗・中傷などがあった場合は、国王の独断で強制国外退去に踏み切る場合がある。
第9条 本国の国歌は「ネタおろし」とする(歌詞はid:aigawa2007の「ユーザー名」に記載)。
第10条 本国と国交のある国は「貿易国」に登録される。
第11条 本国の文章や写真を国王に無断で転載してはならない。
第12条 その他、上記以外のややこしいことが起きれば、国王が独断で決めることができる。

大スクープ!?

近頃、世間を騒がせたもの……、と西鶴流に書くならば、それは新型インフルエンザと中村明氏だろう。
中村明、と言ってもピンと来ない人が大半だろうが、ここ一連の騒動で一躍、時の人となった。
女性初のプロ野球選手・吉田えり投手を生んだ関西独立リーグの運営会社から突如撤退した「株式会社ステラ」の社長である。

http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/baseball/etc/news/20090521-OHO1T00107.htm

理由は記事にもあるように、「ステラ」が約束していた3000万円の未払いにより各球団の社長が記者会見中に怒りをあらわにし、中村社長がその場で撤退を決める、という前代未聞のことだった。


この記者会見があったのが、一昨日の5月20日のこと。
この記者会見を見た時に、あることを思い出した。
たしか近日中に、関西独立リーグに関する講演会があったのではないか?


「関西スポーツネットワーク交流会(以下、カンスポ)」というのがあって、主催者とは懇意な間柄なので、僕も何度か参加させていただいている。
今回は木曜日開催ということで、プロ野球シーズン中での木曜日では参加は無理だろうと思い、参加表明をしていなかった。
だが、記者会見を見て、慌ててカンスポの日程を調べてみると、なんと翌日、つまり5月21日だという。
そして、プロ野球は交流戦日程のため、この日は休みだ。
これなら参加できる。


しかも、よく調べてみると、講演をするのは他ならぬ中村社長だ。
予定されていた講演内容は以下のとおり。


ついに関西でも開幕した独立リーグ
「地域密着」を掲げたリーグ設立に熱意を持って取り組まれた中村氏には、独立リーグの関西における存在意義、影響力、そして将来ビジョンなどについて語っていただきます。


こんな偶然があるだろうか?
こんな事態になろうとは、主催者はもちろん、中村社長も予期していなかっただろう。
独立リーグについて熱く語る講演会の前日に、資金繰りを巡って撤退を余儀なくされたのだから。


こんなオモロいネタはない!と思い、主催者に、
「明日、本当にやるんですか?やるなら参加させてください」
と図々しくブン屋根性丸出しで頼んでみた。
主催者は「やります!ぜひ来て下さい。」と二つ返事で快諾してくれた。
主催者にとっても、これほどオモロいネタはない、と思ったのだろう。


翌日、慣れぬマスクを付けつつ大阪市内に乗り込んだ。
中村社長の言葉を一言も聞き漏らすまいという覚悟で、さらに質問内容も吟味しながら。
なにしろ、「独立リーグの存在意義、将来ビジョン」を語ろうという人物が、約束していた分配金を未払いにして、突如撤退したのだから、どんな内容を語るのか、興味を持たない人はいないだろう。
あるいは、関西独立リーグの裏ネタ暴露話も聞けるかも知れない。
しかも、こんな生ネタを聴けるのは会場にいる数十人のみ。
こんなオイシイ話はない。


ところが……。
予期していたこととはいえ、やはり中村社長はドタキャンした。
まあ、3000万円の約束を反故にした人物が、翌日にのこのこ講演会にやってくるとは思えない。
その新聞記事が出ていた。↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090522-00000042-sph-base


主催者に事情を訊いてみると、
「記者会見のあと、連絡がとれて中村さんが『明日の講演、どうしましょう?』と訊いたので、『ぜひ出てください!』って言ったんですよ。ところが当日になって『やっぱり出られません』と連絡があってガッカリしました」
ということだった。
まあ、中村社長としては出たくても出られなかったのだろうが、だったら講演会の前日にキャンセルをするべきだろう。
普通なら前日のキャンセルもあり得ないが、事情が事情だけに諦めがつく。
しかし、一旦は「出る」と言いながら、当日のドタキャンはあまりにも失礼だ。
この無責任さが今回の騒動を生み、周囲に多大な迷惑をかけたと言える。


主催者は記者会見を見て、講演は無理だろうと思っていたそうだが、案外すんなりとOKの返事をもらったので却って面食らったらしい。
どうやら、中村社長は事の重大さをわかっていなかったようだ。
つまり、記者会見を行っている大した問題ではないと思っていたのが、ニュースで見ると完全に中村社長が悪者になっている。
しかも、吉田えり投手で注目を集めている関西独立リーグだ。
これが他の地域の独立リーグなら、これほどまでに注目されることはなかっただろう。
せいぜい一般紙のベタ記事扱いだ。
ところが、関西独立リーグは異様に注目を集めたばかりに、全国ニュースはおろかワイドショーまで取り上げられた。
女性初のプロ野球選手の夢を潰す極悪人、というレッテルが中村社長に貼られたわけだ。


これではたまらんと、講演会のドタキャンに繋がったということだ。
もちろん、このまま講演会を行うと記者が殺到し、主催者に迷惑がかかるという思惑もあったかも知れない。
だが、約束は約束である。
記者会見があった日も、講演会の日も状況は同じなのだから、キャンセルするなら前日にするべきだろうし、行うと言った以上は講演会を行うべきである。
この基本的な考え方が中村社長には欠如していたのではないだろうか。
こんなドタキャンは主催者にも参加者にも迷惑がかかる。


だからこそ、中村社長の話を聞きたかった。
記者会見の内容は編集されているので、中村社長は一方的に悪者にされたのかも知れない。
編集で悪役を作り出すことなど、テレビ局の常套手段だ。
ひょっとして、やむにやまれぬ事情があって、撤退を余儀なくされたのではないか、と。
その「やむにやまれぬ事情」があるのなら、講演会で堂々とその理由を述べてほしかった。
それがドタキャンでは、自らの非を認めたようなものではないか。


こうして、講演者不在という異例の事態で始まったカンスポだが、面白い交流もあった。
弁護士がカンスポに参加していたのである。
弁護士とスポーツとの関係というと、プロ野球の代理人制度を連想する。
事実、この弁護士は代理人交渉をビジネスの視野に入れていた。
ただ、まだまだ日本では代理人制度がビジネスとして成り立つものではない、とおっしゃっていた。
日本のプロ野球ではあくまでも契約書といえば統一契約書がほとんどで、インセンティブ契約などは口約束的なものが多いという。
スター選手の契約書が分厚い本のようになるというメジャーとは大きな違いだ。


また、その弁護士の知り合いの弁護士という方もいて、その方は京都大学で投手を務め、なんとシーズン4勝を挙げて関西学生野球ベストナインに選ばれたのだ。
このシーズンで京大はこの4勝により勝ち点2を挙げ、最下位を免れて5位になっている(最下位は関西学院)。
国立大学の活躍はこちらに書いている↓

http://d.hatena.ne.jp/aigawa2007/20090515

ちなみに、この年の関西学生野球ベストナインには現・阪神の藤原通、そして現・東北楽天で、高校時代は伝説の延長17回・横浜×PL戦でPLの主将として三塁コーチャーボックスに立って松坂大輔を撹乱した平石洋介、また同試合でPLのキャッチャーとして途中出場した現・千葉ロッテの田中雅彦が選ばれていた。


この弁護士お二方とはスポーツ以外でも、裁判についてもお話を聞けた。
奇しくもこの日は裁判員制度が始まった日。
裁判員制度について賛成か反対か訊いてみると、お二人とも反対だとおっしゃっていた。
というより、ほとんどの弁護士が反対だという。
賛成しているのは「行列ができる法律相談所」で有名な住田裕子弁護士など、ごく一部らしい。


一度、裁判を傍聴したい、と言うと、
「ぜひ来て下さい。ドラマなんかよりも実際の裁判の方がずっと面白いですから」
とおっしゃっていた。
「傍聴券を求めるのに早い時間から並ばなければならないんじゃないんですか?」
と訊くと、
「そんなのはごく一部の有名な事件だけです。裁判所に行けばその日のスケジュールが書いているので、見たい裁判を選んで自由に見られることができます」
とのこと。
裁判員制度が始まったとはいえ、裁判に関してまだまだ知らないことが多すぎる。


それにしても、中村社長は今頃どこにいるんだろう。
主催者は、もう一度中村社長に会って話を聞きたい、と言っていたけれど、その時は僕も同行します、と言っておいた。