今日、高校野球秋季大阪大会準決勝、PL学園×大阪桐蔭の試合を舞洲ベースボールスタジアムまで観に行った。
……が、生憎の雨のため、中止になった模様。
そこで針路を東に変え、花園を目指した。
今日は関西大学ラグビーAリーグの初戦が行われる。
近鉄花園ラグビー場に近い外環状線沿いの「瓢亭」という店でトンカツ定食を食い、いざ花園。
舞洲から花園までいろいろ回り道をしたので、グラウンドに着いたときは既に第二試合が始まっていた。
今日の試合はいつもの第1グラウンドではなく、高校ラグビーの全国大会でも使われる第2グラウンドでの試合である。
第2グラウンドというのはスタンドとグラウンドの隔たりがなくロープで区切られているだけで、目の前で試合が行われるので臨場感がバツグン(後ろに写っているのが第1グラウンドのスタンド)。
というよりも、平面から見ているので試合全体としては非常に観にくい。
スタンドも4,5段程度の粗末なもので、全国の高校ラガーメンが目指す聖地とはとても思えない。
試合は関西の雄、前年度関西優勝の同志社大と、近年力を付けてきた関西学院大との対戦。
当然、実績では同志社が圧倒的に上で、関学は同志社に何十年も勝ったことがないはず。
僕がグラウンドに着いたときはちょうど同志社がトライを決めて(Cも成功)、12−7とリードを拡げた。
その後も同志社が圧倒的に攻め続けるがなかなかトライが獲れず、前半終了間際にようやくPGを決めて、15−7で前半を終了。
最初は端っこの席に座っていたが、ハーフタイムの間に中央付近のスコアボード真下の席に移動。
これで少しは観やすくなったと思ったが、隣に座っていた二、三人が関学OBらしく、熱すぎる声援を贈っていて、実にやかましかった。
後半開始後は双方点が獲れなかったが、関学のFLがイエローカードを出されると「ゴルァレフェリー!なんで今のがシンビンやねん!?」とレフェリーをやじり倒す。
その後も隣のオッサン(と言っても紳士風で、ラグビーの知識についても熟知していた)のみならず、同志社ファンからも「レフェリー、しっかりせい!」とやじられる始末。
この日のレフェリーは九州協会の人だそうで、「花園なんかで笛を吹くもんじゃないバッテン」と思ったのではないだろうか。
シンビンで一人足りないにもかかわらず、関学は自陣からのターンオーバーで一気に縦を突き、後半初めてのトライを奪った。
ゴールも決まって15−14の1点差に迫り、関学フィフティーン(このときは14人だったが)のみならず、隣のオッサンたちも大いに意気が上がった。
シンビンのFLも戻ってきて勢いに乗る関学は、さらにバックスがスピードに乗って縦を突き、同志社のディフェンスラインを切り裂いていった。
そして終了間際、逆転のトライを関学が奪ったときは、隣のオッサンどもは飛び上がって喜んだ。
しかし、まだ試合は終わらない。
40分が過ぎ、「ロスタイムは4分です」というアナウンスがあると「そんなにあるの!?」と絶望的な声を上げた。
それからというもの、まだ1分も経ってないのに「もう4分ぐらい経ったよな?」などと言い出す始末。
気が気でない様子だ。
同志社がボールを持って走ると「ああ〜、やめてくれ〜」と情けない声を出し、ノックオンでピンチを脱すると「よくぞ落してくれた!」。
その後は関学がボールをキープし続け、時間を浪費する作戦に出ると「もう4分経ったやろ。もうええから(ボールを)出して、タッチに蹴り出してくれ〜。なんでホーンが鳴らへんねん!?」
トップリーグと違って大学ではホーンが鳴らないことぐらい知ってるでしょ。
何しろ第2グラウンドには試合時間を示す時計がないから、時間経過が全くわからないのだ。
そして最後の1プレーが終わり、レフェリーがノーサイドを告げ、19−15での勝利が決定すると、
「やっだー!!生きてて良かったー!!!」
と大絶叫。
仲間同士はもちろん、周りの知らん人達ともハイタッチをしていた。
まあ、何十年振りかという快挙。
気持もよくわかる。
下が歴史的なスコアボードを撮ったものだが、残念ながら試合が終わると、とっとと得点板をひっくり返し始めたので、中途半端なスコアしか撮れなかった。
ちなみに「楽苦美愛」のトップで使用している写真も花園第2グラウンドのスコアボードである。
見ればわかるように、電光掲示板ではなく手書き式で、前述したように試合時間もわからなければ、選手名を記すスペースもない。
家に帰ってから、第一試合では前年度2位の京都産業大が天理大に8−27敗れる波乱だったと知った。
天理大は前年度の同志社戦に続き、二年連続で初戦の大金星を挙げた。
関西は前年度にも増して混戦模様だが、果たして関東に通用するチームが出てくるのか?
群雄割拠でレベルが上がっているのなら喜ばしいことだが、ドングリの背比べで関東との実力差がますます開いただけなら由々しき問題だ。