ご存知のように、今年の8月には北京オリンピックが行われる。
さらにご存知のように、野球日本代表はアジア予選を勝ち抜いて北京五輪出場が決まったのは記憶に新しいところ。
そんな野球日本代表の特集を組んだのが「ベースボールマガジン」の1月号だった。
この号ではまだ締め切りの関係でアジア予選の結果がわからなかったようだが、過去の野球日本代表の軌跡を描いていて面白い。
オリンピックをはじめ、WBCはもちろん、日米野球やIBAFワールドカップ、インターコンチネンタルカップの記録も載せられていて、読み応えのあるムックだ。
ちなみに、第1回ワールドカップ優勝国は、なんとイギリスである(1938年)。
オリンピックでの最初のラグビー優勝国がアメリカだったというのと同じぐらいの驚きだ(1900年)。
このムックを読んで気が付いたのは、オリンピック野球で全ての大会に出場しているのは日本だけだという事実だ。
1984年のロサンジェルスオリンピックで野球が公開競技として初めて採用されたが、それ以来すべてのオリンピックに出場しているのは日本だけなのだ。
アメリカでさえ、3Aクラスとはいえプロが参加したアテネ五輪ではアメリカ大陸予選で敗退している。
ただ、キューバは最初の2回(ロサンジェルスとソウル)はボイコットしているので、参加していれば日本と同じく全大会出場していたかも知れない。
また、日本は全大会に出場しているだけではなく、全ての大会で準決勝に残っているのだ。
そのうち、メダルを獲れなかったのはシドニーでの一回のみ。
それ以外の五輪では、金銀銅いずれかのメダルを手にしている。
もちろん、五輪野球の場合はプロアマの問題やMLBとの兼ね合いもあって、各国が必ずしもベストメンバーを揃えているわけではないが、これだけ安定した力を発揮している日本野球の実力は、やはり世界に誇れるものだろう。
これだけの実績があるのだから、日本の野球界は世界に対してもっとリーダーシップを取ってもらいたいものだが……。
そしてその野球も、2012年のロンドンオリンピックからは正式競技から外される。
せめて公開競技でもいいから残してもらえないだろうか、第1回野球ワールドカップ優勝国のイギリスさん?