先日、大昔の「ナンバー」で連載されていた蛭子能収さんの続き物4コママンガのことを書いた。↓
http://d.hatena.ne.jp/aigawa2007/20071218/1197975621
どうしてもこのマンガ「スポーツマン太郎」の続きが読みたくなって、「ナンバー」を送ってくれた人に、この前後の号は無いでしょうか、と恐る恐る尋ねてみた。
するとその人は、その号の周辺の「ナンバー」を探してくれて、またしてもわざわざ送ってきてくれた。
こんな下らないことに手を煩わせて申し訳ないやら、ワガママは言ってみるもんだと得した気分になるやら、複雑な思いだった。
送られてきた「ナンバー」は、「スポーツマン太郎」の第2回と第8回が収録された二冊。
この二つの4コママンガを読むと、これはやはり続き物だということがわかった。
では、前回に紹介した第9回の話をもう一度おさらいしてみよう。
(1コマ目)一人の男(スポーツマン太郎?)が「キャー、たすけてー」と、宙を「ヒュルルル」と飛ぶボールから逃げ惑っている。ちなみにこのボールには顔があり、ボールかどうかわからないが、ここでは便宜上「ボール」と呼ぶことにする。
(2コマ目)男は追いつかれそうになり「僕が悪かったよー」と泣きそうな顔。
(3コマ目)ボールのドアップ。不気味な顔で、牙を剥き出しにしている。
(4コマ目)ボールが男の首筋に当たり、「ギャーッ」と叫ぶ。ちなみに、ボールが当たったときに「カポッ」という音が鳴っているから噛み付いたものと思われるが、絵を見るとボールの口は男の首筋に当たっていないから、噛み付くのは不可能だ。
(欄外)「さて、どうなる!!作者もわからないまま次号へ!」
では、第2回の内容を要点だけ書いてみる。
普通の人間の赤ん坊が突然、首が廻りだして顔がボールになり、胴体がバットになった。
というところで第2回が終わっているが、どうやら「スポーツマン太郎」とはこのボールとバットのことかもしれない。
話はグーンと飛んで第8回、つまり先日紹介した第9回の前の話。
どういう経緯かはわからないが、野球部らしきところにこのボールとバットが届き、選手たちは目が付いたボールに恐怖を抱き、ポイと捨ててしまった。
そのあと第9回で上記のように突然、野球部員と思われる男がボールに追われるというストーリーだが、第8回と第9回のストーリー展開があまりにも唐突だ。
しかも追われている男は、服装や帽子から見て、このボールを捨てた男ではない。
第2回から第8回までどんなドラマがあったのだろう?
ただ、第8回の最後に蛭子さんが「ボールとバット、そして夕日と子供達……。このマンガにはおちがありません。この芸術的レイアウトをお楽しみください」と書いているので、やはりこのマンガにはオチなど存在しなかったのである。
しかし、蛭子マンガは読めば読むほどナゾが深まるばかりだ。