全国高校ラグビーの花園出場校が出揃い、組み合わせ抽選に先がけてシード校の発表が行われた。
シード校13校のうちAシード校は桐蔭学園(神奈川)、伏見工(京都)、東福岡(福岡)の3校で、Bシード校は残り10校だ。
選考委員の人たちはよほど見る目があるのか、毎年のようにAシード校は上位進出を果たし、8強はシード校で独占することがほとんどだ。
地域別に見てみると東北2、関東4(A1)、近畿4(A1)、九州3(A1)と、ほぼ例年活躍している地方に固まっている。
ところで今朝の朝日新聞にビックリするような見出しが出ていた。
大阪のラグビーの名門校である大阪工大高と啓光学園が経営統合するというのだ。
大阪工大高と言えば、啓光学園が台頭してくるまでずっと大阪の盟主だった高校で、今回の花園にも大阪第3地区代表として出場が決まっており、Bシードにも選ばれている。
一方の啓光学園は大阪工大高に比べれば後発ながら、花園4連覇を果たすなど、近年では大阪工大高を上回る戦績を収めている。
今回の大阪第3地区決勝でも両者が激突し、大阪工大高が啓光学園を破って花園出場を決めている。
そんな両者が統合されると、高校野球でいえばPL学園と大阪桐蔭が合併するような、ウルトラチームが誕生してしまう。
ところが記事を読んでみると、そういうわけではなさそうだ。
現在、大阪工大高を運営しているのが大阪工大摂南大学で、少子化の影響で学生数が減少し、啓光学園も生徒数が減ったので両者の思惑が一致し、大阪工大が啓光学園を経営することになった。
ただし、大阪工大高と啓光学園の学校法人同士は合併せず、そのまま両校は存続するのだという。
なお、大阪工大高は来春から「常翔学園」と校名変更が決まっており、啓光学園は「常翔啓光学園」となる。
いわば、上宮と上宮太子のような姉妹校の関係になるわけだ。
大学が経営するのに大学名が外されるという珍しいケースになる。
それにしても「常翔」とは、「常勝」や「上昇」と同じ発音で、ラグビー部にとっては非常に縁起のいい校名となる。
来年からは大阪地区大会や花園の全国大会で、常翔学園×常翔啓光学園の戦いが見られるかも知れない。
でも、大阪工大高の名前がまるっきり無くなってしまうのは寂しいものだ。
来春には高校野球の名門である北陽が関西大学の傘下に入って「関大北陽」になり、平安が龍谷大学の名前を付けて「龍大附平安」になる。
既に校名が変わった高校では、中京が中京大中京になり、浪商が大体大浪商になったケースが有名だ。
生徒数が減って学校経営が困難になり、大学が経営参加するのはよくわかるが、お馴染みの校名が変わってしまうのはなんとも寂しい限りである。